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本书は、现代日本を代表する批评家の一人である若松英辅と、西洋中世哲学?キリスト教神学の専门家である山本芳久が、対谈形式でキリスト教の本质を掘り下げて考察した着作です。
 
若松と山本は、若き日に、共に井上洋治神父のもとで学んだ亲友です。そして、井上洋治神父は、日本人の心でキリスト教を捉え直すことに生涯を捧げた人物です。西洋中心に発展してきたキリスト教をいかにして日本に根づかせることができるのかという共通の问题意识を背景に置きながら、「爱」「神秘」「言叶」「歴史」「悪」「圣性」というキリスト教の根本テーマについての掘り下げた考察が、対话を通じて展开されています。
 
本書の形式上の大きな特徴の一つは、古典的な著作からの豊富な引用に基づいて対話が行われていることのうちに見出すことができます。具体的には、旧約聖書、新約聖書、キケロ、アウグスティヌス、リーヴォーのアエルレドゥス、ブロワのぺトルス、トマス?アクィナス、C.S.ルイス、パスカル、ゲーテ、ジョン?ヘンリー?ニューマン、リルケ、シモーヌ?ヴェイユ、ガブリエル?マルセル、教皇ベネディクト十六世、明恵、柳宗悦、内村鑑三、岩下壮一、吉満義彦、越知保夫、井上洋治、遠藤周作、須賀敦子、志村ふくみなど、神学?哲学から文学に及ぶ実に多彩な著者の言葉が引用されているため、キリスト教のみではなく、東西の思想史に対する本格的な入門書ともなっています。キリスト教について語る多様な著者の声が共鳴することによって、豊かな言语宇宙の広がりが生まれてきています。古典的な書物を読み解くことと現代的な諸問題の分析が組み合わされるなかで、キリスト教の奥行きに触れることが可能になっています。
 
本书は、キリスト教は奇妙であり难解であるという话から始まっています。「キリスト教」という复雑なものを単纯化してわかりやすく理解しようとするのではなく、まずはその奇妙さと难解さの前に立ち止まってみることが、「キリスト教」を的确に理解するための最初の出発点になるからです。キリスト教を、単なる过去の遗物としてではなく、现代においても知的刺激と人生への指针をもたらしうるものとして捉え直すための様々な手がかりが含まれている书物となっていますので、キリスト教に、そして西洋の思想史に関心を持っている学部生の皆さんに、とりわけ読んでいただければと思っています。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 山本 芳久 / 2024)

本の目次

関连情报

キリスト教讲义【文庫版】　(文艺春秋 刊　2023年6月7日)

 
『キリスト教讲义』ブックリスト
若松英輔?選　山本芳久?選　(文艺春秋　2018年12月19日)

 
特集记事:
本の話　回心を準備する 文：若松 英輔　(文艺春秋　2018年12月13日)

 
本の話　「言葉」を受け継ぐ、「神秘」を受け継ぐ 文：山本 芳久　(文艺春秋　2018年12月13日)

 
本の話　言葉に潜むコトバ 文：若松 英輔　(文艺春秋　2018年12月13日)

 
対谈:
『世界は善に満ちている』刊行記念: 若松英輔×山本芳久「人生のソムリエ」になろう
第1回　世界を肯定してみよう　(考える人　2021年4月5日)

 
『世界は善に満ちている』刊行記念: 若松英輔×山本芳久「人生のソムリエ」になろう
第2回　「徳」の力を身につけよう　(考える人　2021年4月6日)

 
『世界は善に満ちている』刊行記念: 若松英輔×山本芳久「人生のソムリエ」になろう
第3回　「爱」をよみがえらせるために　(考える人　2021年4月7日)

 
イベント:
若松英輔×山本芳久『キリスト教讲义』(文艺春秋)刊行記念トークイベント「『ナルニア国ものがたり』を読み解く：その秘められた意味」　(代官山蔦屋書店　2019年2月17日

 
キリスト教讲义　文学篇　「須賀敦子とその系譜」
『キリスト教讲义』（文艺春秋）刊行記念　若松英輔＋山本芳久トークイベント　(Title　2019年1月21日)

 
キリスト教讲义　文学篇　キリスト教文学とは何か　(銀座教文館ウェンライトホール　2019年1月11日)

 
『キリスト教讲义』（文艺春秋）刊行記念　若松英輔さん×山本芳久さんトークショー　(八重洲ブックセンター本店　2018年12月25日)

 

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