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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

昔の西洋の絵画

书籍名

経済史 いまを知り、未来を生きるために

着者名

判型など

598ページ、四六判、并製カバー

言语

日本语

発行年月日

2018年2月

ISBN コード

978-4-641-16515-1

出版社

有斐阁

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本書は、まず最初に三つの問いを設定します。(1) 経済はなぜ成長するのか、(2) 人類はいかにして十万年間も生存してきたのか、(3) 経済は実際にいかに成長してきたのか。これら三つを入口の問いとして、いま (現在) を知り、未来を見透すことが本書の第一の眼目です。第二は、分業、市場、貨幣といった経済学の用語だけでなく、権力、権威、文化、共同体等人文社会科学に広く共通する基本的な概念もできる限り簡明に定義するのが、本書のもう一つの眼目です。
 
現在を知り、未来を構想するために歴史を学ぶのなら、現代史だけで充分という人がいるかもしれませんが、前近代社会には、いまを知る上で重要な手掛かりがたくさんあります。通常の経済史の概説書は产业革命から記述が始まりますが、本書は、それより前の前近代と近世の記述に、全24章のうち12章を当てています。前近代?近世の経済史を辿ることで、いまとは違う経済と社会と規範のあり方を知ることができるからです。
 
前近代には、経済を成长させない?富の规范?が作用し、剰余の富を浪费や荡尽で来期の生产量を増やさない方向に用いる规范が社会に组み込まれていました。この规范から外れて、森林伐採により土木?建筑?造船用の长大な木材を大量に入手し、また伐採后の土地を农地?牧地として、一瞬の経済成长に踏み出した前近代社会はありましたが、いずれも、木材供给源である森林资源が枯渇した后は、気候変动?干害?洪水によって、それらの文明は崩壊しました。森を伐り尽くさないという规范が前近代の人类の持続可能性を支えていたのです。
 
とはいえ、人類の多くは狩猟採集経済から農耕牧畜経済へと移行し、また技术は、素手から棍棒へ、棍棒から石器、金属器を経て、諸種の道具や機械へと緩慢な速度で変化し、生産力もそれに対応して上昇してきました。人には、現在の生理的な欲求を満たすよりも少し多くを欲するという、際限のない欲望が備わっており、そうした欲望が前近代にも続いた緩慢な生産力上昇と経済成長の原動力だったのです。ただし、前近代社会は生産力上昇と経済成長によって、共同性が破壊されないように、欲望を厳重に規制してきました。
 
こうした欲望規制が、事実上崩れ始めたのが近世 (ヨーロッパではルネサンスや宗教改革期以降、产业革命まで、日本では戦国時代から江戸時代まで) です。人がおのれの欲望にしたがって生きることは悪徳ではなくなったのです。しかし、近世には致富を不道徳する前近代以来の規範も生きていましたから、道徳的には二重規範の時代でした。二重規範の特徴は、『ヴェニスの商人』、『水戸黄門漫遊記』、『鶴の恩返し』などの近世文芸を経済史的に読み直してみれば、ただちにわかります。
 
また、近世の技术は前近代の手工業的な道具の技术の延長上にありましたから、人間の欲望は解放されても、それを十全に満たすだけの技术的な条件は完備していませんでした。
 
前近代の緩慢で体感できない経済成長から、近世のささやかな成長を経て、生涯のうちに体感できる急速な成長を可能にした技术的条件は产业革命によって達成されました。それは、道具から機械への変化、エネルギー革命 (熱機関の登場)、そして原料革命 (土建造船の主原料が木材から鉄鋼へ、鉄の製錬原料が木炭から石炭へと変化したこと) の三つの側面に分けられますが、現在、火力発電や原子力に依存しなくても必要なエネルギーは調達可能となりつつありますので、エネルギー革命からは卒業できる地点に到達しています。他方、土木?建築?造船や諸種の機械類の原料として鉄鋼に依存せず、また製錬原料や化学肥料?合成農薬の原料としての化石燃料に依存しない可能性はまだ開拓されていません。近代 (产业革命を経た19世紀) だけでなく、現代 (20世紀) も、この意味では、過去の自然の蓄積物に依存する近代产业文明の延長上にあります。
 
现代は、人の际限のない欲望と国际経済の相互依存関係の両方を人為的に维持するようになった点で近代と异なります。
 
では、近現代の产业文明?市場経済?資本主義は安泰でしょうか。化石燃料の枯渇よりも前に、地球温暖化などの環境問題が眼前に迫って、解決を求めています。また、人の欲望は決して逞しく発揮されるわけではなく、欲望自体が衰え、縮小しています。本書は末尾で、(A) 経済は今後も成長を続けることは可能か、あるいは成長のない資本主義は可能、(B) 人類が到達した文明は持続可能かという出口の問いを設定して、それらの問いを解くための条件をいくつか提示しました。モノを作って輸出するというのとは一線を画する非物財的な成長と、それを可能にする美的?身体的な価値が、そこでの鍵となります。
 
本书は、経済学や歴史学にそこはかとなく漂う?常识?や?空気感?を意识的に相対化しながら、人间?社会?自然の来し方と行く末を考えるための材料を提供しました。

 

(紹介文執筆者: 経済学研究科?経済学部 教授 小野塚 知二 / 2019)

本の目次

はじめに
序章 経済史とは何か

导入──経済,社会,人间
 1  経済成長と際限のない欲望 / 2  欲望充足の効率性と両義性

II  前近代──欲望を制御する社会
 3  総説:前近代と近現代 / 4  共同体と生産様式 / 5  前近代社会の持続可能性と停滞 / 6  前近代の市場,貨幣,資本

III  近世──変容する社会と経済
 7  総説:前近代から近代への移行 / 8  市場経済と資本主義 / 9  近世の市場と経済活動 / 10  近世の経済と国家 / 11  近世の経済規範 / 12  経済発展の型

IV  近代──欲望の充足を求める社会?経済
 13 产业革命 / 14  資本主義の経済制度 / 15  国家と経済 / 16  自然と経済 / 17  家と経済 / 18  資本主義の世界体制

现代──欲望の人為的维持
 19  近代と現代 / 20  第一のグローバル経済と第一次大戦 / 21  第一次大戦後の経済 / 22  第二次世界大戦とその後の経済 / 23  第二のグローバル化の時代

终章 ?现在?「未来」をどう生きるか
あとがき
参考文献リスト
索引
 

関连情报

书评など:
早川 英男 (富士通総研エグゼクティブ?フェロー) 評 一人一冊 (『週刊 金融財政事情』3313号p.58 2019年6月24日)


小田中直樹 (東北大学教授) 評 書評 (『西洋史学』266号 2018年)

 
特集「人類欲望史1万3000年で読み解く 相場 経済 地政学 今が全部 ヤバい理由」の「語れるとカッコいい! 知ったかベストセラー」として紹介 (『週刊ダイヤモンド』 2019年3月2日号)

 
三和良一 (青山学院大学名誉教授) 評 (政治経済学?経済史学会『歴史と経済』第242号 2019年1月)

 
藤原辰史 (農業史研究者?京都大准教授) 紹介 「読書委員が選ぶ『2018年の3冊』 年を越す前にぜひ読むべき本」(『読売新聞』 2018年12月23日付朝刊)

 
「経済学者?経営学者?エコノミスト111人が選んだ 2018年『ベスト経済書』」第2位にランクイン。著者インタビュー掲載。 (『週刊ダイヤモンド』 2018年12月29日?2019年1月5日合併号)

 
新井田智幸 (東京経済大学教員) 歴史を理論的に捉えることのおもしろさ (『週刊読書人』 2018年11月30日掲載)

 
斎藤 修 (一橋大学名誉教授) 評 (『書斎の窓』659号 2018年9月号)

 
中西新太郎 (関東学院大学教授) 評 (『経済』No. 276 2018年9月号)

 
話題の本棚:人類史を巡る経済の眺望 (京都大学生協書評誌『綴葉』No. 368 2018年6月号)

 
ブックガイド (『出版ニュース』 2018年6月上旬号)

 
「欲望」から説き起こす経済史 独自の视点で教科书に新风 (『日本経済新闻』 2018年4月28日朝刊)

 
間宮陽介 (青山学院大学特任教授) 評 (『朝日新聞』 2018年4月7日朝刊)

 
上川孝夫 (横浜国立大学名誉教授) 評 (『週刊エコノミスト』 2018年4月10日号)

 
中島隆博 (東京大学东洋文化研究所教授) 評 「人の資本主義」 (東京大学出版会『UP』546号 2018年4月号)

 
「新刊书绍介」(『経済セミナー』通巻701号 2018年4?5月号)

 
【書評】「経済史」小野塚知二 (有斐阁) Part1~3 (通学読書ブログ)



 
堀内 勉 評 人間の限りない欲望と強い規範 (HONZ書評 2018年3月5日)

 
丑补尘补肠丑补苍ブログ (滨口圭一郎氏の贰鲍労働法政策雑记帐 2018年2月11日)

 

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