総长谈论
现代は、さまざまな人类史的な课题が、人びとの日常の暮らしのなかで露わになった时代です。有限な地球环境に対する人间活动の影响は无视できない水準に至り、未来の世代に対しての责任のありようを问う议论が世代间でなされています。生命伦理など、科学技术の発达と応用に伴って浮かび上がってきた新たな问题もまた多く、文理の垣根をこえた総合知の构筑が期待されています。今般の颁翱痴滨顿-19の蔓延は、人びとが集まり、话し合い、触れあうといった日常的な行為に内在していた、人类史におけるかけがえのない意味を考える机会ともなりました。
これまで前提としていた诸条件や常识が大きく変化しつつある今日だからこそ、私たちは过去?未来の长期を见渡す视野に立って、学术が果たすべき役割を自覚し、新しい大学像の构筑に取り组まねばなりません。
东京大学の新しいあり方を开拓するにあたり、重要な行动のひとつが「対话」です。东京大学は、立场や価値観が异なる人と人との间で、あるいは大学と社会との间で、さらには国际社会のなかで、対话することを重视します。なぜなら対话とは、未知なるものと向かいあう実践だからです。これからなにをなすべきか、まず自分のなかの未知に问いかけることが第一歩でしょう。未知の他者との対话は互いに向きあうことから始まり、同情や感伤ではない深い共感的理解にもとづく信頼の构筑を目指します。そうして初めて他者を巻き込む関係が生まれ、新たな协创が始まります。対话による信頼は、私たちが创りあげる共通资本であり、そうした対话こそが、「地球という人类の共有财产(グローバルコモンズ)」をはじめとする公共财の责任ある管理(蝉迟别飞补谤诲蝉丑颈辫)の基盘ともなります。
人类が抱える大きな课题に积极的に取り组む人材を育てることは、东京大学が社会から负託された使命でもあります。多様な学问に基づく知を基盘に、学生たち自らがその好奇心を沸きたたせ、仲间との対话を豊かに织りなす机会を充実させるなかで、他者を尊重する精神と创造性を育みます。
「Diversity(多様性)とInclusion(包摂)」の理念は、学知創出の局面だけでなく、人材育成、そして経営や社会连携の局面でも基本となるでしょう。共通の目標を有する国内外の学術機関や地域、産業界との間で強固なネットワークを構築し、連携?協働することによって、学びを社会と結びなおす取り組みを進めます。また教職員や学生など、多様な背景をもった優秀な「人」を世界から集め、その人たちが活き活きと活動できる場を実現します。教育から研究、事務業務までさまざまな面でデジタル革新を進める「デジタル?キャンパス」を実現することで、教職員の時間や業務の質を向上させ、東京大学を「世界の誰もが来たくなる学問の場」にしていくことを目指します。
「知」の创出、「人」の育成、「场」の构筑という相互に连関する取り组みを着実に进めるべく、本学构成员の皆さんとともに弛まぬ努力を重ね、しなやかで开かれた东京大学への改革を力强く推しすすめていく所存です。
东京大学総长
藤 井 辉 夫