行政不服審査法の逐条解説 [第2版]
2014 (平成26) 年の通常国会において、行政不服審査法関連3法が成立した。行政不服審査法は全部改正され、361本の関係法律を整備した「行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(整备法) が制定され、行政手続法も一部改正された。行政不服審査法は1962 (昭和37) 年に制定されたが、2004 (平成16) 年の行政事件訴訟法の一部改正に合わせて、執行停止要件の緩和と職権による教示の書面によることの義務付けが行われた以外、実質的な改正はなかったので、行政不服審査法制定以来52年ぶりの抜本的な改正が行われたことになる。審理員制度や行政不服審査会等への諮問制度の導入による審理手続の公正性の向上、標準審理期間制度や計画的審理制度の導入による審理手続の迅速性への配慮、不服申立ての種類の原則一元化による分かりやすさの改善、主観的審査請求期間の延長による救済の実効性の向上等、その意義はきわめ大きい。本書は、全部改正された行政不服審査法について逐条的に解説するものであるが、同法の基本的な解説書は、著者も刊行しており (『Q&A 新しい行政不服審査法の解説』新日本法規、2014年)、他にも存在するため、より詳細な解説を心がけた。序论では、行政不服審査法全部改正に至るまでの我が国の行政上の不服申立制度の発展についても、1882 (明治15) 年の請願規則に遡って解説している。また、整备法についても要点を概説している。行政不服審査法全部改正の意義を理解するためには、整备法についても、少なくともその概要を理解しておく必要があるからである (整备法について詳しくは、『宇賀克也?改正行政不服審査法関連三法 (弘文堂、2015年)』第2編を参照していただきたい)。
第2版においては、行政不服审査法施行令、行政不服审査法施行规则、行政不服审査会事务局组织规则、行政不服审査会运営规则についての解説を追记した。本书では、条文の解説にとどめず、重要な裁判例についても説明している。巻末に判例索引を付しているので、事项索引とともに活用していただければ幸いである。また、より深く调査研究を行いたい方のために、本文中で参考文献を记载している。さらに、巻末に资料として、行政不服审査法、同法施行令を付けているので、适宜、参照して本书の解説の理解を深めていただきたい。
(紹介文執筆者: 法学政治学研究科?法学部 / 総合文化研究科国際社会科学専攻 教授 宇賀 克也 / 2017)
本の目次
本论 行政不服审査法の解説
第1章 総則
第2章 審査請求
第3章 再調査の請求
第4章 再審査請求
第5章 行政不服審査会等
第6章 雑則
整备法