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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に地図

书籍名

仏教の正统と异端 パーリ?コスモポリスの成立

着者名

判型など

368ページ、四六判

言语

日本语

発行年月日

2022年3月2日

ISBN コード

978-4-13-016043-8

出版社

东京大学出版会

出版社鲍搁尝

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仏教の歴史を一文にまとめよと言われたら、どう答えるだろうか? まずは高校「世界史」の教科書を開いてみよう――インドに生まれた仏教は、大乗仏教と上座部仏教に分かれ、前者はインドから東アジアや内陸アジアに広まり、後者は東南アジアに広まった。この説明は正しいだろうか?
 
じつは、「大乗仏教」(Mahāyāna Buddhism) も、「上座部仏教」(Theravāda Buddhism) も、近代に創られた概念である (本書第9章で論じた)。「大乗」あるいは「上座部」という仏典にあった語と、近代に宗教の呼称として生まれた「仏教」(Buddhism) という語を結びつけた熟語であって、伝統的に存在した概念ではない。この近代製の対概念から離れて、仏教の歴史を捉え直すこと。それを試みたのが本書である。
 
仏教の歴史的理解には、仏教文献を調査するだけでなく、政治?経済?言语の状況のなかに仏教を位置づけることが不可欠である。そこで本書では、南アジアと東南アジアの言语転換に焦点を当てることによって仏教史を論じ直している。扱う範囲は、おもに1世紀から20世紀の南アジアと東南アジアである。
 
ちょうどヨーロッパでラテン語、東アジアで漢語が知識人の共有する普遍語の役割を果たしたように、南アジアと東南アジアでは、4世紀から13世紀にサンスクリット語が政治言语となった――この国際空間を、インド学者シェルドン?ポロックは「サンスクリット?コスモポリス」と呼ぶ。サンスクリット語は古代インドの言语であり、もともとバラモン教の聖典や儀礼に用いられる言语だった。南アジアと東南アジアを統一した帝国があったわけでもなく、一方が他方に朝貢したわけでもなく、両地域の諸王権がほぼ同時期にサンスクリット語を用い始めたのである。もともと俗語で伝承されていた大乗経典のような仏典も、サンスクリット?コスモポリスにおいてサンスクリット語に写し変えられていった。
 
ところが、一三世紀から一四世紀に東南アジア大陸部の政治勢力は一変し、新たに成立した各地の王権はスリランカからパーリ語――これも古代インドの言语の一つ――を聖なる言语とする仏教を再導入した。その結果、各地の王権により支援された出家教団が伝承するパーリ語の仏典群が、スリランカと東南アジア大陸部で共有されるようになった。このような国際空間を、本書は「パーリ?コスモポリス」と呼ぶ。
 
ベンガル湾を介した交易圏にあるスリランカと东南アジア大陆部で、パーリ?コスモポリスが成立したことは、世界史的な事件だった。なぜなら、この交易圏を支配したオランダとイギリスから、今日、世界を覆っている资本主义が生まれたからである。
 
それでは、サンスクリット?コスモポリスに代わって、どのようにパーリ?コスモポリスが成立したのか。この问题にご関心のある方は、それを详しく论じた本书を手に取っていただければ幸いである。
 

(紹介文執筆者: 东洋文化研究所 教授 馬場 紀寿 / 2022)

本の目次

序 章 聖なる言语の国際空間

I 不在の中心
第1章 仏教に「正统と异端」はあるのか?
第2章 インド仏典の多元的伝承――部派と大乗
第3章 サンスクリット?コスモポリスの仏教

II 中心と周縁
第4章 スリランカにおける史书の诞生
第5章 パーリ语原理主义
第6章 ブッダゴーサが示す仏教の未来

III 周縁の正统
第7章 正史の王権论――「教え」と「异端」 
第8章 パーリ?コスモポリスの形成
第9章 近代における「大乗仏教」と「上座部仏教」の创造

終 章 神々の言葉からブッダの言葉へ
 

関连情报

自着解説:
(东洋文化研究所ホームページ)

 
书评:
小島敬裕 (津田塾大学学芸学部教授) 評 (『史学雑誌』第132編第7号 2023年7月)


(『週刊仏教タイムス』 2022年5月19日号)

 
(『中外日报』 2022年4月15日号)

 
関连イベント:
马场纪寿先生公开讲演会パーリ?コスモポリス―「大乗仏教」と「上座部仏教」を再考する― (东洋大学 2021年12月4日)

 

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