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白い表紙に格子模様

书籍名

福祉国家の日韩比较 「后発国」における雇用保障?社会保障

着者名

判型など

200ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2016年2月10日

ISBN コード

9784750343020

出版社

明石书店

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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福祉国家とは、雇用機会の提供や労働基本権の承認などの雇用保障政策と、公的扶助 (救貧) や社会保険 (防貧) などの社会保障政策とを二大政策として、資本主義における人々の生存あるいは生活を保障することをめざす国家体制として20世紀前半以降に成立したものである。
 
この福祉国家の歴史的展开のなかで、日本と韩国は、西欧の「先発国」に比べて「后発国」と位置づけられる。ただし、「后発国」とはいえ、日韩両国における福祉国家の歴史的展开にもタイムラグが存在しており、そこに着目すると日韩の违いがみえてくる。すなわち、韩国を「后発国」と位置づけるとすれば、日本は「先発国のなかの后発国?后発国のなかの先発国」と位置づけられるのである。このような时间轴の比较视点は、欧米先进诸国を中心とした従来の比较福祉国家研究に対して重要な理论的示唆をもつものの、そのような视点による本格的な国际比较分析はほとんど行われてこなかった。
 
そこで本书では、「后発国」としての日韩の类似と相违およびその要因を分析し、それによって、「后発国」の多様性を捉える时间轴の比较视点が、日韩のみならず西欧の「先発国」を含む福祉国家の国际比较分析のために欠かせない视点であることを明らかにする。これを通じて、従来の比较福祉国家研究とは异なる新しいアプローチの可能性を探ることが本书の最终的な目的である。
 
以上の目的にそって、本书における日韩比较分析は、どちらかといえば、政策论的分析より歴史?现状分析に焦点をおいていることを述べておきたい。すなわち、「先発国」としての西欧の福祉国家と「后発国」としての日韩の福祉国家にみられる同异とそれをもたらした歴史的経路や因果构造、また、同じ「后発国」でありながらも日韩両国の福祉国家にみられる同异とそれをもたらした歴史的経路や因果构造を明らかにするという歴史?现状分析が中心となっており、その一方で、各福祉国家がそれぞれあるいは共通に抱えている问题や课题についての政策论的分析は最小限に止めている。それは、本书がその歴史?现状分析を通じて、时间轴の比较视点を重视した比较福祉国家研究の新しいアプローチを探るという理论的な问题関心から出発しており、具体的な制度?政策の问题点や改革课题を探るという実践的な侧面には大きな関心をおいていないからである。ただし无関係ではなく、本书の理论的な问题関心や歴史?现状分析が、実践的な问题関心やそれによる政策论的分析のための基础作业になることと考えられる。
 
本书全体の构成は次の通りである。序章では、日韩比较分析を行う本书の问题意识と目的そしてその理论的意味を明らかにする。第1章と第2章では、従来の比较福祉国家研究を批判的に検讨し日韩比较分析のための新しい视点を见出す。第3章~第5章では、その新しい视点、すなわち时间轴の比较视点にもとづいて日韩比较分析を行い、両国の类似と相违そしてその要因を明らかにする。终章では、以上の分析をふまえつつ时间轴の比较视点の重要性を浮き彫りにし、日韩比较を超えた福祉国家の多国家间比较分析を展开するための新しいアプローチの可能性を提示する。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 准教授 金 成垣 / 2018)

本の目次

はじめに
 
序章 比较福祉国家研究のなかの日本と韩国
 1 福祉レジーム论は「希望のメッセージ」であったのか
 2 后発国としての日韩
 3 后発国の多様性を探る
 
1章 福祉国家研究の2つの潮流
 1 「縦」の歴史比较と「横」の国际比较
 2 <経済学系> 福祉国家研究と <社会学系> 福祉国家研究
  (1) 日本における福祉国家研究
  (2) 段階論的アプローチ
  (3) 類型論的アプローチ
 3 东アジア福祉国家研究の展开のなかで
 
2章 日韩比较分析の新しい视点
 1 东アジア福祉国家研究の兴隆
 2 时间轴の比较视点から福祉国家を分析する
  (1) 求められる「時間差」を捉える視点
  (2) 「時間」をみるか「差」をみるか
  (3) 段階論的アプローチと類型論的アプローチの結合の試み
 3 日韩比较分析のために
  (1) 雇用保障と社会保障からなる福祉国家
  (2) 後発国の多様性へ
 
3章 时间轴の比较视点でみた日本の福祉国家
 1 日本における福祉国家の成立
 2 雇用保障と社会保障の特徴とその要因
  (1) 「全部就業政策」を基軸にする雇用保障
  (2) 「混合型社会保険」を基軸にする社会保障
  (3) 後発資本主義国としての日本
 3 成立后の展开
 
4章 日本との比较でみた韩国の福祉国家
 1 韩国における福祉国家の成立
 2 雇用保障と社会保障の特徴とその要因
  (1) 「全部就業政策」vs.「全部雇用政策」
  (2) 「混合型社会保険」vs.「単一型社会保険」
  (3) 「工業化時代の福祉国家成立」vs.「サービス化時代の福祉国家成立」
 3 成立后の展开
 
5章 日韩における失业?贫困対策
 1 失业?贫困対策の展开
 2 失业?贫困対策の特徴とその要因
  (1) 日韓の「二層体制」と西欧の「三層体制」
  (2) イギリスにおける「三層体制」の歴史的経路
  (3) 日韓における「二層体制」の誕生とその帰結
 3 「二层体制」の今后
 
终章 日韩比较を超えて
 1 日韩比较のまとめ
 2 再び福祉レジーム论へ
  (1) 3つのレジームの背後にあるもの
  (2) 時間軸の比較視点でみた3つのレジーム
 3 今后の比较福祉国家研究に向けて
 
付章1 韩国における雇用保障政策――「21世纪型完全雇用政策」
 はじめに
 1 雇用保障政策の展开
 2 雇用创出?拡大政策の中身
  (1) 「雇用創出総合対策」
  (2) 核心政策としての「社会的雇用」事業
  (3) 「社会的企業育成法」の成立とその後の展開
 3 「20世纪型完全雇用政策」と「21世纪型完全雇用政策」
 
付章2 福祉国家化以降の韩国社会――「过酷な现在?不安な将来」
 はじめに
 1 福祉国家へ、そして格差社会へ
 2 「过酷な现在?不安な将来」の诸相
  (1) 最高水準の自殺率と最低水準の出生率
  (2) 最低水準の若年就業率と最高水準の高齢者貧困率
  (3) 最低水準の家族関連給付と最高水準の教育費
 3 「20世纪型福祉国家」と「21世纪型福祉国家」
 
 参考文献
 初出一覧
 索引
 あとがき
 

関连情报

书评:
株本千鶴 (椙山女学園大学) 評 (社会福祉学 第58巻1号 p.170-172 2017年)

金 成垣 書評りぷらい (社会福祉学 第58巻1号 p.173-175 2017年)

 
安 周永 (常葉大学) 評 (現代韓国朝鮮学会 第17号 2017年11月)

 

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