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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に黄色から青へのグラデーション

书籍名

岩波现代文库 不平等の再検讨 潜在能力と自由

着者名

アマルティア?セン (著)、 野上 裕生、

判型など

430ページ、础6判、并製

言语

日本语

発行年月日

2018年10月16日

ISBN コード

9784006003937

出版社

岩波书店

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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この世の中は不平等なことに満ちていると多くの人が思っている。では、「不平等とは何か」という话になると、人それぞれに考え方が异なり、バラバラな答えが返ってくる。不平等はそれほど捉えようがないものだが、経済学では不平等を所得格差で捉えようとする。第2次世界大戦后の日本は、民主的な改革によって戦前とは比べ物にならないほど平等な社会になり、さらに1950~60年代の高度成长期に所得格差が缩小し、その结果、日本は世界で最も平等な国のひとつとして知られるようになった。ところが、バブル崩壊后の1990年代に、日本の所得格差は一気に拡大に転じ、「アメリカよりも不平等な国になってしまった」と言われたこともあった。
 
1990年代に、不平等を容認するために行なわれた奇妙な議論は、「機会の平等か結果の平等か」というものだった。この議論は、ふたつの平等を対立するものと見なし、どちらかを選ぶことを迫り (これは政治の世界でよく使われる手法である)、結果として「機会の平等」、そして「結果の不平等」を容認してしまった。ちょっと考えてみれば分かることだが、このふたつの平等は対立するわけではなく、両方とも同時に追求すべきものである。本書ではこの問題を、実現可能な選択肢(つまり、ケイパビリティ1)と実際に選択し実現したものというふたつの概念を用いて論じている。実現可能な選択肢を考える上で重要なのは、「人間らしく生きること」である。人の暮らしの良さは、「その人ができること」によって捉えることができる。例えば、「十分に栄養を摂ることができる」や「読み書きができる」というケイパビリティは人間にとって基本的なものであり、このような基本的なケイパビリティを欠く状態が「貧困」である。日本国憲法の第25条では「健康で文化的な最低限度の生活」を保障しており (生存権)、ただ単に生きるだけでなく、「文化的」でなければならないし、さらには「社会的な活動に参加できる」ことも重要である (「ひきこもり」や非正規労働者のことを考えてみよ)。「社会的排除」は貧困の特徴であり、原因でもある。だから、貧困は社会で取り組むべき課題であり、自己責任で済まされるものではない。社会の中で一部の人たちが貧困状態に置かれているのは大きな不平等であり、放置できない問題である。
 
ケイパビリティは他の不平等にも有効な概念である。例えば、障がい者と健常者の間に存在する不平等は、「何ができないか」を見ればよく分かる。差別されている人たちは、やりたいことができないという意味でケイパビリティを欠いている。ハラスメントの問題も、ハラスメントを受ける側には「発言する」というケイパビリティを欠いていると見ることもできる。様々な不平等が世の中にはたくさんあるが、それらの不平等の問題にどう取り組むべきかについてセンは『正義のアイデア』(明石書店、2011年) の中で論じている。


*1 本书では「潜在能力」と訳したが、误解を招きやすいため、今では「ケイパビリティ」を用いている。
 

(紹介文執筆者: 东洋文化研究所 教授 池本 幸生 / 2019)

本の目次

訳者まえがき
はじめに
序  章 問題とテーマ
第一章 何の平等か
第二章 自由、成果、資源
第三章 機能と潜在能力
第四章 自由、エージェンシーおよび福祉
第五章 正義と潜在能力
第六章 厚生経済学と不平等
第七章 貧しさと豊かさ
第八章 階級、ジェンダー、その他のグループ
第九章 平等の要件
[訳者解説]
センの歩み
教育者としてのセン
翻訳を终えて
现代日本の不平等についての议论とセンの不平等论―「现代文库版訳者あとがき」にかえて
参考文献
索引
 

関连情报

翻訳者からの绍介:
池本幸生 (东洋文化研究所ホームページ)

 
関连情报:
1998年にアマルティア?センがノーベル経済学赏を受赏

 

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