とんぼの本 热帯建筑家 ジェフリー?バワの冒険
ジェフリー?バワというスリランカの建築家は、20世紀建築史において、丁番のような役割を果たしたのではないかと、僕は感じている。产业資本主義をベースにするモダニズム建築から、「里山資本主義建築」への転換点に、彼は丁番のように位置している。
最初は、それほど重要な建筑家には见えなかった。スリランカの美しいジャングルの中に、気持ちのいい别荘やホテルを作る商业的建筑家であって、彼の设计したホテルには泊まりたいなとは思っても、歴史的に重要な建筑家だとは感じられなかった。
しかし、実际に彼の建筑を访れて、见方が変わった。建つ场所との関係、その场所が产する材料の使い方、その场所に暮らす职人と共に作っていった様子などをうかがい知ることができて、彼の建筑のさりげなさが、そのような诸々の「関係」の产物であることが理解できたのである。「切断」を原理とするモダニズム建筑は、场所から切断され、场所と対比的であることが特徴だから、その场所に行かなくても、理解することができるし、その场所に行くと、却って失望することの方が多い。しかし、「関係」を原理とするバワのような建筑は、その场所に行って初めて、その建筑の良さ、すごさを理解することができる。スリランカのジャングルを歩いてみて、バワの建筑を初めて理解することができた。
バワの建筑は、20世纪后半に始まった。新しいスタイルのリゾートホテル──たとえばアマンホテルなど──に大きな影响を与えた。バワの影响を受けることで、リゾートホテルは、それまでのリゾートホテルとはデザイン的にも别のものに生まれ変わり、また社会との関係性、社会の中での位置付けも违うものになった。すなわち、バワ以降のリゾートホテルは里山资本主义を担うための、ひとつの大事なエンジンであることに目覚め始めたのである。
僕自身、その后、スリランカのバワ设计のホテル(クラブ?ヴィラ)の改修をまかされることになり、またスリランカの海岸にホテルを设计する机会をもらった。バワの生诞100年の记念パビリオンも、彼の使っていた森の中のヴィラの庭にデザインすることになり、いろいろな縁がつながって、歴史というものの不思议を感じている。
(紹介文執筆者: 工学系研究科 教授 隈 研吾 / 2020)
本の目次
バワ建築の歩き方 文=山口由美
ジェットウイング?ライトハウス Jetwing Lighthouse
ヘリタンス?カンダラマ Heritance Kandalama
ジェットウイング?ラグーン Jetwing Lagoon
ベントータ?ビーチ?ホテル Bentota Beach Hotel
アヴァニ?ベントータ?リゾート&スパ AVANI Bentota Resort & Spa
ヘリタンス?アーユルヴェーダ?マハ?ゲダラ Heritance Ayurveda Maha Gedara
ヘリタンス?アフンガラ Heritance Ahungalla
ザ?ブルー?ウォーター The Blue Water
パラダイス?ロード? ザ?ヴィラ?ベントータ Paradise Road The Villa Bentota
クラブ?ヴィラ Club Villa
ザ?セブン?スピリチュアル? リゾート?アット?バワハウス The Seven Spiritual Resort at Bawa House
レッド?クリフス Red Cliffs
ナンバー 狈耻尘产别谤11
ルヌガンガ 尝耻苍耻驳补苍驳补
热帯建筑家、バワの歩んだ道 文=山口由美
バワが私たちに伝えること 文=チャンナ?ダスワッタ
〈コラム〉
バワ建筑をもっと知る?楽しむ 文=山口由美
1 カラフルなビタミンカラーで人気の女性デザイナーの店
ベアフット
2 白黒ストライプのデザイン、バワゆかりのカフェでひと休み
パラダイス?ロード/パラダイス?ロード?スタジオ/パラダイス?ロード?ギャラリーズ/ザ?ギャラリー?カフェ
3 アジアンリゾートの源流となったバリの别荘建筑
バトゥジンバ
4 新筑の设计だけじゃない。「改装」も大切な仕事
ヴィヴァンタ?バイ?タージ?コンネマラ/アヴァニ?カルタラ?リゾート
5 一九七〇年、バワと日本の「こんにちは」
大阪万博セイロン?パビリオン
6 お寺が面白い! いつでもお参りできるバワ建筑
シーマ?マラカヤ
ジェフリー?バワ略年谱
関连情报
旅行作家山口由美さんと巡る建筑家ジェフリー?バワ/スリランカの旅 (住まいマガジンびお 2018年3月14日)
「热帯建筑家 ジェフリー?バワの冒険」隈研吾、山口由美著 (日刊ゲンダイDIGITAL 2016年1月8日)