都市计画の思想と场所 日本近现代都市计画史ノート
本书は、日本近现代市计画史に関する思想と场所についての论考を集めたものである。全体を通じて、着者が提起した「开かれた都市计画史」の一つである「クリティカル都市计画史」が展开されている点が新鲜さである。では、「クリティカル都市计画史」とは何か。
着者は序章において、都市计画史研究史の整理を行い、「开かれた都市计画史」の理念型を提示している。1970年代に本格的に开始された都市计画史の研究领域では、これまでにも数多くの优れた研究が行われてきたが、本书では、3人のパイオニアのアプローチの比较から「通史展望」、「本质探求」、「计画遗产」という都市计画史研究の基本的な视座を导き出した。さらに「社会への还元」という価値に基づいてそれらの视座を再整理し、「パブリック社会学」の枠组みを援用することで、従来的な「プロフェッショナル都市计画史」の开き方として、「ポリシー都市计画史」?「クリティカル都市计画史」?「パブリック都市计画史」という理念型からなる枠组みを理论的に提示した。ここで、「クリティカル都市计画史」とは、都市计画の専门家に対して、究极的には都市计画とは何かという省察的な问いを与える都市计画史として构想されている。
序章に続く各部では、多様な主题が扱われているが、着者自身が提起した「クリティカル都市计画史」の実践というかたちで、一贯して思想と场所の観点から都市计画に関する骨太な问いを立て、思考を重ねている。具体的には、第一部「都市と都市计画家」では石川栄耀や高山英华らの都市计画家の思考の轨跡を跡付けることで「都市计画は都市とどう向き合うべきか」を、第二部「まちづくりと都市デザインの思潮?运动」では、郊外、民主化、まちづくり、都市デザイン等の既存概念の起源の探求を通じて「都市计画の主体はどうあるべきか」を、第叁部「东京の场所性と都市计画家」では、东京の具体的な地域、界隈の都市计画史の解明を通じて「都市计画はいかにして场所を生み出せるのか」を、「第四部 记忆の継承と都市计画遗产」では、叁陆沿岸都市および藤沢の再开発街区の都市计画史を通じて「都市计画の遗产はどのような意味、価値を持っているのか」を问うている。歴史的事実の解明に留まらない、都市计画に対する省察的问いを発する都市计画史研究の可能性を示している。
そして、结章では、非専门家も含む広い人々に対して开かれた都市计画史である「パブリック都市计画史」の姿について、仮説的なスケッチを试みているが、その実践は今后の课题として残されている。
(紹介文執筆者: 工学系研究科 准教授 中島 直人 / 2019)
本の目次
第1部 都市と都市計画家
1 日本近代都市計画における都市像の探求
2 「中心市街地活性化」のアーバニズム
3 石川栄耀による都市探求
4 石川栄耀と「都市」に向き合う都市計画家
5 高山英華による都市計画の学術的探求
6 高山英華の戦時下「東京都改造計画」ノート
7 つくる都市、できる都市、いとなむ都市
第2部 まちづくりと都市デザインの思潮?運動
8 郊外風景の思想史
9 民間保勝運動の展開と理念
10 「都市計画の民主化」を巡って
11 「都市デザイン」の誕生
12 大髙正人の「PAU」 建築と社会を結ぶ方法
13 「三春町建築賞」による地域の建築文化向上の試み
第3部 東京の場所性と都市計画
14 東京 多様なアーバニズムのアリーナ
15 浅草「昭和の地図」の想像力
16 「湯立坂の景観」の共有範囲
17 都市計画事業家?根岸情治と池袋駅東口地下街
18 新宿駅西口広場の問いかけ
19 東京臨海地域の歴史的文脈
第4部 記憶の継承と都市計画遺産
20 岩手の詩人計画者たち
21 東日本大震災と都市計画史1 計画遺産
22 東日本大震災と都市計画史2 記憶と意図
23 東日本大震災と都市計画史3 デジタル?アーカイブ
24 戦後都市計画史における藤沢391街区
25 再開発ビルをストックとして評価する3つの視点
結 都市計画史の語り手は誰か?
関连情报
2020年日本建筑学会着作赏を受赏 (日本建筑学会 2020年)
2018年度日本都市計画学会論文賞を受賞 (日本都市計画学会 2019年5月31日)
イベント:
都市史学会主催書評会 中島直人著『都市计画の思想と场所 日本近现代都市计画史ノート』 (都市史学会 2019年9月13日)