大学生のストレスマネジメント 自助の力と援助の力
大学での学生相谈の话をすると「大学生にストレスなんてあるの?」と真颜で闻いてくる一般社会人はたくさんいる。いったん社会に出てしまうと社会人としてのストレスが记忆を涂り替えてしまい、大学时代には梦のような时间だけがあったという幻想が生まれるのかもしれない。実际には、ほとんどの社会人が学生时代にそれなりのストレスを抱えて、何とかしようともがいていたはずだ。ストレスの一部は成长のための必须课题でもあるし、だれにも相谈しなくても乗り越えられたかもしれない。しかし、当事者である学生にとってはひどくつらいこともあるし、结论や答えが见つからないことも多いので、うつ状态になったり、漠然とした不安にさいなまれたりすることもある。
本书の読者として想定したのは、大学に在籍しており、まさに今、大学という教育组织や青年期という発达段阶に络むさまざまなストレスに毎日さらされている人たちである。読者にはまず、何がストレスになるのかをよく知ってもらいたい。本书では章をできるだけ细かく分けて、ストレスを感じる场面や対象を具体的に想像できるようにした。活动范囲が広がり、多くの人たちと会うことになる大学生には、刺激的で面白い体験も増えるが、リスクも増える。入学、进级、就职活动などを契机に、いったん立ち止まって、これからとこの先を考えるために本书を役立たせてもらいたい。また、ストレスにどのように立ち向かうのか、つまり适切なストレス対処法についても本书から学ぶことができる。ただし、何が适切な対処法かは问题の质や个人の特性によって异なるので、各章の「こころの柔らかワーク」を迟颈辫蝉としていろいろ试してもらいたい。また、本书の最终章で述べられているように、个人によるストレス対処よりも、だれかと支えあう関係を构筑することの方がストレスへの対処法として重要になる局面もあるだろう。
笔者らの活动の学问的支柱であり、心理的ストレスやストレスマネジメントなどを研究する领域のひとつが临床心理学である。そのため本书には临床心理学的な要素が随所に反映されているが、友人、恋人、家族、教职员、アルバイト先の人たちなどとのかかわりのなかで、人は青年期にどのように成长するのかという発达心理学的な视点も大切にしながら执笔した。したがって、大学生の体験に即した临床心理学や発达心理学の入门书として本书をとらえることもできる。
しかしながら、心理学にはまだ不明確な領域も多い。そのひとつが2020年のCOVID-19による心理的影響である。筆者が脱稿した2019年には翌年の事態を予測することができなかった。しかし、どのような事態にも本書で解説されている知識は応用できるはずである。読者が本書を通じて、COVID-19だけでなく将来のストレス全般へのレジリエンス (自己回復力) のヒントを得られることを期待している。
(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 石垣 ?麿 / 2020)
本の目次
第1章 新しい生活に入る(石垣?麿)
第2章 学习?勉强とストレス(斋藤宪司)
第3章 課外活動?学外でのトラブル(高野 明)
第4章 友人関係とストレス(斋藤宪司)
第5章 亲とどうつきあうか(石垣?麿)
第6章 恋愛と性をめぐるストレス(高野 明)
第7章 SNS/ゲームとのつきあい方(高野 明)
第8章 非常时!(石垣?麿)
第9章 丧失を超えて(斋藤宪司)
第10章 将来どうする?(石垣?麿)
終 章 支えあう関係へ(高野 明)
関连情报
宮崎圭子 (跡見学園女子大学教授) 評 (『心理臨床学研究』38巻3号 2020年)
奥野光 (二松學舍大学学生相談室) 評 (『臨床心理学』第20巻5号 2020年9月)
福田真也 (明治大学学生相談室) 評「BOOKS ほんとの対話」 (『こころの科学』通巻213号 2020年9月)
サトウタツヤ (立命館大学総合心理学部教授) 評「大学生と接する全ての方が目を通してみてほしい」 (有斐阁『書斎の窓』 2020年7月号)
早坂浩志 評 (『学生相談研究』第40巻1号 2020年7月)