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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

茶色い表紙

书籍名

アナーキズム 政治思想史的考察

着者名

森 政稔

判型など

328ページ、四六判

言语

日本语

発行年月日

2023年2月

ISBN コード

978-4-86182-706-8

出版社

作品社

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本书は通例ではアナーキズム思想史の初期に位置づけられる、ウィリアム?ゴドウィン、マックス?シュティルナー、ピエール?ジョゼフ?プルードンという3人の思想家についての政治思想史的研究である。一般にアナーキズムと呼ばれる思想や运动は19世纪后半顷にマルクス主义と対抗しつつバクーニンらによって形成された。そして后でできた観念が先に挙げた3者にも遡って适用され、アナーキズムの先駆者という位置づけが与えられた。しかし、バクーニン以降とは异なり、この3者には自らをアナーキストと呼ぶことは稀であり、アナーキズム思想や运动を组织したことはない。本书はアナーキズム思想史の通念を疑い、后世のアナーキズムの先駆者というのとは异なる视点で、これら18世纪末から19世纪前半の思想家たちを再検讨することを课题とするものである。
 
この3者はそれぞれ独立性の高い思想家であり、非国教会牧師 (ゴドウィン)、ヘーゲル左派 (シュティルナー)、職人的世界の労働運動 (プルードン) と、それぞれ出自は異なっていて、相互の交渉もわずかである。そして啓蒙思想や共和主義など18世紀やそれ以前の政治思想史的伝統とつながる面を多く有している。19世紀がナショナリズムや科学主義に染まる直前の、やや異端的な政治思想の一端をこれらの思想家は表現している。同時に平等理念を継承しながらも、結局は独裁に終わったフランス革命のとりわけジャコバン主義に対する批判を含んでいることもこれらの思想家の共通する特徴である。
 
现在の政治状况を考えるとき、国家や政治体制への信頼の低下は顕着であり、それを受けて一部ではアナーキズムへの関心の復活が言われている。しかし19世纪末から20世纪にかけての通常の意味でのアナーキズム思想に回帰することは、社会构造や意识の変化のゆえに现実的ではない。それに対して、本书で论じた3人の思想家は、后のアナーキズム思想によって忘却された面を多く有するが、逆にそれらに现代の课题にとって有意义であるような诸点を见出すことができるのではないかというのが私の见通しである。たとえば人间の意志には还元できない客観的な正义の観念、私的所有を批判しつつ共产主义を退ける立场、社会の根底にある相互性の重要性といった事柄である。
 
本书では以上のようないわゆる初期アナーキズム思想を政治思想史の文脉のなかに位置づけるとともに、通常のアナーキズムの通史では见えてこない面を掘り起こすことを试みた。アナーキズムは一般的に左派系で社会主义の一派としては把握されてきたが、现在では通常右派に位置づけられるリバタリアニズムや无政府资本主义もアナーキズム的性格を有すると解されるようになっているなど、概念の整理と组み换えが必要な时期にある。本书は地味な歴史研究であるが、そうした现代的要请にいくらかでも応じられればと考えている。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 森 政稔 / 2023)

本の目次

序章 アナーキズムとアナーキズム的なものの概念をめぐって
 
I アナーキズムの思想的意义
1章 アナーキズム的モーメント
 
II 先駆者たち
2章 奥.ゴドウィン:合理性と判断力
3章 惭.シュティルナー:自己性と差异
中间章 19世纪初期アナーキズム思想の可能性と现代的意义
 
III マルクス、プルードン、フランス社会主义
4章 マルクス:国家を超える市民社会
5章 プルードン滨:ジャコバン主义批判
6章 プルードンII:产业化と自由、そして連帯
 
IV その后の展开
7章 ベンジャミン?タッカー:アメリカ的アナーキズムの系谱
 
终章

関连情报

书评:
馬路智仁 評 <本の棚>「なぜ、今アナーキズムが必要なのか 森政稔 著『アナーキズム――政治思想史的考察』(作品社、二〇二三年) による探求」 (『教養学部報』第648号 2023年10月2日)

 
苅部直 評「「無政府」思想 現代に通底」 (読売新聞オンライン 2023年5月26日)

 
森元斎 評 (週間読書人 2023年5月5日)

 
书籍绍介:
毎日新闻 2023年6月10日

 
着者についての解説:
重田園江 [連載 シン?アナキズム]「ねこと森政稔」第1回 (本がひらく|NHK出版 2021年8月6日)

 
重田園江 [連載 シン?アナキズム]「ねこと森政稔」第2回 (本がひらく|NHK出版 2021年8月30日)

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