详説世界史研究
高校世界史教科書としてもっとも定評の高い山川出版社の『詳説世界史』(現行世界史B) に準拠して、さらに内容を深く掘り下げ叙述した世界通史。受験参考書としてのみならず、最近では一般教養書としての評価も高い。世界史をより深く学ぶために必読の書である。
これまで親しまれてきたロングセラー『详説世界史研究』を、あらたな執筆陣によって全面的に書き改めた2017年版。近年の目覚ましい歴史学研究の新成果にもとづいて、豊富なコラムと図版を用い、学問的な正確さとわかりやすい叙述を目指して書かれたのが本書の特色である。詳しい通史がペーパーバック一冊にまとまっている点が他の類書にはない特徴であるといえる。受験生にはもちろん、一般社会人の需要にもこたえた信頼に足る世界通史である。
序章「先史の世界」で人类の进化と文明の成立について述べたのち、第滨部ではオリエント?地中海?南アジア?东アジアなどでそれぞれ地域世界が成立するまでの「古代」を扱う。オリエント文明の影响を受けて地中海に成立したギリシア?ローマ世界は、その后のヨーロッパ世界成立の母体となったが、一方で东アジアでは整然とした国家制度が特徴である中华帝国が诞生する。その他ユーラシア大陆に诞生した东南アジア世界、内陆アジア世界、インド世界の成り立ちについても叙述される。
第滨滨部では5~16世纪にかけてユーラシアの各地に成立したいくつかの歴史的世界を概観する。イスラーム世界の成立とヨーロッパ中世世界の成立は、その后の世界史の方向性を定める役割を果たした。
第滨滨滨部では16~19世纪までの近代世界を扱う。ルネサンス、宗教改革とともに幕开けした大航海时代を皮切りに、それまで世界の辺境にあった西ヨーロッパ世界が拡大を开始し、「世界の一体化」が実现してゆく过程を扱う。
第滨痴部では、帝国主义による世界分割の果てに2度の世界大戦が起こり、その后现代世界がどのような経过をたどって今日にいたっているかを叙述する。
古代文明から各地域世界が诞生し、それらの交流と変容をへて近代世界システムが地球上に出现したのち、さまざまな矛盾や问题を生み出しながら今日の世界を形成してゆく流れを、最新の歴史学の研究动向に基づきながら描いたバランスの取れた通史である。随所にカラー図版を豊富に用い、また正规の教科书では扱わないが発展的な理解の助けになるトピックを、多くのコラムにおいて取り上げている。巻末に章ごとの详しい読书案内と索引を付す。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 橋場 弦 / 2021)
本の目次
第滨部
第1章 オリエントと地中海世界
1.古代オリエント世界
2.ギリシア世界
3.ローマ世界
第2章 アジア?アメリカの古代文明
1.インドの古典文明
2.东南アジアの诸文明
3.中国の古典文明
4 南北アメリカ文明
第3章 内陆アジア世界?东アジア世界の形成
1.草原の游牧民とオアシスの定住民
2.北方民族の活动と中国の分裂
3.东アジア文化圏の形成
第滨滨部
第4章 イスラーム世界の形成と発展
1.イスラーム世界の形成
2.イスラーム世界の発展
3.インド?东南アジア?アフリカのイスラーム化
4.イスラーム文明の発展
第5章 ヨーロッパ世界の形成と発展
1.西ヨーロッパ世界の成立
2.东ヨーロッパ世界の成立
3.西ヨーロッパ中世世界の変容
4.西ヨーロッパの中世文化
第6章 内陆アジア世界?东アジア世界の展开
1.トルコ化とイスラーム化の进展
2.东アジア诸地域の自立化
3.モンゴルの大帝国
第滨滨滨部
第7章 アジア诸地域の繁栄
1.东アジア世界の动向
2.清代の中国と隣接诸地域
3.トルコ?イラン世界の展开
4.ムガル帝国の兴隆と东南アジア交易の発展
第8章 近世ヨーロッパ世界の形成
1.ヨーロッパ世界の拡大
2.ルネサンス
3.宗教改革
4.ヨーロッパ诸国の抗争と主権国家体制の形成
第9章 近世ヨーロッパ世界の展开
1.重商主义と启蒙専制主义
2.ヨーロッパ诸国の海外进出
3.17~18世纪のヨーロッパの文化と社会
第10章 近代ヨーロッパ?アメリカ世界の成立
1.产业革命
2.アメリカ独立革命
3.フランス革命とナポレオン
第11章 欧米における近代国民国家の発展
1.ウィーン体制の成立
2.ヨーロッパの再编と新统一国家の诞生
3.南北アメリカの発展
4.19世纪欧米の文化
第12章 アジア诸地域の动揺
1.オスマン帝国支配の动揺と西アジア地域の変容
2.南アジア?东南アジアの植民地化
3.东アジアの激动
第滨痴部
第13章 帝国主义とアジアの民族运动
1.帝国主义と列强の展开
2.世界分割と列强対立
3.アジア諸国の改革と民族運動
第14章 二つの世界大戦
1. 第一次世界大戦とロシア革命
2. ヴェルサイユ体制下の欧米諸国
3. アジア?アフリカ地域の民族運動
4. 世界恐慌とファシズム諸国の侵略
5. 第二次世界大戦
第15章 冷戦と第叁世界の独立
1. 戦後世界秩序の形成とアジア諸地域の独立
2. 米ソ冷戦の激化と西欧?日本の経済復興
3. 第三世界の台頭と米ソの歩み寄り
4. 石油危機と世界経済の再編
第16章 现在の世界
1. 社会主義世界の変容とグローバリゼーションの進展
2. 途上国の発展と独裁政権の動揺
3. 地域紛争の激化
読书案内
索引
関连情报
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