
书籍名
ヨーロッパの世俗と宗教 近世から现代まで
判型など
352ページ、础5判
言语
日本语
発行年月日
2020年10月
ISBN コード
978-4-326-10286-0
出版社
劲草书房
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
私が専门にしているフランスのライシテは、1905年の政教分离法が基本法になっていることもあり、制定100周年に当たる2005年前后には、现代的な课题を意识した歴史的研究や、フランスとヨーロッパ诸国の比较研究など、多様な研究が展开していた。ちょうどフランスでの留学中だった私は、そうした研究动向に刺激を受けつつ、日本への绍介も兼ねるような政教関係の国际比较ができたらと考えていた。その一方で、研究范囲は広く、とても一人ではカバーしフォローしきれないように感じていた。
その后、上智大学外国语学部のヨーロッパ研究コースでオムニバスの授业を责任者として引き受ける机会があった。ヨーロッパの各地域を専门とし宗教もカバーしている同僚の先生方に授业をお愿いする一方、非常勤の先生にも授业が依頼できたので、宗教学を専门としヨーロッパをフィールドとしている先生方にも声をかけた。研究成果を学生に教育で还元できるような授业にしたいと考え、ヨーロッパの広い地域をカバーしさまざまな専门分野の研究者を集めた科研の共同研究「ヨーロッパの世俗的?宗教的アイデンティティの行方――政教関係の学际的比较研究」を立ち上げた。本书はその成果である。
本书が目指したのは、世俗の时代のヨーロッパにおける宗教事象の多様性を、一定の体系性のもとに示して位置づけ直すことである。そのためには、政教関係という「构造」として取り出せるものを比较の中心に据えるのが妥当だと思われた。
現代の宗教研究では、「宗教」概念は西洋近代において作られ、プロテスタント的な偏向を帯びていることは「常識」と化している。だが、日本の宗教学では、ややもすると「西洋」や「欧米」が一枚岩的に語られがちである。本書の総論では、近世から现代までに至るヨーロッパの主要各国における政教関係の変遷の要諦を、相互に比較することで相対化しつつ関係づけ直すことに狙いを定めた。また、ヨーロッパの「西」を、ヨーロッパの「東」によっても相対化することを試みた。総論を9名での共同執筆にしたことも、本書の大きな特色である。
各论は、総论を踏まえつつ论集执笔参加者の専门分野に则して各人が自分の议论を展开するというものだが、时代别やディシプリン别でまとめることはしなかった。あえてテーマ别に柱を立てて、意外性のある组み合わせを作ろうとした。执笔者同士が互いの论考にコメントする「コラム」も设けてみた。巻末には、各国别宗教人口比から公立校における宗教教育の状况、ヴェールやブルカの规制法から安楽死?医师幇助自杀に関する情报まで、地図や表やグラフによって可视化する「资料编」を付した。
本書のように、近世から现代まで、西欧諸国から中東欧ロシアまで、時代的にも地域的にも広い範囲をカバーしてヨーロッパの宗教を論じる日本语の研究書は稀である。手堅くまとめた本のように見えるかもしれないが、編者としては割とチャレンジングなことをしたつもりの本である。
(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 准教授 伊達 聖伸 / 2021)
本の目次
第I部 総论 世俗の时代のヨーロッパにおける政教関係の构造と変容
摆伊达圣伸、小川公代、木村护郎クリストフ、内村俊太、江川纯一、オリオン?クラウタウ、加藤久子、立田由纪恵、井上まどか闭
はじめに
第1章 近世─宗教改革から领域主権国家の确立と王権の强化まで(一六世纪~一八世纪)
一 スペイン─レコンキスタとカトリック的な王国の形成
二 ドイツ─宗教改革から领邦教会制へ
叁 イギリス─国教会の成立から二つの革命へ
四 フランス─宗教戦争から絶対王政へ
五 南欧─教会国家再编のイタリア、王権强化のポルトガル
六 东中欧─宗教改革の「先行性」と帝国的な「宗派化」のもとの寛容
七 南东欧バルカン地域─オスマン帝国统治下の寛容と「イスラーム化」
八 ロシア─正教における帝権と教権、そして宗派化と帝国的な「寛容」
第2章 近代─世俗的世界観の覇権の时代(一九世纪~二〇世纪前半)
一 フランス─「二つのフランスの争い」とライシテの确立
二 スペイン─「二つのスペインの争い」か、カトリックの优位か
叁 イギリス─国教徒と非国教徒の作り出すダイナミズム
四 ドイツ─政教分离の论理とプロテスタント的なナショナル?アイデンティティ
五 南欧─「二つのイタリアの争い」、「二つのポルトガルの争い」
六 东中欧─帝国(のはざま)の政治的?宗教的アイデンティティ
七 南东欧バルカン地域─反西欧的な宗教的ナショナリズム
八 ロシア─宗教的ロシアに対する二つの评価とソヴィエト体制下の政教分离
第3章 现代─宗教的なものの回帰と再构成(二〇世纪后半以降)
一 スペイン─イスラームに寛容なカトリック的ライシテの国?
二 ドイツ─「キリスト教优遇型」の存続か変化か
叁 イギリス─多様性の承认とブリティッシュネスの共有
四 フランス─ライシテの试练
五 南欧─カトリック优位の「宗教的多元主义」
六 东中欧─社会主义体制下の无神论から冷戦后のカトリック復兴へ
七 南东欧バルカン地域─宗教とナショナリズムの结合と再活性化
八 ロシア─自由と管理の独特の编成
おわりに
第II部 各论 世俗的ヨーロッパにおける宗教的なものの轮郭
〈政教関係の自明性を揺さぶる〉
第1章 一六、一七世纪スペインにおける政教関係─复合君主政と国家教会化[内村俊太]
はじめに
一 地域国家の政体
二 教会制度と国王教会保护権
叁 复合君主政の下での国家教会化
おわりに
コラム:ポルトガルのカトリック教会と「独立」问题(西脇靖洋)
第2章 ポルトガルにおける権威主义体制の民主化とカトリック教会─リスボン総大司教アントニオ?リベイロの役割に注目して[西脇靖洋]
はじめに
一 権威主义体制の崩壊とカトリック教会
二 暂定期におけるカトリック教会
叁 民主主义体制への移行とカトリック教会
おわりに
コラム:歴史を见る际の「补助线」としての理论的枠组み(内村俊太)
〈教育のなかの宗教を问う〉
第3章 ヨーロッパの公教育制度におけるイスラーム教育导入のプロセスと论点[见原礼子]
はじめに
一 ヨーロッパの公的教育机関における宗教
二 イスラーム教育导入のプロセスと论点
おわりに─ムスリムにとってのイスラーム教育の意味
コラム:世俗化社会における宗教教育と共生(増田一夫)
第4章 国家の世俗性のゆくえ─ロシアの宗教教育を事例として[井上まどか]
はじめに─ロシアにおける宗教復兴と宗教教育
一 一九九〇年代の方向転换─宗教文化教育への道のり
二 「世俗性」原则をめぐって
おわりに
コラム:多民族国家における宗教教育(见原礼子)
〈宗教が対立と和解に関与するとき〉
第5章 冷戦下での西ドイツ?ポーランドの和解に宗教はどう関与したのか[木村护郎クリストフ?加藤久子]
はじめに
一 ドイツの侧から─プロテスタント教会の『覚书』による世论の唤起と代替言説の提示
二 ポーランドの侧から─カトリック司教団「声明」が残した葛藤と新たな自己理解
おわりに
コラム:「オトナになろう」と背中を押してくれる存在(立田由纪恵)
第6章 スレブレニツァのモスクと教会─内戦后のボスニアにおける宗教と社会[立田由纪恵]
はじめに─ボスニアにおける宗教、ナショナリズム、戦争
一 スレブレニツァとは─歴史と现状
二 スレブレニツァにおける宗教
叁 スレブレニツァの宗教指导者による融和への道の模索
おわりに
コラム:スレブレニツァはヨーロッパの试験?(加藤久子)
〈宗教を信仰?実践?所属に分节化する〉
第7章 一九世纪イギリス文学の「世俗化」─エミリー?ブロンテの『嵐が丘』とスピリチュアリティ[小川公代]
はじめに
一 〈教会〉から离れても〈スピリチュアリティ〉はある
二 メソディズムの感受性文化─国教会と非国教会のあいだ
叁 物质/身体と霊の融合
おわりに
コラム:霊性の彷徨はどこに向かうのか(木村护郎クリストフ)
第8章 圣母巡礼地における所属と実践─メジュゴリエの事例[冈本亮辅]
はじめに─「危険」な圣母出现
一 メジュゴリエを取り巻く叁つの対立
二 ゴスパの政治的インパクト
叁 所属から実践へ
おわりに
コラム:ヨーロッパ的现象としてのゴスパ出现(诸冈了介)
〈多様な生と(不)死の时代に〉
第9章 现代イギリスにおける宗教的多様性とホスピス[诸冈了介]
はじめに
一 问题の背景
二 宗教的多様性に応じた取り组み
叁 チャプレン职の供给
四 ホスピスの文化的基盘
おわりに─将来の社会的课题
コラム:ホスピスケア、イギリスとロシアの共通点(井上まどか)
第10章 トランスヒューマニズムと「人新世」─科学技术時代の「信」のゆくえ[増田一夫]
「信」のゆくえ摆増田一夫闭
はじめに─自己の身体とその境界
一 ディスラプションの时代
二 トランスヒューマニズムの宗教性
叁 テクノロジーの形而上学惫蝉自然の宗教
おわりに─超越としての人间
コラム:「トランスヒューマニズム」の系谱をロマン主义运动まで辿る(小川公代)
资料编
1.各国别宗教人口比と宗教人口比将来予想
2.礼拝出席率
3.政教関係
4.公立校における宗教教育
5.ヴェール禁止とニカブ?ブルカ禁止
6.人工妊娠中絶と同性婚の合法化
7.平均寿命と安楽死?医师幇助自杀
関连情报
けいそうビブリオフィル:伊達聖伸「序論 本書の目的?特色?構成」 (劲草书房編集部ウェブサイト 2020年11月5日)