新しく学ぶ西洋哲学史
本书は、これから西洋哲学史を学ぼうとする学生、そして一般読者向けに、それぞれ西洋古代、中世、近代、そして现代ドイツ语?フランス语圏、现代英语圏の各领域を専门とする执笔者たちが、以下のような方针で着述を试みたものである。
(1) 西洋哲学史についての予備知識があまりない読者を想定し、当該分野の基礎知識を可能な限り正確、かつ、わかりやすく記述し、読者が断片的な知識を得るのではなく、西洋哲学史全体の流れを理解することができるように構成?記述する。
(2) 大学で教科書?参考資料として使用されることを想定し、重要な哲学者?思想家の名前や著作、また哲学史的に影響力の強い諸概念を可能な限り取り上げて解説すると同時に、理解を助けるために年表や地図、索引などを充実させ、本書を足がかりとしてさらなる理解を深めるために日本语で読むことが可能な書籍の紹介を章末などで行う。
(3) 西洋哲学史にかんする概括的な理解を達成するための標準的な概説書?教科書であることを目指す一方で、新しい研究動向も可能な限り反映させる。また、これまでの日本语で書かれた哲学史の教科書などでは比較的扱いが小さかったにもかかわらず、現在、注目を浴び、議論の的となっている哲学者たちや諸理論?概念をできるだけ拾い上げ、紹介と解説に努める。
以上のような方針の下で編み、書かれた本書であるが、一見して、日本语で書かれた類書に比べて「中世哲学」の占める割合が多く、また記述も濃厚であることが明らかだろう。西洋中世の哲学は、それ自身のみでも極めて興味深い議論が展開されているのと同時に、そこでの思索を批判的に継承していった近世?近代の哲学のみならず、現代の哲学にも強い影響を与えており、中世哲学における思想の流れを概観することによって近代、そして現代の哲学への理解を深める足場としながら、古代から現在に至る「西洋哲学史」の複線的でありながらも、全体として保たれている連続性を俯瞰しうるような構成にしたのが本書の特徴の一つと言える。
また、読者のさらなる理解を深めるために、紙幅の関係で本書では論じきれなかった議論を補うべく、日本语で読むことが可能な、より専門性の高い参考文献の紹介に努めたが、さらにその先に本書で紹介した哲学者たちの古典的な作品へと読者を誘うような記述を各執筆者は心がけた。「古典」といっても、それは「古い」という意味ではなく、継承するにせよ、批判するにせよ、哲学的思考の一つの「模範」として広く考察や議論の対象となっているものを指し、いまだ世に出て数十年しか経っていない作品であっても既に古典としての地位を確立しつつあるものもある。西洋哲学史についての基礎的な理解を助けるものであることに加えて、そのような古典へ読者が関心を持ち、作品を手に取って読むきっかけとして本書が読まれることを執筆者の一人として願っている。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 准教授 乘立 雄輝 / 2023)
本の目次
第滨部 古代ギリシア?ローマの哲学 (荻野弘之)
第1章 初期ギリシア哲学の诞生――ソクラテス以前
第2章 ソフィスト思潮とソクラテス――自然から人间へ
第3章 プラトンの哲学――対话篇とイデア论
第4章 アリストテレス――体系と方法
第5章 ヘレニズムの哲学――生き方の探究
第6章 帝政ローマ时代の哲学――救済と超越
第滨滨部 中世哲学 (山本芳久)
第7章 教父哲学――キリスト教哲学の展开
第8章 前期スコラ学――11~12世纪の思想
第9章 盛期スコラ学――13世纪の思想
第10章 后期スコラ学――14世纪の思想
第滨滨滨部 近代の哲学 (大桥容一郎)
第11章 人文主义の诸思想
第12章 近代合理性の哲学
第13章 18世纪启蒙の哲学
第14章 カントの哲学
第15章 19世纪の哲学
第IV部 現代の哲学 (本郷 均?乘立雄輝)
第16章 20世紀哲学の端緒 (本郷 均)
第17章 第二次世界大戦前後の哲学 (本郷 均)
第18章 哲学の変容 (本郷 均)
第19章 论理学革命前夜の英语圏の哲学 (乘立雄辉)
第20章 分析哲学の诞生と展开 (乘立雄辉)
第21章 多様化する英语圏の哲学 (乘立雄辉)
あとがき (荻野弘之)
西洋哲学史年表
人名?事项索引