いま宗教に向きあう 2 隠される宗教、顕れる宗教 国内编滨滨
本书は、「いま宗教に向きあう」の2巻目である。この4巻シリーズは、2000年代以降の国内外における宗教情势の见取り図を提供するために编集したものである。宗教の存在を抜きには理解が困难な、复雑な社会事象が増えている。しかし、报道や他分野の研究者の见解に宗教学の研究蓄积があまり活かされておらず、平板で一面的な理解が多く流通している。そこで、学术的水準を保ちつつ、わかりやすく解説することを目指した。1?2巻が国内编、3?4巻が世界编で、奇数巻はかつての宗教が现在どうなっているかという视点から、伝统宗教?新宗教?スピリチュアリティの现状や、グローバル化のなかでの宗教の多様化などを论じた。他方、偶数巻は宗教と政治や社会との関わりについて、さまざまな角度から切り込んだ。
読者への理解の糸口として、各部の冒头に「争点」という短いコラムを掲载した。これは、宗教学内外において、どのようなテーマがホットな议论として存在し、それに対してどのような主张が见られるのかについて示し、导入とするものである。
私が担当した2巻は、宗教离れや宗教の个人化が进んだかに见えた20世纪后半に対し、今世纪に入り再圣化?脱私事化へと向かっていることを踏まえ、私たちが「宗教」であるととらえてきたものがどのようにして社会の表侧から姿を潜め、他方でこれまでとは别の形で登场してきているかをとらえようとしたものである。
第一部「「政教分离」のポリティックス」では、现在の宗教のあり方に政治との関わりからアプローチした。戦前に存在したとされる「国家神道」の体制は、二〇〇〇年代の政教関係においてはどのように存続?変容?消灭しているのだろうか。政党と宗教教団の関わりや、宗教的な保守思想や天皇崇敬?皇室论、戦死者慰霊?顕彰、政教分离诉讼などから、戦前から戦后にかけて大きくねじれた宗教と政治の関係性の今日的展开を问うている。
第二部「宗教の「公益性」をめぐって」では、「公益性」?「公共性」を轴に、「宗教」と「世俗」社会の関わりについてさまざまな角度からアプローチした。诸宗教の台所事情をめぐる问题、宗教者の社会贡献における「心のケア」という表现、自死念虑者や自死遗族を支援する仏教者の活动とねらい、宗教法人の公益性と税制、フェミニストの神学者たちの言説と実践などを通して、社会との认识のズレをはらみつつも発挥される宗教の公共性?公益性を浮き彫りにしている。
第三部「見えない宗教、見せる宗教」は、従来の宗教の輪郭を脱して拡散し、別の姿で顕れる様相をとらえようとしたものである。宗教 (者) のメディアへの登場や、メディア側の宗教の扱い方の変化、「無宗教」として語られる日本文化論、自己啓発セミナーなどの心理宗教テクニック、医学?医療の場における宗教の現れ方や向きあい方の困難から、とらえ難い宗教の現在的展開をつかもうとした。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 准教授 西村 明 / 2021)
本の目次
一 「政教分离」のポリティックス
【争点1】 「国家神道」は復活しているのか?
第1章 宗教が政治に関わるということ&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;塚田穂高
第2章 召還される「国家神道」──保守政治?宗教右派?象徴天皇の交錯…………… 奥山倫明
第3章 錯綜する慰霊空間──ポスト戦後的状況のなかで……………西村 明
第4章 宗教判例の戦后と现在&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;住家正芳
二 宗教の「公益性」をめぐって
【争点2】 金储け? それとも无私の奉仕?
第5章 大震災後の宗教者による社会貢献と「心のケア」の誕生……………高橋 原
第6章 僧侣による&濒诲辩耻辞;脱&谤诲辩耻辞;社会活动──自死対策の现场から&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;小川有闲
第7章 宗教法人の公益性──二つの法人制度の比较から&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;竹内喜生
第8章 日本におけるキリスト教フェミニズムとその公益性&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;ミラ?ゾンターク
叁 见えない宗教,见せる宗教
【争点3】 宗教のメディア露出は,宗教の衰退なのか?
第9章 日本文化论の中の宗教/无宗教&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;星野靖二
第10章 宗教の社会活动と公共放送──临床宗教师のテレビ表出を中心に&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;榎本香织
第11章 心理宗教テクニックと現代日本社会……………小池 靖
第12章 ケア?宗教?世俗化における言説とその语り方をめぐって──何が顕れ,何が隠されるのか&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;古泽有峰
関连情报
【既刊再読 改めて読みたいこの1冊】 『いま宗教に向きあう』全4巻 堀江宗正、池澤 優、藤原聖子、西村明 編 (KiriShin | キリスト新聞社ホームページ)
岩田文昭 評 (『宗教研究』94巻1号 pp.132-143 2020年6月)
中野毅 評 (『宗教と社会』第26号 p.125 2020年6月)
宗教と政治?社会との関係を「见取り図」に (『朝日新闻』 2018年10月13日)
トークイベント:
「いま宗教に向きあう」 (上智大学 2019年2月17日)