第1158回淡青評論

七徳堂鬼瓦

会计利益とは?

私は会计学を専门としていますが、最近、社会における会计利益の认识について改めて考えるようになりました。新闻やメディアでは「当期纯利益は过去最高となり、3期连続の増益となった」といった表现をよく见かけます。

しかし皆さんは、会计利益を正确に説明できるでしょうか。利益とは、公司が稼いだ「储け」と言えるかもしれません。そのイメージで大きな间违いはありませんが、储けを公司が持つ「现金」と考えるのであれば误りです。会计利益の中で、実际の现金が占める割合は一部であり、その他の部分は会计固有の要素で构成されます。例えば、商品を掛けで売り上げた场合は、「売掛金」という収益项目を利益计算に利用します。また固定资产を购入した费用は购入时に一括计上せず、「减価偿却费」という费用项目を用いて、资产を使用する各期间に配分します。これは适正な期间损益计算を行うことを目的とする会计のルールにしたがった计算です。実は会计利益は、概念的な性格が强いことが理解できるでしょう。

しかし概念的な会计利益は、様々な実质的な影响を社会にもたらします。会计利益が悪化すると従业员はリストラされ、経営者は解雇されるかもしれません。このような帰结が生じる理由は、会计利益を生み出す会计基準と関连する诸制度を人々が强く信用しているからです。つまり、会计基準の背后にある规范性とそれを具体化する计算プロセスを社会が认めているため、会计利益は大きな経済的インパクトを持つのです。

しかし社会规范が変化し、それに応じて会计基準が変われば、会计利益の本质的な内容も変容する可能性があることに留意すべきです。例えば、近年贰厂骋に対する社会的関心が高まっていますが、公司の贰厂骋活动の成果を会计利益に反映する会计基準を作成することも不可能ではありません。その场合、环境活动に积极的な公司ほど、会计利益が増加するでしょう。贰厂骋の是非はさておき、会计利益が不変の尺度ではなく、変化する可能性があることは、あまり社会で认知されていない気がします。おそらく现金と同じような感覚で会计利益を见ているからだと想像します。今まで见てきた会计利益が、ある日、全く违うコンセプトの会计利益になっているかもしれません。新闻等で会计利益を见かけた际には、単なる数値と思わず、その背后にある会计思考を多少想像してもらい、会计学に兴味を持ってもらえると嬉しいです。

首藤昭信
(経済学研究科)