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书籍名

自杀のない社会へ 経済学?政治学からのエビデンスに基づくアプローチ

着者名

上田 路子、松林 哲也

判型など

238ページ、础5判、并製カバー

言语

日本语

発行年月日

2013年6月

ISBN コード

978-4-641-17391-0

出版社

有斐阁

出版社鲍搁尝

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近年、多くの国で自殺は大きな社会問題となっている。世界保健機関 (WHO) の統計によると、世界で一日約3,000人、30秒に一人が自殺している 。また、過去45年間に世界の自殺率は60%も増加しており、自殺の問題は時間を経るごとにより深刻化している 。いくつかの国では自殺は若年層の死因の大きな部分を占めており、より深刻な問題となっている。とくに日本では自殺者数が1997年から1998年にかけて急増し、それ以来14年連続で年間3万人の人々が自殺した。つまり、14年間、毎日およそ90人もの人々が自殺していたということになる。経済状況が比較的類似している他のOECD (Organization of Economic Co-operation and Development、経済協力開発機構) 諸国と比較しても,日本の自殺率は高い。
 
本書は、「個人の問題としての自殺」という立場から離れ、自殺とは社会的あるいは経済的な背景やメカニズムの解明と社会的な対策としての政策介入を必要とする政策課題であることを、エビデンス (科学的根拠) に基づいて論じる。自殺が重要な政策課題であるという立場をとるのであれば、次に考えなければならないのはどのような政策介入が望ましいかということである。これまでの日本における自殺研究は、(1) 社会学的?心理学的研究、(2) 疫学的研究、(3) 医学的研究の3つに大別することができ、これらのさまざまなアプローチに基づいて、主に健康の側面から自殺を研究し、有効な対策を立てようとしてきた優れた研究がすでに蓄積されている。これらの研究からも浮かび上がってきたのは、自殺リスクにつながるうつ病など精神的な健康の背後には、個人が社会のなかで置かれている関係性や、事業?雇用の問題など経済的困窮がある可能性が高いということである。
 
そこで本书では、自杀や精神疾患の多くが个人の特质のみに由来する问题のみではなく社会経済构造に起因する问题であると考え、そうした観点から适切な社会経済政策や予防策を讲ずることの重要性を议论する。とくに、社会経済的な観点から自杀の决定要因を明らかにし、さらに経済危机や自然灾害が自杀率にどのような影响を与えるかについても日本や诸外国のデータを用いつつ実証的な议论を展开する。さらに、経済危机や自然灾害が人々に与える経済的?精神的负担の影响を和らげる方法として、経済?福祉政策が果たす役割を明らかにする。経済政策や福祉政策という既存の政策枠组みも活用していくことにより、政府が経済的困穷の影响を缓和し自杀予防につなげることが可能であることを示す。最后に日本におけるこれまでの自杀対策を概観した上で、それらの対策が自杀防止の成果を挙げてきたかどうかについてのケース?スタディや统计分析など、さまざまな角度から検証を加えた。
 

(紹介文執筆者: 経済学研究科?経済学部 教授 澤田 康幸 / 2019)

本の目次

序  章  政策課題としての自殺対策
第1章  なぜ自殺対策が必要なのか?
第2章  自殺の社会経済的要因
第3章  自然災害と自殺──日本の都道府県データによる分析
第4章  政治イデオロギーと自殺──OECD諸国の国際比較データによる分析
第5章  経済?福祉政策と自殺──日本の都道府県データによる分析
第6章  自殺対策の運用と成果
終  章  エビデンスに基づく自殺対策を目指して
 

関连情报

英语版:
Economic Analysis of Suicide Prevention: Towards Evidence-Based Policy-Making (Springer, 2017)

 
受赏:
第56回(2013)日経?経済図书文化赏

受賞作品書評:八代尚宏 (国際基督教大学客員教授) 経済学の手法で対策探る (日本経済研究センター 2013年11月号)

 
书评など:
辻 由希 評 自殺予防の政策評価と政治学 (『レヴァイアサン』56号 2015年4月15日)

 
西村周三 (国立社会保障?人口問題研究所所長) 評 (『社会保障研究』第49巻第4号 2014年3月)

 
柴田悠 (同志社大学政策学部准教授) 評 (『家計経済研究』第101号 2014年1月)

 
「エコノミストが選ぶ 経済図書ベスト10」第3位 (『日本経済新聞』 2013年12月29日朝刊)

 
金子能宏 (国立社会保障?人口問題研究所室長) 評 (『経済セミナー』 2013年12?2014年1月号)

 
文芸批评 (『朝日新闻』 2013年10月8日夕刊)
 
土居丈朗 (慶應義塾大学教授) 評 「BOOK REVIEW」 (『週刊エコノミスト』 2013年9月17日号)


大竹文雄 (大阪大学教授) 評 「今週の本棚」 (『毎日新聞』 2013年9月1日朝刊)

书评 (『出版ニュース』 2013年8月下旬号)

福田慎一 (東京大学大学院経済学研究科教授) 評 Book Reviews1 書林探索 「緻密な調査と実証分析が明かす社会?経済問題としての自殺」 (『週刊ダイヤモンド』 2013年8月24日号)

 

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