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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙、上部に赤いストライプ模様

书籍名

いつもの言叶を哲学する

着者名

判型など

296ページ、新书判

言语

日本语

発行年月日

2021年12月13日

ISBN コード

9784022951533

出版社

朝日新闻出版

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本书は、私たちの社会や生活のなかで息づく「いつもの言叶」たちについて、多様な角度から见渡しながら探究していく本です。とりわけ、〈言叶を大切にする〉とはどういうことか、また、その実践がなぜ重要であるかを、私たちの身近にある具体的な事例を通して明らかにすることを目指しています。
 
最初の第一章では、言葉とともにある生活の具体的な姿を見ていきながら、言语とは〈生ける文化遺産〉であり、言葉を用いることはそれ自体、私たちの生活のかたちの一部である、という点を確認します。続く第二章では、私たちが用いるべき語彙や表現形式といったものに対する過度の規格化や、あるいは、お約束の言葉のやりとりの蔓延といった事態を扱いつつ、私たちの社会や生活においていま必要な言语実践とは何かを問います。そして第三章では、氾濫する不可解な言葉遣い、無数に飛び交うカタカナ語や専門用語など、私たちの生活に溢れる新しい言葉をさまざまに取り上げながら、それらに潜む含意や、独特の面白さ、そして危うさといったものを分析します。最後に第四章では、時代や状況の変化とともに移ろいゆく言葉の意味について、また、私たちの社会や生活の変化と、古びて廃れていく言葉の間のずれについて、さらには、言葉の意味の歪曲や「型崩れ」といった現象について吟味します。
 
言葉の意味が変化していくことや、言葉が古びていくことを、私たちはどう受けとめればよいのか。次々に生まれる新語や流行語にどう向き合っていけばよいのか。常套句や決まり文句といったものに、どこまで身を預ければよいのか。個々の言葉がもつ微妙なニュアンスをつかまえるということに、いかなる重要性があるのか。―― こうした問いに絡んで、本書では次のような具体的なテーマを扱っています。「抜け感」や「規模感」といった、近頃よく耳にする言葉の長所と短所。「親ガチャ」という若者言葉が意味すること。「誤解を招いたのであれば……」とか「不快な思いをさせたのならば……」といった謝罪の言葉の何が問題なのか。「かわいい」という言葉の歴史。オノマトペの豊かさ。配偶者の呼び名の難しさ。「ケア」や「クラスター」といったカタカナ語の功罪。「まん延」や「ひっ迫」といった交ぜ書きの氾濫、等々。
 
こうした多彩なテーマを探究し、良かれ悪しかれ私たちのいまの生活でよく见かける「いつもの言叶」たちを分析しながら、本书は繰り返し次のポイントに立ち戻っていきます。それは、私たちの社会や生活は言叶とともにあり、そのつどの表现と対话の场としてある、ということです。表现と対话の场は、言叶を雑に扱うことによって如実に损なわれ、また逆に、言叶を大切にすることによって确保され、より豊かなものとなりえます。私たちの社会や生活を支える言叶の面白さと恐ろしさ、そして、言叶に无関心でいることの危うさに、本书が迫るものであることを愿っています。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 准教授 古田 徹也 / 2022)

本の目次

第一章 言葉とともにある生活
1 「丸い」、「四角い」。では「三角い」は?
2 きれいごとを突き放す若者言叶「ガチャ」
3 「お手洗い」「成金」「土足」―― 生ける文化遺産としての言葉
4 深淵を望む言葉 ―― 哲学が始まることの必然と不思議
5 オノマトペは幼稚な表现か
6 「はやす」「料る」「ばさける」―― 見慣れぬ言葉が開く新しい見方
7 「かわいい」に隠れた苦味
8 「お父さん」「先生」―― 役割を自称する意味と危うさ
9 「社会に出る」とは何をすることか
10 「またひとつおねえさんになった」―― 大人への日々の一風景
11 「豆腐」という漢字がしっくりくるとき ―― 言葉をめぐる個人の生活の歴史
 
第二章 規格化とお約束に抗して
1 「だから」ではなく「それゆえ」が適切? ――「作法」に頼ることの弊害
2 「まん延」という表記がなぜ蔓延するのか ―― 常用漢字表をめぐる問題
3 「駆ける」と「走る」はどちらかでよい? ―― 日本语の「やさしさ」と「豊かさ」の緊張関係
4 対话は流畅でなければならないか
5 「批判」なき社会で起こる「炎上」
6 「なぜそれをしたのか」という質問に答える責任
7 「すみません」ではすまない ―― 認識の表明と約束としての謝罪
 
第三章 新しい言葉の奔流のなかで
1 「○○感」という言葉がぼやかすもの
2 「抜け感」「温度感」「規模感」――「○○感」の独特の面白さと危うさ
3 「メリット」にあって「利点」にないもの ―― 生活に浸透するカタカナ語
4 カタカナ语は(どこまで)避けるべきか
5 「ロックダウン」「クラスター」―― 新語の導入がもたらす副作用
6 「コロナのせいで」「コロナが憎い」―― 呼び名が生む理不尽
7 「水俣病」「インド株」―― 病気や病原体の名となり傷つく土地と人
8 「チェアリング」と「イス吞み」―― ものの新しい呼び名が立ち現せるもの
 
第四章 変わる意味、崩れる言葉
1 「母」にまつわる言葉の用法 ―― 性差や性認識にかかわる言葉をめぐって1
2 「ご主人」「女々しい」「彼ら」―― 性差や性認識にかかわる言葉をめぐって2
3 「新しい生活様式」―― 専門家の言葉が孕む問題
4 「自粛を解禁」「要請に従う」―― 言葉の歪曲が損なうもの
5 「発言を撤回する」ことはできるか
6 型崩れした见出しが示唆する现代的课题
7 ニュースの见出しから言叶を実习する
8 「なでる」と「さする」はどう違う?

関连情报

书评:
大澤正子 評「常套句や新語の安易な使用に警鐘」 (日本教育新聞 14面 2022年4月25日) 

 
武田徹 評「武田徹の新書時評 変わる言葉と世界」 (『文藝春秋』p. 511 2022年3月号/文藝春秋デジタル)

 
前田龍之祐 評 (『表現者クライテリオン』p. 232 2022年3月号)

 
村松友視 評「意識が“よこばい”しつつも書き手の熱量に引き込まれる」 (『サンデー毎日』 2022年1月30日号/毎日新聞ウェブサイト 2022年1月18日)

 
书籍绍介:
『スミセイベストブック』p. 25-27 2022年5月号
 
「日常的な言葉の面白さや危うさに迫る『いつもの言叶を哲学する』など新刊4冊」 (『女性セブン』 2022年4月28日号/NEWSポストセブン)

 
鷲田清一「折々のことば (2295) 」 (朝日新聞 2022年2月17日朝刊)

 
「引き込まれる「エビはすごい カニもすごい」など注目の新書5選」 (朝日新聞 2022年2月5日朝刊/好書好日)

 
日本経済新闻 2022年2月5日朝刊

 
『東洋経済』p. 109 2022年2月5日号

 
インタビュー:
川添愛 X 古田徹也X山本貴光 なぜあの人と言葉がかみ合わないのか ──あやふやさと責任をめぐって (ゲンロンカフェ 2022年9月7日)


前編「「嫁」は絶対ダメ、「パートナー」ならオールOK?―― 哲学者と考える、「変わる言葉」とのつきあいかた」  (うにくえ 2022年4月21日)

 
後編「「個性」や「多様性」、言い換えるならどんな言葉?――哲学者と一緒に、いつもの言葉を「ほぐして」みる」 (うにくえ 2022年4月28日)

 
対谈:
川瀬和也×古田徹也の哲学夜話[1]「悩むことができるというのが道徳的な贈り物」 (光文社新書公式note 2022年4月23日)

 
川瀬和也×古田徹也の哲学夜話[2]「「考え抜く力」を養うための読書術」 (光文社新書公式note 2022年4月24日)

 
イベント:
『人生相談を哲学する』(生きのびるブックス) 『いつもの言叶を哲学する』(朝日新書) 刊行記念 森岡正博×古田徹也トークイベント「人生を哲学する言葉」 (オンライン [代官山 蔦屋書店主催] 2022年3月19日)

 
川瀬和也×古田徹也「未来を選び取るための哲学の話」『ヘーゲル哲学に学ぶ 考え抜く力』(光文社)『いつもの言叶を哲学する』(朝日新闻出版)W刊行記念 (オンライン [本屋B&B主催] 2022年1月28日)

 
代官山 蔦屋書店 10周年記念 人文フロア連続イベント 古田徹也『いつもの言叶を哲学する』(朝日新書) 刊行記念 古田徹也×奥田太郎×三浦隆宏トークイベント (代官山 蔦屋書店/オンライン 2021年12月10日)

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