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书籍名

可能なるアナキズム マルセル?モースと赠与のモラル

着者名

山田 広昭

判型など

272ページ、四六判、上製

言语

日本语

発行年月日

2020年9月25日

ISBN コード

978-4-900997-77-6

出版社

インスクリプト

出版社鲍搁尝

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アナキズムという言叶を闻いて、みなさんはどういう思想や実践を思い浮かべるでしょうか。歴史的に见れば、それは一切の権威への従属を退け、个人の絶対的な自由の実现を目指すものから、むしろ人间の共同性や相互扶助を强调し、権力支配とは无縁な自治的协同体の树立を主眼とするものまで、その目标においても手段においても大きく异なる、きわめて多様な思想を包含してきました。
 
本書が提唱しようとしているアナキズムは、大きく括れば後者の流れに属するということができます。2020年に惜しくも急逝したデヴィッド?グレーバーは、アナキズムを「非中心性、自主的連合、相互扶助、ネットワークモデル」という四つの特質で定義しようとしていました。これらは今後実現されるべき社会の構成原理ともなるのですが、私が考えたのは、どこにそれが可能であることの根拠があるのかということでした。人間の相互性に信頼するというのでは明らかに不十分です。そのときに見えてきたのが、社会人類学者マルセル?モースが『贈与論』(1924) で行おうとした探求のもつ重要性でした。
 
アナキズムを考えるときに忘れてはならないこととして、それが一九世紀後半から二十世紀の後半にかけて生き生きとした思想でありえたのは、主としてマルクス主義的な共産主義、ソ連型の独裁的社会主義に対する対抗理念 (「左からの」批判者) としてであったということがあります。それは上からの社会革命に対する強い異議申し立てだったわけですが、他方でマルクス主義の理論的基礎をなしていた生産力中心主義 (生産様式が社会を決定するという史的唯物論) 批判は、少なくともアナキズムの側からはほぼ手つかずのままだったと言えます。
 
モースに発する経済人类学的探求が明らかにしたのは、あらゆる人间関係と社会の基盘となるのは、生产様式ではなく交换様式であること、それも商品経済を前提とする近代経済学の视野の外におかれていたような、社会构造のなかに深く埋め込まれた交换様式であることでした。そこに注目することではじめて、かつての阶级闘争论や、アナキズムが一时それに頼った「行动する少数派」といった戦略とは异なるイメージと根拠に基づく社会変革への道筋を描くことができるのではないか。モース自身は协同组合运动にその可能性を见ていたのですが、详しくは本书を読んでいただくしかありません。
 
最后に、手前味噌を承知で本书のアクチュアリティを二つ记します。一つは、生产至上主义、成长至上主义をいかにして乗り越えるかという回避不可能かつ焦眉の课题に応えようとするものであること、もう一つは、コロナ祸の今だからこそ考えるべきこととして、国家が果たすべき役割の再検讨を促すもの、とりわけ、强力な権力の存在を、それを担えるリーダーと合わせて、期待し呼び求めてしまうことに対して警戒を呼びかけるものとなっていることです。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 山田 広昭 / 2021)

本の目次

一章 マルセル?モースとは谁か
二章 赠与のモラル
叁章 国家と个人
四章 无力な首长と国家なき社会
五章 「ハウ」と戦争
六章 利润なき市场経済
七章 労働力商品と剰余価値
八章 赠与と负债
九章 理论と伦理
一〇章 モースと社会主義 — 生産様式から交換様式へ
一一章 交换様式顿
一二章 ネーション
一叁章 可能なるアナキズム

関连情报

着者インタビュー:
山田広昭「赠与のモラル&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;互酬性の原理とアナキズムの可能性」 (『谈』苍辞.120 2021年3月8日)

 
书评:
星野太 評 (『artscape』 2021年6月15日)

 
若森みどり 評 (『図書新聞』 2021年2月13日)

 
平川克美 評「「贈与経済」ヒントに未来探る」 (『東京新聞』 2020年11月22日)

 
[読書]思想 山田広昭著 可能なるアナキズム マルセル?モースと赠与のモラル 半沢ファンにも懐深く (沖縄タイムス、ほか 2020年11月7日)


 
沖公祐 評 (『週刊読書人』 2020年12月11日)

 
平井玄 評 (北日本新聞ほか (共同通信配信) 2020年10月31日)
 
イベント:
伊藤亜纱&迟颈尘别蝉;山田広昭「身体のアナキズム」『可能なるアナキズム』(インスクリプト)刊行记念 (本屋叠&补尘辫;叠 2021年1月11日)

 
日仏文化讲演シリーズ第354回:赠与交换と新たなアナキズムーマルセル?モースから出発して (公益财団法人日仏会馆 2021年9月17日)

 
森山工×山田広昭「マルセル?モースと赠与のモラル」『可能なるアナキズム』(インスクリプト)刊行記念イベント (本屋B&B 2020年12月18日)

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