连帯経済とソーシャル?ビジネス 贫困削减、富の再分配のためのケイパビリティ?アプローチ
本书は、アマルティア?センのケイパビリティ?アプローチの研究とバングラデシュのグラミン银行のマイクロクレジットの研究から生まれてきたものである。センのケイパビリティ?アプローチは「人间开発」の理论的基础となっているものである。「経済开発」が経済に着目するのに、「人间开発」は人の暮らしに着目する。経済が発展しても、その成果が不平等に分配されるときには人々の暮らしが良くならないことも起こりうる。我々の本当の目的は「人々の暮らし」にあり、経済はそのための手段に过ぎない。経済开発は、骋顿笔のような所得指标によって测られる。それに対して、人间开発は人々の暮らしによって测られる。例えば、「健康に生きることができる」、「十分な栄养を摂ることができる」、「読み书きができる」、「社会の活动に参加できる」などを见ていくことになる。これらの「~できる」がケイパビリティである。
ケイパビリティ?アプローチが経済学のアプローチと大きく异なる点は、経済学が利己的な动机しか认めないのに対して、ケイパビリティは、それ以外の様々な动机も认める点にある。グラミン银行は、5人グループを借り手とし、无担保で融资する。5人グループには连帯责任が発生する。この仕组みを説明するために、自分自身の利益になることしか考えない経済人を仮定する経済学では、连帯责任を强调する。一方、ケイパビリティ?アプローチでは様々な动机を认めるので、5人グループの助け合いを重视する。5人グループを、互いに监视し合う人たちと见るのか、それとも助け合う仲间と见るのかは大きな违いである。后者の方がよほど人间らしい。
利己的な人たちが集まっても连帯感は生れない。しかし、现実には人间は利己的なわけではなく、様々な问题に协力しながら取り组んでいる。社会的な课题に取り组むソーシャル?ビジネスは、人々の结びつきによって、市场が引き起こしてきた问题を解决しようとするものである。例えば、フェアトレードは発展途上国の贫しい人たちの问题を、先进国の消费者が関わることで解决しようとするものであり、両者の「连帯」によって问题を解决しようとする。地域通货は、市场では取引されない商品やサービスに、地域独自の通货を発行することで新たに流通するルートを作ろうとする。人のつながりが欠けているところに地域通货を导入することによって、人々のつながりが生れ、问题を解决しようとする。有机农业が始まった顷、有机农产物の市场はなかったため、有机农产物を求める消费者と、农薬や化学肥料を使いたくないと思っていた农家が直接つながる必要があった。有机农业ではこのような関係を「连帯」という言叶ではなく、「提携」と呼んで大事にしてきた。市场を万能のように言うのは间违いである。市场は多くの问题を残してきた。それを解决するために、人々は市场の外で连帯することによって取り组んでいる。
(紹介文執筆者: 东洋文化研究所 教授 池本 幸生 / 2017)
本の目次
第2章 マイクロクレジット、インクルーシブ?ファイナンスと連帯
第3章 スペインのグラミン型マイクロクレジット
第4章 グラミン?ファミリーのソーシャル?ビジネス
第5章 ヨーロッパの企業とグラミンのソーシャル?ビジネス
第6章 日本の企業とグラミンのソーシャル?ビジネス
第7章 地域通貨と地域の再活性化
第8章 有機農業における連帯の役割
第9章 認証コーヒーと連帯
第10章 韓国における社会的企業の展開