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ノーベル平和赏が问いかける纷争鉱物と日本の関係 コンゴの人権危机と日本の消费者とのつながりを研究する

掲载日:2018年11月16日

コンゴ東部イジュウィ島のタンタル鉱山で採掘する労働者。© 2018 アジア太平洋資料センター

今年のノーベル平和赏は、纷争下の性暴力の问题に果敢に取り组んできたヤジディ教徒のナディア?ムラドさんと、コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)のデニ?ムクウェゲ医师に授与されることが决まりました。

纷争に悩まされるイラクやコンゴから何千キロも离れた日本のメディアも、日本人がノーベル赏を受赏した时の盛り上がりと比べると控えめではあるものの、このニュースを大きく取り上げました。

政策ビジョン研究センターの華井和代講師 ©2018 東京大学

しかし、このニュースを受けて、日本の一般市民は何か具体的な行动を起こしたでしょうか?国连の职员が『世界のレイプの中心地』と呼んだコンゴの人権危机について、一般市民が自分たちの生活と関わっているかもしれないことを意识し、危机の终结もしくは缓和に向けて动くためにはどうすればよいでしょうか?

东京大学政策ビジョン研究センターの华井和代讲师は常にこのような问题意识を持ってきました。华井先生はコンゴの鉱物取引、特にタンタル、スズ、タングステン、金の取引に関与する数多くのステークホルダー间のつながりについて研究しています。これらの鉱物はコンゴ国内の武装势力や军による纷争や鉱山地域に住む人々への暴力と関係しています。

特に、携帯電話などの電子機器からロケットやミサイルまで、ありとあらゆる機械の部品に使われるレアメタルであるタンタルの全世界の埋蔵量の多くはコンゴにあると言われています。 華井先生は任意団体「コンゴの性暴力と纷争を考える会」(ASVCC)の副代表も務めており、ムクウェゲ医師の2016年の来日の実現にも尽力しました。ムクウェゲ医師はその際、東大などで講演しています。

当时、すでにノーベル平和赏の有力候补としてメディアの注目を集めていたムクウェゲ医师は力强い口调で、コンゴの性暴力は武装势力间の争いや、天然资源をめぐる暴力的な覇権争いと密接に関连していると诉えました。

「戦争の武器」としての性暴力

「纷争フリー」の认証を受けた鉱山でも、鉱石の取引価格が下落するという问题に直面しています。&肠辞辫测;2018アジア太平洋资料センター

1999年のパンジ病院设立から约20年にわたって、ムクウェゲ医师は性暴力を受けた女性、少女や时には乳児に対して何万という手术を行ってきました。性暴力は、被害者の体を物理的に大きく伤つけて被害者本人に恐怖を植え付けるだけでなく、彼女らの家族やコミュニティを破壊するための「戦争の武器」として使われている、と2016年10月の伊藤谢恩ホールで行われた讲演でムクウェゲ医师は话しました。

「世界経済は天然资源を必要としていますが、それらの资源は最贫国から来ています。资源の开発は性暴力と组织的に结びついています。性暴力は性的な欲求から来るものではありません。テロリズムの一种なのです」。

华井先生はその时のムクウェゲ医师のスピーチに深く感铭を受けたと振り返ります。

「彼の芯のゆるがない强さに心打たれました。被害者たちはあまりにも残虐なことをされ、そのあとムクウェゲさんのところに运ばれて行って手术やケアを受けています。被害者たちの体験を闻いていると、人间に絶望してしまうような话が出てくる。でもそのまっただ中にいて、この状况を変えられると信じている。その强さはどこから来るのか、と思いました」。

実は、コンゴの鉱物取引をめぐる状况は2010年以降、大きく変化しています。同年、経済开発协力机构(翱贰颁顿)は鉱物调达の际に纷争に関わった鉱物を排除するよう公司に求めました。しかし、公司に本当の変化を促したのは同年米国で成立した金融规制改革法(通称ドッド?フランク法)1502条でした。この法律によって米国上场公司は自らのサプライチェーンを调査し、纷争の资金源にならないよう努力していることを米国証券取引委员会に报告するよう义务付けられました。

希少金属であるタンタルが抽出される鉱石コルタン &肠辞辫测;2018アジア太平洋资料センター

現在、武装勢力や軍などの関与がない、児童や妊婦の労働を伴わない、など、ある程度の基準を満たすコンゴの鉱石は認証を受け、「紛争フリー」というタグが付けられています。 日本には紛争鉱物に関する法規制はありませんが、米国の上場企業と取引する日本企業は米国法に対応する必要があります。

しかし、このことによって、日本では、产业界がコンプライアンス上の要件や社会的责任について非常に敏感になった一方、サプライチェーンの最下流にいる一般消费者はコンゴの状况や自らが间接的にせよコンゴの纷争にどのように関与しているかについて全く知らない、という状况を生み出した、と华井先生は话します。日本のメディアも同じで欧米のメディアに比べるとコンゴの报道は极めて少ない、と危机感を募らせます。

「一般市民の认识という点で、日本は世界の10周、周回遅れだと感じます」と华井先生。「グローバル社会に必死について行こうとしているのは公司だけで、消费者とメディアは完全に取り残されています」。

取引规制后も続く问题

国际的なモニタリングが始まり、今では武装势力はコンゴのスズ、タンタル、タングステンの鉱山の80パーセント以上から撤退しました。そのこと自体は大きな改善だと华井先生は评価しています。

それにもかかわらず、市民に対する性暴力は今でも频発していると専门家は指摘します。国连人口基金によると、コンゴの纷争地域における性暴力の件数は2016年の2593件から2017年の5783件に急増しました。その要因については専门家でも意见が分かれていますが、2015年以降、武装势力の数はむしろ増えていると话す华井先生。鉱山から闭め出され资金源を失った武装势力が细分化したことで増えました。现在は道路を石でブロックして车から通行税を取るという形で日銭を稼いでいると先生は话します。

さらに、加害者は武装势力のメンバーだけではなく、警察や国军のメンバーにも広がっているとのこと。

支援する女性と谈笑するデニ?ムクウェゲ医师(映画「女性を修理する男」より)

「武装势力の兵士は政府に降伏したあと、国を守る侧に回れ、ということで再教育を受け、国军に统合されました。しかし、この再教育プログラムは彻底されていないので、彼らの行动は変わっていないのです」。

さらに、住民の生活が悪化していることも大きな问题です。鉱山に近いある村では、鉱物取引の规制が始まった后に乳幼児の死亡率が1.4倍に増えたという调査结果があります。原因として、先生は地元住民の生计手段の欠如を挙げます。「鉱物取引が透明化されたのはよいことですが、どうやって地元の住民が生计を立てられるかを考えなければいけない段阶に来ています」。

コンゴの鉱物取引と纷争との関係を研究するのに加え、市民団体の活动も続けたいと话す华井先生。まもなく日本でも基金を立ち上げ、市民がムクウェゲ医师の活动を直接支援できるようにしていきたい、と语ります。

「コンゴの状况を日本から変えようとするのは非常に难しい。でも、ムクウェゲさんがいるお阴で、私たちも问题解决に向けた支援ができる。そういう意味でもムクウェゲさんの存在はとても大きいのです」。

取材?文:小竹朝子

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