第1127回淡青評論

七徳堂鬼瓦

男女共同参画について

あまり意识する余裕もなく时间に追われて年月を过ごしてきましたが、最近、学生さん达からも家事や育児と仕事の両立について意见を求められることも増え、改めて自分のこれまでを顾みるようになっています。颁翱痴滨顿-19の流行によって紧急事态宣言が発令されたり、オンライン化が进んだり、今まで自然と流れていた日常が大きく変わったことも影响しているのかもしれません。

男女共同参画が进んでいる欧米でも、颁翱痴滨顿-19の流行によるロックダウンや外出规制によって在宅勤务が中心となり、育児を始めとする家庭における女性にかかる负担の方が大きいようです。アカデミアでも女性研究者が思うように研究を进められず、一部ではポジションを失いかねないという危机的な状况に直面しているそうです()。

先日、あるオンラインの国際学会に参加した際、印象的なシーンがありました。若手の女性研究者がニューヨークにおける逼迫したコロナの状況を説明し始めた時、“Mommy!”と小さな女の子の声がしました。父親らしき人が一生懸命なだめている声も聞こえていましたが、女の子の声は次第に大きくなり、“Mommy! Mommy! Mommy!”と絶叫に変わりました。努めて平静に発表を続けていたこの研究者も慌てて“Excuse me.”と言って音声とビデオをオフにし、2分程度して戻った後、スムーズに発表を終えました。

我が身を振り返ってみれば、小さな足で地団駄を踏みながらこちらを见上げる4人の子供达を前に、夫に「あとはお愿い」とも言えず、ここぞという时でも、踌躇してばかりでした。大人の考える共同参画を必ずしも子供が受け入れるわけではない、と言えば少々大袈裟ですが、日々、调整と协调の连続であり、画一的にはいかないし、どんな局面でも、柔软に対応していくしかない、と感じています。また、それは男女共同参画に限らず、何事にも当てはまることだと思います。

脇嘉代
(医学系研究科)