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书籍名

移民政策とは何か 日本の现実から考える

着者名

判型など

256ページ、四六判

言语

日本语

発行年月日

2019年4月24日

ISBN コード

9784409241240

出版社

人文书院

出版社鲍搁尝

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2018年に、外国人労働者の受け入れを拡大するための法 (出入国管理及び難民認定法など) 改正が行われた。本書は、この法改正を受けて、それまでの日本の移民受け入れや、すでに暮らしている移民の現実を踏まえつつ、同法改正の意味を検討する目的で編まれたものである。
 
それ以前、日本は、公式には、専門的?技术的労働者以外の外国人労働者の受け入れを原則として認めていなかった。当時日本で働く外国人労働者は140万人を超えていたが、技能実習生は「技术移転による国際貢献」、日系人は「親族訪問」というように、異なる目的のもと受け入れられた移民たちが、日本の労働現場で働いてきたのである。
 
こうした建前と现実のズレを前提とする制度は、1989年の法改正及び93年の技能実习制度の创设によって大筋が决められ、约30年継続してきた。それゆえ2018年の受け入れ拡大は、日本政府が、人手不足の解消や中长期的な社会基盘の维持には、外国人労働者の受け入れが必要と认めたことで、これまでの政策転换を示すものとして社会的な関心を呼んだ。
 
しかし、この政策が全く新しいものだったかというと、そうとはいえない面もある。本书で指摘したのは、「定住化の阻止」としてまとめられる日本政府の方针の连続性である。1989年の法改正における议论は、先んじて外国人労働者を受け入れてきた西欧诸国の経験を参照する形で行われたが、そこで共有されるようになった认识が「外国人労働者を受け入れたら定住し、社会问题につながる」というものだった。これは、そもそも西欧诸国における移民の复雑な现実を単纯化した理解であった。またその后も、试行错误を繰り返してきた西欧诸国の移民政策の変化を踏まえて、认识がアップデートされることもなかった。むしろ日本では、滞在期限に上限を设けたり、家族の帯同を认めないことにより移民の定住化を防ぐ形での受け入れ、すなわち「定住化の阻止」としてまとめられる方针がより基调になっていった。そして2018年の法改正において新たに创设された「特定技能」制度もまた、「移民政策はとらない」という方针のもと、定住化を着しく制限するものとなっており、それ以前の方针との连続性が见出される。 
 
一方で、こうした政策にもかかわらず、国际结婚や日系人などをはじめ多くの移民が定住しているのも现実である。移民现象は复雑で、国家は移民を完全にコントロールできるわけではない。それゆえ移民政策研究では、政策意図と结果の乖离が指摘されてきたが、日本でも同様の现実があるのだ。同时に、その乖离は、学术的に兴味深い现象であるだけでなく、现実的な効果ももっている。つまり「定住化の阻止」を方针とし、「日本に移民はいない」とすることによって、移民たちを统合する政策が着しく欠如してきた。本书の各章では、统合政策の欠如が日本に暮らす移民たちの生活にどのような帰结をもたらしていきたのかを扱っている。また移民受け入れ国で必要とされる法制度?政策とはどのようなものなのか、各国の事例を参照しながら検讨している。
 
本书は、2018年法改正の意味をその时点で问うという観点から、紧急的に编まれたものである。そのため、その法改正が実际にどのように机能し、いかなる帰结をもたらするのかまでは触れられていない。また実际にも、2019年から新たな制度が开始されたものの、新型コロナの流行があり当初の想定のようには、受け入れは进んでいない。一方で、2018年の法改正は短期的な検讨で済むものでもない。本书で取り上げた论点以外にも、「なぜ保守政権で移民労働者の受け入れが拡大されたのか」、「なぜ、アカデミズムにおいては中立的な言叶として用いられる「移民」が、政治の场では忌避されるのか」、「改正法は、移民の编入过程にいかなる影响を及ぼすのか」など、多くの问いが思い浮かぶ。今后、こうした研究に兴味があるという人にも、また、まずは日本に暮らす移民と政策の现状を知りたいという人にも、手に取って欲しい书である。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 准教授 髙谷 幸 / 2021)

本の目次

序 章―移民社会の現実を踏まえて  髙谷 幸
 
第1章 労働―人材への投资なき政策の愚  樋口直人
第2章 ジェンダー―格差是正のための政策にむけて  稲叶奈々子?髙谷幸?樋口直人
第3章 出入国在留管理―非正規移民への対応を問う  髙谷 幸
第4章 社会保障―「外国人性悪説」を超えて   奥貫妃文
第5章 教育―子どもの自己実現のために言语と文化の保障を  榎井 縁
第6章 多文化共生―政策理念たりうるのか  樋口直人
第7章 移民排斥―世论はいかに正当化しているか  五十嵐彰?永吉希久子
第8章 反差别―独立した人権机関の设置が急务だ  森千香子
第9章 国籍?シティズンシップD出生地主义の导入は可能か  佐藤成基
第10章 技能―日本的理解を刷新するとき  小井土彰宏
 
終 章―生活世界の論理による政策を実現するために  稲葉奈々子

関连情报

书评:
ほんのしょうかい:2019年「特定秘密保护法を考える会」の课题 (『思想の科学研究会』年报 第二号 最初の一滴 2021年2月16日)


渡戸一郎 (明星大学名誉教授) 評 (『社会学評論』70巻3号 2019年12月)

 
早尾貴紀 (東京経済大学准教授) 評 (『週刊読書人』3307号 2019年9月20日)


上林千恵子 評「今後の移民政策を考えていく上で何を考えなければならないか、という指針を示す――他国の移民政策を参考にしつつも、日本独自の制度形成が志向されなければならない (『図書新聞』第3412号 2019年8月17日)


長谷川翼 評 ワンポイント?ブックレビュー (『労働調査』 2019年7月)

 
きんようぶんか:田沢竜次 評 (『週刊金曜日』第1237号 2019年6月21日)

 
イベント:
【読书の学校】温又柔&迟颈尘别蝉;高谷幸 「移民」はいまこの国で、どんなふうに生きている? (梅田蔦屋书店 2019年6月14日)

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