ちくま新书 「超」進学校 開成?灘の卒業生 その教育は仕事に活きるか
ここ10年ぐらいだろうか、名门校として语られることが多い、いわゆる「超」进学校を扱った书籍が次々と出版されている。生徒たちを导いている教员自らの手で、あるいは卒业生やジャーナリストの手によって、学校の内実が详しく绍介されたものである。
以上の书籍を読むと、なるほど、たしかに超进学校の様々な侧面を知ることができる。勉强ばかりではなく、部活动や学校行事も盛ん。生徒たちの自主性が大事にされている等々。しかし、である。おそらく読み手の中には、次のような疑问を抱いた者もいるはずだ――结局、このような学校の卒业生たちは、どのような仕事人生を歩んでいるのだろうか。
试みとして、调査会社のモニターを使って、超进学校卒业生のイメージについて调べたことがある。寄せされた声は、好意的な印象を述べるものが半分、否定的なものが半分。「头がよい」「まじめ」「集中力がある」といった言叶が得られたものの、负けず劣らず多かったのが、「人间関係が不得手」「世间知らず」「打たれ弱い」というものだった。私たちの多くは、彼らの実像を知らないままにいる。
本书は、东西の代表的な进学校として知られる「开成中学校?高等学校」ならびに「滩中学校?高等学校」の卒业生に実施したアンケート调査の分析结果を绍介したものである。両校合わせた回収数1072という贵重なデータを用いて、就业実态の素描のみならず、リーダーとしての可能性、卒业生たちが抱えている葛藤、そして开成?滩両校の违いなどについて検証している。可能な限り幅広い视野から、しかしながら散漫にならないように议论したつもりだが、いずれにせよ、どれほどリアルな姿を描き出すことに成功しているかは、読者の判断に任せたい。
ただ、最后に一つ强调しておきたいのは、超进学校卒业生の働き方を知ることは、日本社会を理解することにもつながるという点だ。彼らが活跃しているかどうか、活跃できているかどうかは、日本がどのような社会であるかということも大きく関係している。たとえば、开成中学校?高等学校の校长、柳沢氏は次のような见方を示している。
これからどうしたらいいかと问われることが多いのですが、
私はリーダーシップをとれる生徒はすでにたくさんいることを知っています。
むしろ、私は社会にこう问いたい。
「リーダーシップの取れる卒业生をどう処遇してくれますか」と。
(『「开成&迟颈尘别蝉;滩式」思春期男子を伸ばすコツ』より)
超进学校卒业生の実像から日本社会と教育の実相を逆照射したいという想いを込めて本书を编んだ。そのようなことを念头に置きつつ、手に取っていただければ幸いである。
(紹介文執筆者: 高大接続研究开発センター 教授 濱中 淳子 / 2018)
本の目次
第1章 超進学校卒業生たちの仕事―全体像と多様性
第2章 リーダーとしての可能性―卒業生たちのソーシャルスキル分析
第3章 超進学校卒業生の葛藤―課される試練
第4章 開成卒業生と灘卒業生は何が違うのか
エピローグ 超進学校卒業生にみる日本の課題
関连情报
UTOKYO VOICES 004: 学歴――素直に教育の意義を問い続ける異色の研究者
高大接続研究开発センター 入試企画部門 教授 濱中 淳子
/focus/ja/features/voices004.html
連載: 平均年収1400万円、「開成?灘」卒業生とは何者か (PRESIDENT 2017年3月20日号)
书评:
井上 修 (中学受験情報誌「進学レーダー」編集長) 評:
イメージと异なる、超进学校の浓密な六年间 (奥别产ちくま 2016年4月26日)