参加型「ポスト开発」を実现するグルの影响力
このシリーズでは、未来社会协创推进本部(贵厂滨)で「登録プロジェクト」として登録されている、国连の持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)に贡献する学内の研究活动を绍介していきます。
FSIプロジェクト 033
东洋文化研究所の池亀彩准教授が10年ほど前から研究しているのは、インドの“グル”と呼ばれる宗教リーダー。「多くの人がグルと闻いて连想するのは、サイ?ババやマハリシといったグローバルな活动をしていた人たちかもしれませんが、インドには宗派ごと、地域ごと、それからカーストごとにたくさんのグルがいて、それぞれの地域社会で大きな影响力を持っているのです」と池亀先生は説明します。中には、貧しくて教育を受けられない子どものために学校を経営しているグルや、病院を設立して無料で医療を提供しているグル、被差別民として虐げられてきたダリットの人たちの人権運動を指導するグルなど、宗教活動以外のところでさまざまな慈善活動を行っているグルも少なくないといいます。
池亀先生がカルナータカ州で出会ったグルは法廷を持っていて、毎週月曜に行われる裁判では地域で起こったもめごとを解決する媒介者の役目を果たしていました。 「鉄鉱石を採掘している鉱山会社の周辺地域では、トラックが頻繁に行き来して危ないので舗装して欲しいと訴える住民と、政府の許可がおりないので勝手に舗装できないと主張する鉱山会社の話をグルが聞いていました。その場でグルが政府の土木担当者に電話をかけると、半年待ちと言われていた道路の舗装許可が2日でおりたのです。その影響力の大きさに驚かされました」と池亀先生は語ります。
开発途上国への援助を考えるとき、援助侧が主导権を握る従来のトップダウン型支援ではなく、地域社会の人々が自らの生活基盘を维持?向上しようとする动きを助ける参加型?ボトムアップ型の「ポスト开発」の必要性が指摘されています。そのとき、グルを中心としたインド社会を见つめてきた池亀先生の研究は、开発支援のやり方に适切な筋道を示す道しるべの役割を果たしているのです。
このプロジェクトが贡献する厂顿骋蝉
池亀 彩 准教授 | 东洋文化研究所