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大坂の街の鳥瞰写真

书籍名

多文化共生の実験室 大阪から考える

判型など

304ページ、础5判、并製

言语

日本语

発行年月日

2022年3月28日

ISBN コード

978-4-7872-3504-6

出版社

青弓社

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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移民やエスニック?マイノリティにかかわる理念や実践は、日本では「多文化共生」と呼ばれてきた。この用語は、もともとは1995年の阪神淡路大震災時における草の根の取り組みのなかで生み出された。その後、2006年に総務省が「地域における多文化共生推進プラン」を公表して以降、自治体レベルの政策においても使われるようになった。また2018年以降は、政府レベルで「外国人材の受入れ?共生のため総合的対応策」が策定されている。この対応策は、外国人にかかわる多様な施策を含んでいることから分かるように、今日、「(多文化) 共生」政策は、外国人政策とほとんど同義になっている。
 
だが、当初、「多文化共生」という理念は、関西地域でのマイノリティ运动の中で「反差别」や「人権」とぃう対抗的な下部理念を前提とした上で、外国人を「地域社会の构成员」と位置づけ、彼らの「社会参画」を促すものとして打ち出された。しかしその后、「多文化共生」は、全国展开の中で、これらの下部理念と切り离された形で広まり、その理念に付随していた対抗的な含意は切り落とされていったと考えられる。
 
しかし、移民の统合政策が不十分であり、移民やマイノリティが构造的な不平等に直面している日本の现状を踏まえると、多様な人々が対等な社会関係を筑くことのできる公正な社会を构想することは喫紧の课题である。その课题に向き合うに当たって、「多文化共生」という理念を生み出した関西?特に大阪でのマイノリティによる、あるいはマイノリティを対象にする実践の展开を改めて検讨することには意义がある。というのも、歴史的に多様なマイノリティが集住してきた大阪では、1960年代からマイノリティの権利や尊厳を保障する実践が展开されてきた一方、これらは、大阪独自のものとして见过ごされ、「多文化共生」の议论で顾みられることはほとんどなかったからである。
 
そこで本書では、大阪におけるマイノリティにかかわる政策、草の根レベルでの実践を検討し、その歴史的経緯と現代的展開を考察する。具体的には、民族教室など母語 / 母文化を重視するとともに進路保障にも力を入れる公教育、同和教育の実践と蓄積、民族的マイノリティの権利保障を目指す運動、外国人住民への支援、ヘイトスピーチ対策など、民族的マイノリティを支える教育や制度?諸実践、その担い手に光を当て、「反差別」や「人権」という対抗的な理念に基づき共生を目指すものとしてそれらを再評価する。
 
同时に、近年の大阪の诸政策に见る民族的マイノリティへの差别的な侧面など、大阪の共生をめぐる现実が抱える问题点にも触れる。これらにより、「多文化共生の実験室」といえる大阪の様々な営みから、全国レベルで进められる多文化共生を批判的に検証する视点を浮き彫りにする。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 准教授 髙谷 幸 / 2023)

本の目次

まえがき|髙谷 幸
 
第1部 教育の実践
 
第1章 大阪の多文化共生教育――公立学校の外国人教育研究組織に着目して|榎井 縁
第2章 共に生きる「仲间」を目指して――大阪府豊中市の「进路保障」を事例に|安冈健一
第3章 纽帯はどのようにして育まれたか――大阪市中央区での多文化家族支援の実践から|原めぐみ
第4章 教育分野での人権运动?政策の変化――多文化共生をめぐる歴史的?社会的背景|髙田一宏
コラム1 「民族のほこりと自覚」をもって生きるから「自分のルーツを肯定し、ありのままに生きる」へ|朴 洋幸
コラム2 朝鲜学校无偿化裁判で何が问われたか|丹羽雅雄
 
第2部 実践の担い手
 
第5章 多文化共生を牵引する在日コリアンの教育実践运动の役割――いま生かされつつある「民族学级」というアイデア|金光敏
第6章 無条件の生の肯定|ラボルテ雅樹 / 稲葉奈々子
第7章 アクティビストの不正義感覚と運動ネットワーク|髙谷 幸
コラム3 社会の疑問や怒りを「共生」のエネルギーに変えるカフェcomm café|岩城あすか
コラム4 マジョリティも问题解决の当事者だ!――「みんなで住民投票!」の问いかけ|小野润子
 
第3部 理念 / 規範的考察
 
第8章 公正を重视する大阪の公教育理念|志水宏吉
第9章 承认の観点からみた大阪の民族学级|河村伦哉
第10章 民主的実践としてのシティズンシップと多文化共生|远藤知子
第11章 反ヘイトと多文化共生――大阪市と川崎市の比较を通じて|樋口直人
コラム5 コロナ祸で见えてきた外国人労働者の生活実态|胜部丽子
 
あとがき|髙谷 幸

関连情报

関连シンポジウム:
「多文化共生の実験室&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;大阪から考える」出版记念シンポジウム 大阪の教育、子ども?若者支援から「多文化共生」を考える (おおさかコモンズ 2022年3月27日)

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