文化资源学讲义
「文化资源学」は、2000年に人文社会系研究科に新しく设置された専门分野に付けられた、学问の名前である。その方法と可能性について、创成の时期から関わった着者が、振り返って论じた。あるべきディシプリンを理念的?一般的に论ずるより、具体的な主题と素材をもって、対象を分析するという実践を通じてその特质を提示したほうがわかりやすいだろうと、集中讲义とレポート作成をイメージしてまとめた。
冒头の「文化とはなにか」、「资源とはなにか」、「情报とはなにか」という叁つの章は、いわば基础理论で、入门?导入の位置づけにある。文化も资源も情报も、ふつうに耳にする用语であるがゆえに、なんとなくわかったようでいて、考え始めると、その意味の漠然にとまどう。と同时に、定义が曖昧で幅広いかのように见えながら、考え方を方向づけるさまざまな思いこみが刻印されている。たとえば、文化は価値あるなにかと思われているが、本当にそう理解することを疑わなくていいのか。「颁耻濒迟耻谤别=文化」という翻訳の自明性が、见えなくしてしまっているものはなにか。「资源」と「资本」は、ものの见方がどう异なるのか。ことばの内に潜む、さまざまな呪缚に光があてられ、思いこみの拘束を相対化し、概念が担ってきた歴史性や公共性の復活を试みている。そうした作业を通じて、文化资源学という学问を支える思考の动きを描き出すことが、第一部の主题である。
第二部は、具体的な事物を対象としながら、その物体やできごとから、いかなる主题の文化分析が立ち上げられるかを问うている。そうした研究を可能にするさまざまな実践と方法について、実际に取り上げているという意味において、演习?実习のような位置づけにある。具体的には、「新闻锦絵」「戦争锦絵」「絵叶书」のような画像情报を含む事物から、「新闻文学」という忘れられたジャンル、「万年笔」という近代の新たな笔记具、さらに方法としての「フィールドワーク」と、「実业」という概念の诞生を通じた近代における职业のとらえ方の変化などを论じている。実习を贯いているモティーフは、事物の存在形态それ自体が构成している意味の解読であり、そこを主题化するための方法的な枠组みの构想である。
最後の第三部は「特別講義」に位置づけているが、内容的には「卒業論文」をレベルの事例研究をイメージしたもので、「関東大震災における流言蜚語」を取り上げている。以前に『流言蜚語』(有信堂高文社、1995) で、更なる検討の課題として挙げておいたことに改めて取り組み、いくつかのオリジナルな発見も含まれる。各地域の警察署の資料や、調書をもとに作られた情報の再構成から、大都市東京における流言の増殖と昂進のメカニズムを浮かび上がらせようとした手法は、現代社会の情報空間の分析にも示唆を与えうるものだと思う。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 佐藤 健二 / 2020)
本の目次
第1章 文化とはなにか
第2章 资源とはなにか
第3章 情报とはなにか
第2部 演习?実习编
第4章 新闻锦絵――メディアの存在形态を考える
第5章 戦争锦絵――想像されたできごととしての戦争
第6章 絵はがき――视覚メディアのなかの人类学
第7章 観光の诞生――絵はがきからの暗示
第8章 新闻文学――新闻と文学との出会い
第9章 万年笔を考える――笔记用具の离陆
第10章 フィールドワークとしての远足――北村大沢楽队
第11章 実业――渋沢栄一と渋沢敬叁
第3部 特别讲义
第12章 関东大震灾における流言蜚语
関连情报
井川充雄 (立教大学社会学部教授) 評 (『社会学評論』VOL.70,No.4 / 2020年3月)
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