図説 都市空间の构想力
书は図説と名乗っていることからも分かるように、数多くのオリジナルの図版を収録し、その図版でメッセージを伝えようとしている。そのメッセージとは、「どんなに乱雑に见える都市空间においても、その场に固有な空间の文法というものがある。多くの人が都市と関わり合う中でそうした文法は読み取りにくくなってしまっているだけである。そして、さらに注意深く都市空间を探ると、その文法によって表现しようとしている空间の「意図」というべきものが见えてくる。都市空间に备わったこうした构想力を読解することによって、今后の都市の姿が见えてくる」というものである。个々の建物、个々の街路にはそれがそこにあり、ある形态をとっている理由、言い换えれば何らかの意図が必ず込められている。そうした意図の集合体として现代の日常的な都市空间、都市风景を捉えなおすことで、都市空间自体に构想力が内在しているという见方が生まれる。本书のオリジナリティは、こうした都市空间の见方の転换にある。
では、现代日本の都市空间の构想力を読み解くには具体的にどのような视点が设定されえるだろうか。本书では、都市の立地そのものから読み解く「大地に构える」、都市のかたちを规定する基盘を読み解く「街路を配する」、都市の部分と全体との関係を都市建筑のような细部に焦点を当てて読み解く「细部に依る」、同じく部分と全体との関係性を全体(网の目)に焦点を当てて読み解く「全体を统べる」、空间と人间の行动との相互作用を読み解く「ものごとを动かす」、空间と时间との相互作用を読み解く「时を刻む」の6つを设定し、章立てもこれらの视点に従っている。先に述べた図版に加えて、构想力を表现する言叶も慎重に选択している。少なくとも节のタイトルまでは、「地形が都市を呼び寄せる」、「个のうちに全体を込める」、「背景に隠された物语に乗じる」などの构文を用いることで、构想力のダイナミズムを表现するように努めた。
なお、こうした构想力への眼差しが都市デザインの出発点であるということだとしても、その先の创造性あふれる都市デザインの実践にどこまでこの构想力が届くのだろうか。本书では言及されていないが、东京大学都市デザイン研究室では、様々な都市の现场において、読解から実践への展开を试みている。构想力とは、読解と実践とを接続するコンセプトでもある。
(紹介文執筆者: 工学系研究科 准教授 中島 直人 / 2018)
本の目次
序章 都市空间の构想力とは何か
1 都市空間の構成の背後にある構想力を読み解く
2 構想力を読み解くための六つの視点
1章 大地に構える
1 地形が都市を呼び寄せる
2 地形を生活に取り込む
3 地形が領域を生み出す
2章 街路を配する
1 都市を編み上げる
2 街路を場所として設える
3章 細部に拠る
1 個のうちに全体を込める
2 個を都市に開く
3 細部に都市を纏う
4章 全体を統べる
1 都市に大きな物語を配する
2 小さな物語を重ねて大きな物語を紡ぐ
3 背景に隠された物語に乗ずる
5章 ものごとを動かす
1 地形への特化が行為を固有化する
2 ハレの場を演じる
3 空間の様式が継承を支える
4 構想力が、今を歴史的な時間にする
6章 時を刻む
1 移ろいを映し出す
2 記憶を重ねる
関连情报
『都市空间の构想力』を歩く、语る 本郷台地の都市空间まちあるき&トーク
西村幸夫、窪田亜矢、野原卓、中島直人、中島伸、永瀬節治、阿部大輔ほか (2015年12月20日)
书籍绍介:
「図説 都市空间の构想力」出版 (東京大学|都市デザイン研究室 2015年10月30日)