自治体现场の法适用 あいまいな法はいかに実施されるか
法律の文言は概して一般的?抽象的に書かれていることが多い。果たして、行政の現場で法律を実際に運用している地方自治体職員は、現実のさまざまなケースを前にして、どのように法を実施?執行しているのだろうか? もちろん、マニュアル等も存在するが、生じうる全てのケースに対応した指示が書かれている訳では無論ない。
本书は、法の実施?执行を担当している地方自治体职员が、抽象的に记述されている法をいかに理解?解釈し、具体化し、适用判断の正当化を试みているのか、自治体间ネットワークという组织间のつながりを轴に、そのメカニズムを分析したものである。
いったん法が成立すると、あとは自动的に适用され、法効果が生じると想像されるかもしれない。しかし、现実の法适用判断は、そのような単纯なものでは决してない。法は一般的?抽象的に记述されている一方、目の前の事例は、具体的?个别的であり、それぞれの背景事情もあるからである。何が法に该当し、该当しないのか、何が遵守であり何が违反なのか、何が行政命令といった権力行使の発动に値するのか。このような判断は、法が制定された直后、まだ先例も确立していない状况で、とくに紧张感を帯びたイシューとして现场职员の前に立ち现れる。
あいまいな法は自治体现场部署によっていかに具体化されるのか。本书では、延べ88名の方々を対象としたインタビュー调査、全自治体部署を対象にした质问票调査、そして补完的にある自治体部署での観察滞在という质?量双方の実証分析を通じて、上记问いにアプローチしている。
ありがたいことに、本書は国内外のいくつかの賞を受賞した (公益財団法人後藤?安田記念東京都市研究所第43回「藤田賞」、国際法社会学会であるInternational Sociological Association, Research Committee on Sociology of Law, Adam Podogrezki Prize)。本書が評価されたポイントとして以下の点があげられるのではないかと (勝手に) 想像している。
1点目は、理论と実証の结合である。本书の理论的分析、特に自治体间ネットワークに関しては、组织社会学の理论モデルに依拠し実証データの分析につなげた。事実をもって事実を语るというスタイルではなく、実証分析の结果を踏まえながら、より一般化された理解を目指す理论の构筑を试みた点は、本书の一つの特徴なのではないかと思っている。
2点目は、インタビューと质问票调査という2种类の実証データの提示である。特にインタビュー引用は自治体职员の生の声が记述されており、乾いた印象を与える量的データとは异なり、リアリティに溢れ読者に诉えかけるものがあるため、おもしろいと言ってくださる方々が多い。インタビュー调査の実施は、もちろん骨が折れる作业もあるが、自分が兴味を持っている现象や人々について直接アプローチできる絶好の机会であり、実际极めて充実した楽しい时间であった。ご协力くださった方々に再度お礼を申し上げたい。
(紹介文執筆者: 法学政治学研究科?法学部 准教授 平田 彩子 / 2023)
本の目次
第1章 分析の视角と理论的背景――现场部署による规制法の执行
第2章 环境规制法とその実施の现场
第3章 法适用の难しさ――困难な场面と対応戦略パターン
第4章 自治体间ネットワークと法の実施――戦略としてのネットワークの机能と作用
第5章 法适用の正当性を求めて――自治体间ネットワークの背景
第6章 おわりに
関连情报
Adam Podogrezki Prize (ISA Research Committee on Sociology of Law 2018年)
* ISA Research Committee on Sociology of Lawは法社会学の主要な国際学会のひとつであり、アダム?ポドゴレツキ賞は若手研究者の卓越した著作に対し、これからの国際的活躍への奨励として与えられるもの
第43回藤田赏受赏 (公益财団法人后藤?安田记念东京都市研究所 2017年)
书评:
片山良太 評「自治体法務を学ぼう!」 (『国際文化研修』Vol. 101 p. 53 2018年秋号)
阿部昌樹 評 (『法社会学』84号 pp. 275-280 2018年)
高村学人 評 (『法律時報』90巻7号 pp.97-101 2018年6月号)
関连记事:
平田彩子「自治体間ネットワークと法の解釈」 (『臨床法務研究』22 pp. 111-118 2019年3月)