教育工学选书滨滨 7 インフォーマル学习
情報化の進展により、学校外の学習機会が増加している。eラーニングによる在宅学習やユビキタス機器を用いた体験学習を始め、ワークショップ、サイエンスコミュニケーション、博物館、企業における人材育成などの領域において、情報通信技术を活用した生涯学習の基盤が整いつつある。また、初等中等教育における総合的学習の時間や大学のプロジェクト学習などにおいて、学校外学習と連動する試みが行われるようになってきた。シリアスゲームやソーシャルラーニングなどICTを利用した新しい方法も導入されつつある。
本書はこのようなインフォーマル学习について教育工学の観点から行われた研究をまとめた書籍である。
OECDでは、インフォーマル学习を「仕事、家庭生活、余暇に関連した日常の活動の結果としての学習」として定義しているが、この本では「学習(学習目標、学習時間、もしくは学習支援の観点から)としては明瞭にデザインされていないが、計画された活動に埋め込まれた学習」であるノンフォーマル学習もあわせて広義のインフォーマル学习として取り扱っている。
幅広い領域で行われている研究を概観できるよう、教育工学会の論文に掲載されている研究を分類した上で、その他の領域について実践?研究が進んでいる子どもの発達を促すインフォーマル学习に特化させ、方法開発について教育工学会の特徴であるICT利用に焦点化する形で構成している。
序章: 教育工学とインフォーマル学习 (担当: 山内祐平)
1章: 生涯学習施設とインフォーマル学习 (担当: 美馬のゆり)
2章: 職場とインフォーマル学习 (担当: 荒木淳子)
3章: 大学教育とインフォーマル学习 (担当: 河井先生)
4章: 子どもの発達とインフォーマル学习 (担当: 佐藤朝美)
5章: ワークショップとインフォーマル学习 (担当: 森 玲奈)
6章:ICTとインフォーマル学习 (担当: 山田政寛)
終章: 変化する社会とインフォーマル学习 (担当: 山内祐平)
それぞれの章では、第一人者が各領域におけるインフォーマル学习の展開についてレビューするとともに、教育工学における位置づけについて論じている。この本が今後の発展が期待されるインフォーマル学习に関して灯台の役割を果たし、新たな研究や実践につながることを期待している。
なお、本書は教育工学選書として刊行されている。インフォーマル学习の構成法や評価法などについてさらに知りたい場合には、教育工学選書の関連する巻を手に取っていただくことをおすすめする。
(紹介文執筆者: 情報学環 教授 山内 祐平 / 2016)
本の目次
1 はじめに
2 教育工学とインフォーマル学习
3 学習科学とインフォーマル学习
4 生涯教育とノンフォーマル教育
5 翱贰颁顿による定义
6 本書におけるインフォーマル学习
7 教育工学会における研究动向
8 研究内容による分类
9 本书の构成
第1章 生涯学習施設とインフォーマル学习
1.1 生涯学习とは
1.2 学习の改革と生涯学习社会の出现
1.3 学习の场としての生涯学习施设
1.4 教育工学における先行研究1
1.5 科学教育における研究
1.6 来馆者研究
1.7 科学教育以外の研究
1.8 博物馆閲覧支援システムの开発
1.9 教育工学の定义と研究対象
1.10 教育工学研究の方法
1.11 学习环境の构成要素
1.12 教育工学が提供できること
1.13 今后の可能性
第2章 職場とインフォーマル学习
2.1 职场における学习への注目
2.2 職場とインフォーマル学习に関する諸理論
2.3 教育工学における诸研究
2.4 今后の课题
第3章 大学教育とインフォーマル学习
3.1 本章の目的と构成
3.2 大学教育におけるインフォーマル学习の拡がり
3.3 大学教育におけるインフォーマル学习の研究方法
3.4 大学教育とインフォーマル学习の可能性
第4章 子どもの発達とインフォーマル学习
4.1 子どもの発达について
4.2 子ども期におけるインフォーマル学习の概要
4.3 子ども期におけるインフォーマル学习とICT
4.4 研究の事例
4.5 子ども期への展开
第5章 ワークショップとインフォーマル学习
5.1 ワークショップのはじまり
5.2 ワークショップの拡がり
5.3 ワークショップの研究方法
5.4 ワークショップの可能性
第6章 ICTとインフォーマル学习
6.1 ICTが使われるインフォーマル学习
6.2 ICTを使用したインフォーマル学习の研究事例
6.3 ICTを使用したインフォーマル学习の評価
6.4 ICTとインフォーマル学习に関する研究のこれから
終章 変化する社会とインフォーマル学习
1 変化する社会
2 新しい能力
3 教育工学の使命
人名索引 / 事項索引