ベーシック+ (プラス) 公共経済学 [第2版]
『日本人のいちばん好きなことばは圧倒的に「努力」なんだそうだ。僕なら迷うことなく「自由」を选ぶけどね。』
この本は、小説家の村上春树さんのこんな言叶から始まっています。村上さんの意味するところとは违うとは思いますが、多くの経済学者も「自由」という言叶が好きです。なぜなら、人々の自由な行动こそが経済の発展をもたらし、社会を最适な方向へ向かわせる力を持っていると考えるからです。
ところが、この2年间、「自由」という言叶の対局にある生活を私たちは余仪なくされました。マスクの着用、时短営业、県をまたいだ移动の自粛&丑别濒濒颈辫;さまざまな行动制限を要请されました。
村上さんの言叶に続いて、この本では次のように书かれています。
『しかし、とにかく人々を自由にすれば良いのかというと、当然ながら、そんなことはありません。「自由」では解决できない问题や、「自由」だからこそ発生する问题も存在します。そのような问题に対しては、政府が个人の自由を抑制し、その行动に介入しなければならないこともあります。』
コロナ祸の世界は、まさに、「自由」だからこそ発生する问题に対して、政府が个人の自由を抑制する2年间だったわけです。人々の自由をどこまで保障し、政府はどのような役割を担うべきなのか。これは特に社会科学系の学问にとって主要なテーマの一つですが、この问题を経済学の観点から分析するのが公共経済学であり、この本は、この分野の基础を学ぶためのテキストとして执笔されました。
この本が最初に出版されたのは2015年です。経済は生き物で、それに寄り添う政府の政策も刻々と変わります。その後の状況変化を踏まえ、時代に追いつくための改訂を行ったのが第2版となる本書です。コロナ禍での巨額な財政出動があったので、政府支出や債務残高のデータが大きく変わりました。ビール券や宝くじ、あるいは現金まで渡してワクチン接種を促す政策について、「ワクチンの接種に賄賂が必要だなんて、不愉快ですね」とツイートした感染症専門家の言葉を引用して、なぜ「賄賂」が正しいのかについて考える機会を提供しました。コロナ禍の2021年に国が検討を始めた、通勤時の料金の上げ (とそれ以外の時間の料金の引き下げ) のアイデアを、公共経済学の教えの一つであるピークロード料金の理論と関連付けた説明を加えてみました。他にも、コロナ禍の状況変化に対応する形で、7年前に書かれた内容の一部を改訂しました。
変わった部分もありますが、私たち着者の想いは変わっていません。「自由」な社会を大事にしつつも、それだけでは解决できない问题に対して、公共経済学が政府の役割をどのように考えているのか、それに触れることを通じて、読者の皆さんに経済学という道具を使って考えるきっかけにしてもらいたいという想いです。着者2人が、学生时代に同じゼミの中で享受した、経済学を学ぶこと、経済学を使って世の中を理解することの楽しさが読者の皆さんにも伝わることを愿っています。
(紹介文執筆者: 経済学研究科?経済学部 / 公共政策大学院 教授 小川 光 / 2022)
本の目次
第2章 市场のメカニズム滨
第3章 市场のメカニズム滨滨
第4章 公共财
第5章 最适な公共财供给の実现
第6章 外部効果
第7章 自然独占
第8章 価格规制
第9章 所得再分配
第10章 租税
第11章 年金
第12章 経済の安定化
第13章 财政の持続可能性