文化资源学 文化の见つけかたと育てかた
本書は、2000年、東京大学大学院人文社会系研究科に文化资源学研究専攻が開設されてから20年を経たことを契機に作られた本である。多くの分析概念が欧米からの輸入概念を起点とする日本の学術研究においては稀なことであるが、「文化资源学」は最初から日本语で構想された概念である。本書では、精緻化し複雑化した文系の諸学問を「かたち?ことば?おと」という原初の地点から見直し、多様な文化を「文化資源」という視点から見直し育てるために蓄積してきた20年の研究と教育の成果を紹介する。
本書は全体が三部にわかれ、全部で13本の論考から構成されている。人文系諸学を軸足としながら学際性と社会連携を重視する文化资源学の全体像を読者に伝えるべく、3つの部はそれぞれ「おと?ことば?かたち」「見つけかた」「育てかた」と題されている。
第一部は「おと?ことば?かたち」と题して、立ち上げ期から専攻をけん引してきた叁人の论考で构成される。论じられる主题は「発车メロディ」「春画」「个室」と多様だが、叁者に共通するのは近代以降に创り上げられてきた制度や観念に対する批判的なまなざしである。
第二部「見つけ方」には、現在の文化资源学の最前線を走る研究者による論考が並んでいる。「絵巻」「葬儀」「ゲーム」「在日米軍基地」「小津映画」「工芸製本」など、領域横断性を重視する文化资源学ならではの広がりのある多様な研究課題に即して、それぞれ「研究対象をどのように発見し分析してきたのか」が論じられる。いずれも「受容」「保存」「継承」「活用」などの問題を共有している。
第叁部「育て方」の主题は、文化资源を支える制度的な侧面である。従来、日本の人文系诸学ではあまり明示的に论じられることのなかった「文化」の「経営」「政策」「国际展开」の过去20年の轨跡と今后の展望が论じられる。また、多様な领域を横断する大学院プログラムにおける学位论文の「型」の现状分析が行われる。
我々は、論集全体を通して、歴史を踏まえつつ新たな文化資源の発見と育成を目指す文化资源学の広がりと奥行きを示すことを試みた。その目標はある程度は達成できたのではないかと考えているが、同時に、20年の研究教育活動の結果、明らかになった構造的な問題や新たな課題も浮かび上がってきた。
読者の皆さんが本書を紐解いて、文化资源学の魅力を発見し、未来に継承していくための手がかりを得られることを願っている。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 中村 雄祐 / 2022)
本の目次
第一部 おと?ことば?かたち
第1章 環境の音は誰のもの?――「発車メロディ」と著作権問題 (渡辺 裕)
第2章 集中讲义「猥褻论」(木下直之)
第3章 文化资源学の作法――「個室」の成立と変貌に焦点をあてて (佐藤健二)
第二部 见つけかた
第4章 美術史と文化資源の往還――絵巻の国際的研究を通じて (髙岸 輝)
第5章 文化資源としての葬儀――第三者の関与による変容と継承 (西村 明)
第6章 文化資源としてのゲーム――ゲーム保存の現状と課題 (吉田 寛)
第7章 ベースの場――文化資源としての在日米軍基地 (ライアン?ホームバーグ)
第8章 一九四九年のコカコーラ――小津安二郎監督『晩春』と敗戦へのまなざし (福島 勲)
第9章 米国セツルメント?ハウスにおける本づくり――エレン?ゲイツ?スターの工芸製本 (野村悠里)
第叁部 育てかた
第10章 文化资源学研究専攻における文化経営の位置づけ (小林真理)
第11章 文化资源学における論文の型 (中村雄祐)
第12章 文化経営学の対象――文化政策研究の発見 (小林真理)
第13章 文化资源学の国際展開 (松田 陽)
索引
関连情报
東京大文化资源学研究専攻
书评:
宮崎刀史紀 評 (週間読書人 2022年1月28日)
オープンセミナー:
「3Dと人文情報学」 (オンライン[主催:ヒューマニティーズセンター] 2022年8月26日)
「デジタル技术を用いた文化資源の多次元アノテーションの研究──プログレス?リポート」 (オンライン[主催:ヒューマニティーズセンター] 2022年5月27日)