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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

表紙に街の景色の写真

书籍名

春秋戦国时代 燕国の考古学

着者名

判型など

264ページ、叠5判、上製

言语

日本语

発行年月日

2017年5月25日

ISBN コード

9784639024859

出版社

雄山阁

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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中国戦国時代の七つの大国、「戦国の七雄」のなかに「燕国」という国があることを知る人は多いだろう。この燕国は紀元前11世紀頃から紀元前3世紀にかけて中国中原の東北、現在の中国の首都である北京周辺を本拠地とした国である。燕国は「戦国の七雄」と称されるように、春秋戦国时代には群雄を代表する大国の一つとなった。しかし、実は燕国について記した文献は決して多いとは言えない。たとえば、前漢時代に司馬遷によって編纂された『史記』では「燕召公世家」という燕国の歴史を記した独立した章が存在しているのだが、そのなかでも西周時代から戦国時代まで燕国のすべての君主とその時代の歴史を詳細に述べているわけではないのである。
 
一方で燕国は東アジアの古代文化の展開に重要な役割を果たしたと考えられている。燕国は春秋戦国时代に勢力を東方へと拡大し、現在の中国東北地方南部(遼寧地域)までを版図に入れた。この燕国の東方への拡大が、中国東北地方だけではなく、朝鮮半島、さらには日本列島にも大きな影響を与えたのである。その最大のものが、当時の中国中原の最先端素材である鉄で作られた製品のこれらの地域への流入と普及である。つまり、これらの地域の鉄器時代開始のきっかけを作ったのが燕国であった。しかし、上でも記したように燕国に関する文献は少ない。この燕国の東方への拡大についても、断片的な文献の記述を根拠にして、紀元前300年頃に燕国の将軍が中国東北地方南部に攻め込んでなされたものだろうと漠然と想定されてきたに過ぎなかった。このように、燕国の歴史を語る際には常に文献による記録の不足が大きな問題となってきた。ところが、20世紀後半以降の中国における考古学的調査の進展が状況を変えている。燕国に関連する数多くの遺跡や遺物が発見され、今日では文献の不足を補って余りある状況となっているのである。
 
本書ではこのような状況を踏まえ、燕国に関する遺跡や遺物の調査成果をもとに、春秋戦国时代の燕国の歴史、そして燕国の東方への拡大の様相を考古学の視点から論じた。本書は第I部と第II部で構成されている。第I部では、春秋戦国时代の燕国の青銅器、日常生活用の土器、副葬用の土器、「明刀銭」という貨幣、鉄器をそれぞれ取り上げて、これらの遺物の変遷過程や特徴などを述べた。春秋戦国时代の燕国の物質文化を総合的に論じた研究は本書が初めてである。
 
そして第滨滨部では、第滨部で示した各种の遗物の変迁过程を年代の「ものさし」としながら、中国东北地方南部で最近発见が相次ぐ燕国関连の遗跡や遗物を考古学的方法で考察することにより、この地域への燕国の拡大の年代と様相を明らかにした。本书では、燕国とその文化の东方への拡大が、これまで想定されてきたような纪元前300年顷に一気になされたものではなく、その200年ほど前の纪元前6世纪后半顷から燕国の文化が中国东北地方南部に流入しはじめ、それに伴って在地社会が徐々に変容することにより进行したという新たな燕国の歴史像を提示している。
 
本書は、遺跡や遺物を考察するという考古学的な方法を使って春秋戦国时代の燕国の歴史を記したものである。そのため、春秋戦国时代の有名な歴史上の人物がほとんど登場しないなど、一見地味な内容であるかもしれない。しかし、本書を執筆するにあたっては、物証をもとに、文献には記されていない歴史のダイナミクスを描くことを目指した。中国の古代に興味がある方はもちろん、鉄器文化の流入という燕国からの大きな影響を受けた朝鮮半島、そして日本列島の古代文化に関心のある方にもご一読いただきたい。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 助教 石川 岳彦 / 2017)

本の目次

序 (宮本一夫)
序 章 
第I部 春秋戦国时代の燕文化の編年と特質
第1章 燕国青铜器の编年
第2章 燕国の日用土器の编年
第3章 燕国副葬土器の编年
第4章 明刀銭の年代の再検讨
第5章 燕国における鉄器の出现と普及
第6章 燕文化の独自性をめぐって

第滨滨部 燕国の辽寧地域への拡大をめぐって
第7章 辽西における燕国の进出の年代とその様相
第8章 辽东における燕国の进出の年代とその様相
終 章
 

関连情报

书评:
中村大介 2017「書評 石川岳彦著『春秋戦国时代 燕国の考古学』」『考古学研究』第64巻第3号
 

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