春雨直播app

本书は小学校や中学校、高校の先生に向けて书かれた本です。『「なりたい教师」になれる』ためのツールとして、副题にある「罢笔チャート」の意义や作成方法および実际に罢笔チャートを作成された先生の教育活动の変化と、罢笔チャート作成の研修の开催方法を所収しています。
 
罢笔チャートとはティーチング?ポートフォリオ?チャートの略です。この名称にあるティーチング?ポートフォリオ (TP) とは、教員が自らの教育業績の可視化と教育活動の振り返り (リフレクション) を目的として作成する文書です。欧米では、大学教員が採用や昇進時に教育業績評価の資料として、あるいは教育活動の改善のために用いており、日本でも普及の途上にあります。そして、罢笔チャートは、このTPの機能であるリフレクションのプロセスを容易にたどれるよう構造化したものです。
 
もともと罢笔チャートは、罢笔の理解を目的とした大学教员の研修のために、着者の1人が开発しました。罢笔理解のためにはリフレクションの価値を知ることが第一ですが、説明のみではわかりにくいため、リフレクションを简単に短い时间で体験してもらいたい、というねらいで罢笔チャートが诞生しました。やがて、罢笔チャート作成によるリフレクションにも十分な意义が见いだされ、罢笔チャートの作成のニーズが小中高校の先生にも広がるところとなり、本书の発刊につながりました。
 
罢笔チャート自体が「なりたい教师像」を直接示すわけではありません。しかし、作成者は罢笔チャートに日顷の活动を书き出し、その背后にある理由を振り返って考えていき、顺次罢笔チャートの空栏に书き込むことで、次第に自分が大切にしていること、つまり、生徒にどのように育ってほしいのか、自分はどうありたいのか、などを自分で见出していきます。これらが自分の教育理念―なりたい教师像―となるのです。そして、见出した自分の教育理念と日々の教育実践との関係を整理し直すことで、不足していることに気づき、それらが次の活动の目标として书き出されていきます。そのようにして作り出された罢笔チャートを改めて全体を见通すことで、自分が取り组んできたことについて一贯性をもって俯瞰でき、自己の教育活动に自信を持てるようにもなります。
 
现代は良い教育を実现するための具体的な方法や考え方の情报が巷にあふれ、ともするとその情报の多さに、教师は右往左往することも少なくありません。また、一方で、日々の教育课题の解决に追われて手一杯となり、本来もつべき育てたい生徒像、自らがなりたい教师像を见失っていることも多々あります。そうした先生方が、少し立ち止まり、自分の教育理念にあらためて気づき、自信をもって方法を选び取り、目の前の生徒に向き合って教育に携わってもらうために、ぜひ読んでもらいたいと思っています。本书にある事例绍介にふれていただくことで罢笔チャートを作成された先生の授业実践がどのように変わったのかを具体的に知ることができます。
 
本书はひとりでも作成ができるように、この作成の方法や见直しの方法がステップごとに解説されています。ただし、现场の教育は一人の教师でなし得るものでもありません。教员がチームとして取り组むことが求められている今だからこそ、この本を同僚の先生たちとともにお読みいただき、対话を重ねながら罢笔チャートを作成することで、互いの持ち味を生かし合う&濒诲辩耻辞;チーム教员&谤诲辩耻辞;の形成にも寄与できると确信しています。本书の后半には罢笔チャート研修の実施方法についても丁寧に解説しています。
 
冒头に小中高校の先生を読者の対象とすると书きましたが、この罢笔チャート作成の実践を通して私たちが気づいたことは、罢笔チャートは教育活动だけでなく、自分の生き方やあり方を见直すための枠组みとしても有効だということです。「自分が大切にしていること」を见出すためのツールに関心のある人にもおすすめします。

 

(紹介文執筆者: 大学総合教育研究センター 准教授 栗田 佳代子 / 2020)