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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

過所船旗の写真

书籍名

読みなおす日本史 海の武士団 水军と海贼のあいだ

着者名

判型など

240ページ、四六判

言语

日本语

発行年月日

2021年11月18日

ISBN コード

9784642071697

出版社

吉川弘文馆

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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岛国の日本では、海上交通が古くからの物流インフラとして重要な位置を占めてきた。しかし海上交通には、人や物を大量に、そして速やかに运ぶことができる利点があるとともに、さまざまな制约もある。帆船は、目的地まで船を运んでくれる追い风を待たなければならないし、天候や海况に大きく左右される航海になるため、航路上の地理も知悉していなければならない。なかでも、とくに大きな制约があったのが、日本史のなかで中世と呼ばれる时代だった。
 
武士の時代とされる日本の中世社会では、鎌倉幕府や室町幕府などの中央政権が各地の隅々まで統制できているわけではなかった。そのため、地域の秩序を維持していくなかでは、独自の社会慣習が適応され、海を越えてやって来る船に対しても同様に、船を受け入れる側の論理が優先されていたのである。たとえば中世の有名な慣習である「寄 (より) 船 (ぶね)」は、漂着した船などを、その土地の住民が自由に処分できるというものだった。「日本では、船舶は嵐によって港で失われることがあるばかりか、陸にたどり着いた場合ですら、それらの船舶は港において難破したものとして積荷もろとも没収されてしまう。」16世紀に来日したキリスト教の宣教師は、溜め息まじりに記している。
 
一见すると横暴にも思える论理は、日本中世の津々浦々において确认でき、そこを生活の基盘としていたのが本书で〈海の势力〉と呼んだ人々である。彼らは自分たちのナワバリに来航する船から通行料を徴収し、自分たちの指示に従わない船に対しては暴力的に略夺をすることもあった。その振る舞いから「海贼」と呼ばれるが、时には海上の武力集団として体制侧の戦争に协力する场面もあり、后世の人间は「水军」や「海の武士団」と呼ぶこともある。しかしながら実态は、ナワバリに根を生やして地域から海上交通を支えていた集団といえるだろう。
 
この〈海の勢力〉は、日本に江戸幕府という強力な中央政権が登場すると入れ替わるように姿を消していく。一つの制約が解消され安定感を増した近世の海上交通に比べると、荒々しい印象もあるが、中世という時代には不可欠の存在であった。そんな彼らの動向を追いかけたのが、本書である。本書は2013年に講談社より出版されたのち、ユニークな良書に再び光を当てる吉川弘文馆の「読みなおす日本史」シリーズに加えていただき、補論を加えて2021年に刊行された。「海賊」、「水軍」、「海の武士団」と呼ばれた彼らの、騒々しくエネルギッシュな存在感を本書から読み取ってもらえたら幸いである。
 

(紹介文執筆者: 史料编纂所 准教授 黒嶋 敏 / 2022)

本の目次

プロローグ 波の上から
 
第一章 港と武力と徳政 (暴力の港 / 政治権力と関 / そして徳政)
 
第二章 ナワバリを越えて (北条氏権力の置き土産 / “海の勢力”と手を結ぶ室町幕府 / 癒着の温床 / 室町幕府と〈海の勢力〉の編成)
 
第三章 冬の時代へ (戦国大名と他国者 / 廻船衆の台頭 / 織田信長と“海の勢力”/ 秀吉海賊停止令の読み方)
 
エピローグ 旅立ちの海
 
补论 ナワバリと&濒诲辩耻辞;海の势力&谤诲辩耻辞;

関连情报

新刊案内 (『地方史研究』416号 第72巻 第2号 2022年4月)

 
书籍绍介:
OceanNewsletter: ナワバリに生きる海人―日本中世の〈海の勢力〉をめぐって (SPF笹川平和財団 | OPRI海洋政策研究所ニュースレター第469号 2020年2月20日発行)

 
関连记事:
日本遺産村上海賊巡回展:中世日本の海賊と城III - 日本海賊会議 (村上海賊魅力発信推進協議会 2020年9月)

 
熊野水军のさとシンポジウム「列岛の中の熊野水军」が开催されました (和歌山県立博物馆 2017年3月15日)

 

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