债権総论 摆第叁版闭
债権総论は、民法の債権編の総則で規定されている分野を研究する学問領域です。契約や不法行為などから発生する債権について、それがどのような効力をもつのか、どうすればその内容が実現されるなどして消滅にいたるのか、また、債権や債務はどのようにして移転するのかといったことが検討対象とされます。このような内容ですので、债権総论は抽象的でむずかしいといわれます。しかし、裁判の場はもとより、先端的な取引実務の場でも、新たな問題の解決や新しいシステムの構築にあたって、债権総论に関わる理論的検討が求められることは、稀ではありません。また、一見すると技术的に見える規定も、そこには、長い歴史の中で磨かれてきた理念や、その時代や社会において共有されている思想が内在しています。债権総论では、一方で、根底にある理念や思想を吟味すること、他方で、法的規律として社会に役立つよう技术面での精度を高めることが求められます。
20世紀の終り頃から、世界的に、債権や契約に関する規律の改正や新設の動きが活発です。日本でも、これに関する民法の大きな改正が進められています。そのただなかで、日本の债権総论の現在の水準を平明に描きたいと考え、本書を執筆しました。その際、規律の趣旨を検討したり、異なる理解がある場合には、相違の生じる原因を分析したりするという、掘り下げる試み、日本以外ではどうか、歴史的にはどうだったのかを調べるという、視野を広げる試み、異なる考え方の結果として具体的にどのような違いが生じるのかを検討するという、詰めを進める試みを、意識しました。これらの試みにより、债権総论において、債権とその発生原因との関係、当事者の合意と合意以外の要素の関係、平時の規律と債務者倒産時の規律の関係、債権者の視点と債務者の視点の関係などについて、それぞれ考え方の相違ないしグラデーションがあることが分かってきます。それらの相違を認識しつつ、現代において適切な規律を構築することが求められているのだと思います。このようにして、大きな変動期にある現在、本書において、これからの债権総论のあり方を考えようとしました。
民法改正は、法案が可决されてもそれで完成したというわけではありません。巻末に付した民法改正に関する中间试案には、法案には盛り込まれなかった项目もかなり含まれていますが、そこで示された规律は、否定されたわけではなく、学説や判例の展开に委ねられているものです。法案の规律と、法案外の规律の双方について、今后とも検讨を进める必要があります。
本书では、こういったことを、できるだけ平易に示したいと思いました。本书には、初めて学ぶ人、ひととおりの勉强をした人、既に実务や研究に携わっている人のそれぞれに向けてのメッセージが込められています。本书がそれらの方々の役に立つことを期待しています。
(紹介文執筆者: 法学政治学研究科?法学部 教授 中田 裕康 / 2016)
本の目次
第1編 債権の発生
第1章 債権の概念
第2章 債権の発生原因と要件
第3章 債権の種類
第2編 債権の効力
第4章 ?債権の効力」とは何か
第5章 当事者間の効力
第6章 債務者の責任財産の保全
第7章 第三者による債権侵害
第3編 債権の消滅
第8章 債権の消滅
第4編 当事者の複数と変動
第9章 多数当事者の債権関係
第10章 債権債務の移転
結章 债権総论の展望
(付) 中間論点整理との関係
関连情报
後藤巻則?法学セミナー643号127頁 (2008年)