岩波ジュニア新书 鎌仓武士の生活 16テーマで知る
この本では、鎌仓武士とその生活について、16のテーマを设定して解説した。ここで言う鎌仓武士とは、鎌仓时代の武士であり、源頼朝に従って鎌仓幕府を作り上げ、その鎌仓幕府のトップである「鎌仓殿」に仕えた武士、すなわち御家人を中心として取り上げた。
この鎌仓武士はどのような人々だったのだろうか。どのような暮らしをしていたのだろうか。また、社会の中でどのような役割を果たしていたのだろうか。そして、彼らが支えた鎌仓幕府とはどのような政権だったのだろうか。この本では、このような点について、古文书や絵巻物、発掘成果などのさまざまな素材、つまり史料に基づきながら、できるだけ具体的に明らかにするように努めた。
第一章は导入、第二章と第十六章は通史的な叙述、第叁章~第十五章は个别具体的なテーマに関する叙述となっているが、兴味のある部分から読み始めてもらっても基本的に问题はない。
第一章では、日本史の教科书でもおなじみの『男衾叁郎絵词』を入り口に、鎌仓时代の武士である男衾叁郎とその兄の吉见二郎の暮らしぶりを确认した。また、この兄弟が鎌仓幕府に仕える御家人であることを示したうえで、御家人がどのような人々であったかを述べた。
第二章では、武士が诞生して次第に成长し、平氏による政権が成立していく过程、そして平氏の政権に対して源頼朝が挙兵し、鎌仓幕府が成立して、鎌仓武士が诞生していく过程を述べた。特に鎌仓幕府の成立については、近年の研究成果を踏まえ、源頼朝が当初は反政府武装势力であり、そのことが鎌仓幕府のあり方に大きな影响を与えたことを述べた。
第叁章から第五章では、鎌仓武士の衣食住について、第六から第八章では「戦う人」であることを本质とする鎌仓武士の武装?合戦?武芸について述べた。
第九章では、鎌仓武士が生れてから死ぬまでの人生におけるさまざまな段阶について述べ、第十章?第十一章では鎌仓武士の教养と娯楽について述べた。
第十二章では、「戦う人」である鎌仓武士の暴力的で残酷な侧面と、政権としての鎌仓幕府の构成员として统治の一端を担う中で身につけてきた、民を慈しむ「抚民」の思想、そして信仰といった、鎌仓武士の精神的なあり方について述べた。
第十叁章では、「鎌仓殿」に仕える御家人としてのさまざまな职务について、第十四章では、鎌仓幕府を支える基本的な制度であり、御家人が任じられた守护と地头のあり方について、その社会的な役割にも目を向けながら述べた。
第十五章では、独自の财产をもち、地头に任じられることもあった、御家人の妻や娘といった女性たちのあり方について述べた。
第十六章では、鎌仓时代后半の御家人が抱えることになった困难と、鎌仓幕府の灭亡、そして幕府灭亡后の御家人たちの行方について述べた。
本书を通じて、鎌仓时代の武士を始めとする过去の人々やその活动について、またさらに史料を通じて歴史を考えるということについて兴味をもってもらえればうれしいと思う。
(紹介文執筆者: 史料编纂所 准教授 西田 友広 / 2023)
本の目次
一 鎌仓武士とは
二 鎌仓武士の诞生
叁 鎌仓武士の住居
四 鎌仓武士の食生活
五 鎌仓武士の服装
六 鎌仓武士の武装
七 鎌仓武士の合戦
八 鎌仓武士の武芸
九 鎌仓武士の人生
十 鎌仓武士の教养
十一 鎌仓武士の娯楽
十二 暴力と信仰
十叁 鎌仓殿への奉公
十四 守护と地头
十五 女性の地位
十六 鎌仓武士の行方
おわりに
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