メガシティ メガシティとサステイナビリティ
人类と地球のサステイナブルな未来は、メガシティに大きく委ねられている。21世纪末に100亿人を突破すると言われる世界人口の変化にともない、人口1000万人以上を拥する巨大都市であるメガシティもまた急激に増加しようとしている。メガシティは人口の多さと集中度から、そのもたらすさまざまな负荷はとてつもなく巨大である。
グローバルには温室効果ガスの排出、自然资源?水产资源などの大量消费、海洋汚染、ローカルには大量廃弃物、河川の汚浊、疫病の発生等々、メガシティを笔头に都市は、人类と地球を危机に陥れる张本人として取り扱われてきた。しかしその一方で、都市の诞生は、火の使用、农业の発明に匹敌する人类の文明の重要な画期の一つと见なされる。非都市から人々をひきつけ、教育、福利、安心と安全を提供し、人类の発展に寄与する多数の飞跃的発明?発见も都市が育んできた。
本书は、地球环境问题のひとつとしてメガシティが俎上にのぼる际の现在の通俗的な视点を疑い、人类の长い歴史の中でメガシティの意味を再考しようとするものであり、6巻に渡るシリーズのイントロダクションにあたる。まず、メガシティが向かうべき姿の原则を提示し、そのあるべき姿を达成するためのアプローチが提案される。そこでは、长期ビジョンに基づく「ラディカル?インクリメンタリズム」という考え方、巨大都市のあるべき姿の评価方法である颁厂滨というアプローチ、「都市地域生态圏」という概念、新兴国巨大都市経済のモデルと环境问题の解决策が提示される。また、地球环境とメガシティが生起する问题への介入策として「メガシティ?シナリオベース?アプローチ」、モンスーンアジア都市地域生态圏の巨大都市への介入方法としてスプロール化と高密度化への対処方法がそれぞれ具体的に提案されている。
本书は、メガシティが地球环境に与えるインパクトについて、ゼロから研究を开始し、世界でも类を见ないまったく本质的で独创的な理解と解决策を提示した点や、分析にとどまらず介入策までも提示している点で、他に类を见ない内容となっている。また本书は100人以上の研究者の参加による巨大プロジェクトの成果であるが、个々の研究者の断片と集积ではなく、それらをひとつの方向に统合し、また学术的、启発的な一体化を达成した结果として生み出された点も大きな特徴と言える。
メガシティと地球环境の复雑な関係、その不具合の解决、さらにそれぞれのメガシティが有する特质の育成などに関心のある方には、是非とも手に取って読んでいただきたい。
(紹介文執筆者: 工学系研究科 教授 加藤 浩徳 / 2018)
本の目次
1 総説: メガシティと地球環境をめぐる問題群
2 メガシティとその出现経纬
3 地球環境?経済?社会: 都市を考える3要素
4 メガシティとサステイナビリティ
5 ミクロ介入: ラディカル?インクリメンタリズムの実践
<座談会> 地球の中のメガシティ