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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に室町?戦国时代の自画像

书籍名

天皇の美术史 第3巻 乱世の王権と美术戦略 室町?戦国时代

着者名

黒田 智

判型など

254ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2017年4月28日

ISBN コード

978-4642017336

出版社

吉川弘文馆

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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『天皇の美術史』は、2017年から2018年に全6巻が刊行された日本美術史の新たなシリーズです。美術史のシリーズ物というと、カラー図版を数多く掲載した大型の美術全集が頭に浮かぶと思います。1980年代以前、高度成長からバブル景気のころまでは、こうした贅沢な大型企画が次々に進められ、研究の進展に寄与してきました。ところが1990年代以降、そのような企画は減少したため、美術史全体を通史的に俯瞰すると同時に、最新の専門的研究を掘り下げたシリーズ物の出版が渇望されていました。1990年代の『絵は語る』(平凡社)、2005年の『講座日本美術史』(東京大学出版会) は、そうした要求に応えてくれた良質なシリーズであり、いちど手に取ってもらいたいと思います。
 
『天皇の美術史』では、美術品を「作らせた人々」の側から見ていきます。古代から近代にいたるまで、美術の制作は権力者の注文によることが普通で、当時の「芸术家」は今でいう「職人」に近い存在であったといえるでしょう。彼らが選択し、表現した様式 (スタイル) は、天皇や武家政権トップの美意識や、国家の中における美術のあるべき姿を反映しているのです。
 
シリーズ第3巻の『乱世の王権と美术戦略』で注目したのは、「武家が政権の中枢を担うようになった鎌倉末から江戸初期において、衰退したはずの天皇が美術を制作?蒐集?鑑賞することでいかに権威を保持しようとしたか」、という問題です。高校の日本史で言及される中世の天皇は、おそらく後鳥羽と後醍醐のみでしょう。彼らは武家に敗れた旧勢力として描かれます。しかし、近年の政治史?文化史の研究においては、武家政権は常に天皇のもつ「文化の力」に一目置き、彼らと一体化することで権威の向上を目指したことがわかってきています。
 
第1章「天皇と中世絵巻」では、鎌仓末期の花园天皇による絵巻制作や鑑赏の记事を网罗して、絵巻マニアの热狂的な行动を読み解きます。これらを相続した室町时代の天皇たちは、絵巻を特别な「お宝」として大切に保管し、室町将军たちはこれを羡望のまなざしで见つめ、频りに借用を求めます。军事力や経済力だけが政権を支えるのではなく、小さな美术品もこれに対抗できるだけの文化的な力を発挥したことがわかります。
 
第2章「天皇と天下人の美术戦略」では、安土桃山时代に织田信长?豊臣秀吉?徳川家康が美术といかに向き合ってきたのかを考えます。室町时代の足利义満や义政は、日明贸易を通じて中国美术の巨大なコレクションを形成し、これらは室町幕府を倒した天下人にとっても垂涎の的でした。彼らは、安土城や聚楽第の内装に日本风と中国风の両方を兼ねた王者のイメージを描かせますが、これらの巨大建筑には天皇の行幸が予定されていました。本章では、正亲町?后阳成?后水尾という乱世を生きた天皇たちが、天下人たちと交えた「美术」をめぐる駆け引きの実态が明快に説かれています。
 
美术と政治の深い関係を読み解く一册です。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 准教授 髙岸 輝 / 2018)

本の目次

第1章 天皇と中世絵巻
 第1节 花园天皇と絵巻の时代
 第2节 『看闻日记』の造形世界
 第3节 洛中洛外の絵巻ルネサンス
 
第2章 天皇と天下人の美术戦略
 第1节 復兴の世纪
 第2节 首都と内里の风景
 第3节 豪壮なるネイション
 第4节 レガリアの系谱
 

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