宪法学のゆくえ 诸法との対话で切り拓く新たな地平
宪法改正论议が高まるとともに、宪法学のあり方が注目されている。宪法学は一般に、政治やメディアで提案された宪法改正の诸提案に対して批判的であり、そのこと自体が批判にさらされてきた。集団的自卫権の一部行使を容认する政府见解の変更がなされた2014年7月顷から、多くの宪法研究者がメディアに登场して発言したこともあり、あらためて宪法学に対して様々な立场から、热い、あるいは冷ややかな目线が向けられている状况にある。
本书は、そのような宪法学をめぐる环境の过度の政治化を予测し、反応しようとしたものではない。むしろ本书は、法学としての宪法学が、隣接分野とどのような関係にあるのか、相互理解と対话の可能性を求めて、2014年1月から约2年をかけて行われた8つの座谈会を、収録したものである。座谈会は、隣接分野から宪法に理解?関心のある研究者を招き、宪法学に対する率直な问题提起や批判を含む基调报告を顶いた上で、私、曽我部真裕教授そして山本龙彦教授の3人がそれに応答する、という形を取った。
ゲストスピーカーは、いずれもホスト3人と近い世代で、それぞれの分野を牵引する気鋭の研究者である。森肇志教授、藤谷武史教授はともに现在、本学に在籍しており、笠置映里氏、伊藤正次教授も本学の法学政治学研究科で修行された研究者である。招いておきながら、敌地に単骑で乗り込んで暴れることを强いられる気持ちだったのではないかと恐れるが、それでも快くお引き受け顶き、非常に建设的な议论を作り出して顶いたことに、心から感谢したい。
私以外のホストである曽我部教授、山本教授も、ともに同じ世代に属しており、宪法や情报法の研究?実务の场で协力することが多い。しかしそれでも、他分野からの问いかけに対する応接に、それぞれのバックグラウンドや个性の违いが露わになることもあり、これはこれで楽しい発见だった。
もともとこの座谈会は、月刊誌である法律时报に掲载されたものである。この种の座谈会は、参加者の漫谈に陥ったり、逆に议论が过度に専门化したりするおそれがある。その点、本书に収められた座谈会は、参加者の间の紧张感を保ちつつ、同时に多角的な角度から、宪法学と隣接分野で共通する论点について、一致する理解やアプローチの违いなどを、浮き彫りにすることができた、と私は自负している。それと同时に、自分の研究にとって非常に有用な视点や気づきを、多く与えられたことは、いうまでもない。
宪法学は常に、隣接分野からの知见に接し、时にそれを消化し、时に自己の议论枠组みを変容させ、时に厳しく対峙することで自らの前提を问いなすというやり方で、现在あるような学问として発展してきた。本书は、私たちの世代が现时点でそのような知的格闘を行った记録である。本书が、宪法学それ自体の発展にとって刺激剤となるとともに、宪法学の外の健全な知的読者が、宪法学の到达点を正しく认识し、批判して顶くための出発点となることを、愿っている。
(紹介文執筆者: 法学政治学研究科?法学部 教授 宍戸 常寿 / 2017)
本の目次
イントロダクション&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;山本龙彦
[基調報告] 憲法と刑事法の交錯……亀井源太郎
[座談会] 憲法と刑事法の交錯……亀井源太郎 宍戸常寿 曽我部真裕 山本龍彦
2
イントロダクション&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;曽我部真裕
[基調報告] 憲法学と司法政治学の対話──違憲審査制と憲法秩序の形成のあり方をめぐって……見平 典
[座談会] 憲法学と司法政治学の対話……見平 典 宍戸常寿 曽我部真裕 山本龍彦
3
イントロダクション&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;宍戸常寿
[基調報告] 憲法学における財政?租税の位置?……藤谷武史
[座談会] 憲法学における財政?租税の位置?……藤谷武史 宍戸常寿 曽我部真裕 山本龍彦
4
イントロダクション&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;山本龙彦
[基調報告] 憲法上の財産権保障と民法……水津太郎
[座談会] 憲法上の財産権保障と民法……水津太郎 宍戸常寿 曽我部真裕 山本龍彦
5
イントロダクション&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;曽我部真裕
[基調報告] アーキテクチャによる規制と立憲主義の課題……松尾 陽
[座談会] アーキテクチャによる規制と立憲主義の課題……松尾 陽 宍戸常寿 曽我部真裕 山本龍彦
6
イントロダクション&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;宍戸常寿
[基調報告] 憲法学と国際法学との対話に向けて……森 肇志
[座談会] 憲法学と国際法学との対話に向けて……森 肇志 宍戸常寿 曽我部真裕 山本龍彦
7
イントロダクション&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;山本龙彦
[基調報告] 憲法と社会保障法……笠木映里
[座談会] 憲法と社会保障法──対話の新たな地平……笠木映里 宍戸常寿 曽我部真裕 山本龍彦
8
イントロダクション&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;曽我部真裕
[基調報告] 行政学から見た日本国憲法と憲法学──執政権説の検討を中心に……伊藤正次
[座談会] 行政学から見た日本国憲法と憲法学……伊藤正次 宍戸常寿 曽我部真裕 山本龍彦