
书籍名
ヴェールを被ったアンティゴネー
判型など
192ページ、四六判
言语
日本语
発行年月日
2019年8月10日
ISBN コード
9784909812179
出版社
小鸟游书房
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
ソポクレスの『アンティゴネー』は古代ギリシア悲劇の傑作としてつとに名高い。愛する兄を失ったアンティゴネーが、叔父にして国王であるクレオンの禁を破って兄の埋葬を敢行する。文芸批評家のジョルジュ?スタイナーが論じたように、この作品には人間が抱える5つの永久的葛藤——男と女、老年と青年、社会と個人、生者と死者、人間と神々——が凝縮されている。それもあって、ソポクレスのテクストは、ヘーゲル、デリダ、バトラーなどの哲学者の思索を駆り立ててきた。また、コクトー、アヌイ、ブレヒトなどの劇作家は、この作品から着想を得てアダプテーション (翻案) 作品を手がけてきた。
本书は、ベルギーの法哲学者フランソワ?オストによる『アンティゴネー』のアダプテーション作品である。舞台は现代ヨーロッパで、アンティゴネーの役に当たるのはアイシャというムスリム女性で、中等教育を受けている。死んだ兄はテロリストの嫌疑をかけられて、学校长は生徒たちに葬仪への参列を禁じるが、アイシャはヴェールを被ってそれに抗议するという内容である。
この戯曲は、ライシテの名のもとに公立校でのヴェール着用を禁じるフランスの2004年の法律に着想を得て书かれている。世俗社会における公立校の宗教的中立性と、生徒の信教の自由の保障を両立させるにはどうしたらいいのだろうか。イデオロギー论争にも発展しやすいこの难问を、本书は文学作品を用いることによって、具体的な状况と场面に引きつけて考えるようにしてくれる。
法哲学者が戯曲を书くのは、まったく自明ではない。しかし、ベルギーの大学で「法と文学」という科目を担当しているオストは、本书に収録したインタビューのなかで、文学の効用を强调している。法律家の仕事には想像力が必要不可欠だが、今日の法律家はともすると近视眼的な専门化に陥っていると彼は警鐘を鸣らす。法律の勉强は「最初からできている答えを学ぶこと」であるのに対し、文学はポール?リクールが言ったように「人间的なものを経験する実験场」である。そして、文学作品から得られる「可能なものの意味」の探求が、「今日の大学教育において非常に必要とされている」と述べている。
訳者は本書を2017年にサバティカル研究休暇中のカナダで訳しながら、実にアクチュアルな作品だと感銘を受けていた。この年は、ケベック州で公共サーヴィスを受けるときは互いに顔を見せることを定めた法律(要するにイスラームのヴェールであるニカブやブルカを規制する法律)が制定され、また#MeToo運動が世界を席巻していた。アンティゴネーやアイシャの系譜に連なる人びと (特に女性たち) は、現代世界に数多くいるはずだ。本書の担当編集者は、この本は「まるで現代日本のためにあるかのような問題提起をいくつも含んでいる」と私に語ってくれた。それを発見するつもりで本書を読んでくれたら、訳者としても嬉しい。
(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 准教授 伊達 聖伸 / 2020)
本の目次
ヴェールを被ったアンティゴネー
ヴェールの悲剧 フランソワ?オストへのインタビュー
訳者解説
訳者あとがき
関连情报
100行で名着:『ヴェールを被ったアンティゴネー』フランソワ?オスト着、伊达圣伸訳 (『东京大学新闻』 2020年11月3日)
(『缀叶』 2019年12月10日)
宫野祥子「社会における多様な関係性を见つめ直すための问い――ギリシャ悲剧『アンティゴネー』をアダプテーション(翻案)した戯曲」 (『図书新闻』 2019年11月16日)
戯曲「ヴェールを被ったアンティゴネー」 ギリシャ悲剧を、欧州の学校に通うムスリムの女子生徒に置きかえて (『朝日新闻』 2019年10月12日)
大波小波「文化ハラスメントへの#Me Too」 (『東京新聞』夕刊 2019年9月17日)
讲演会:
イスラーム?ヴェール問題の深層 ―ライシテとは何か― 伊達 聖伸氏 (聖心女子大学国際交流学科主催 2019年11月19日)