国际研究集会「日记史料の可能性―日?韩の事例から―」を开催
2020年1月15日(水)、史料编纂所主催、慶北大学校嶺南文化研究院?慶北大学校史学科BKプラス事業団共催により、国际研究集会「日记史料の可能性―日?韩の事例から―」を开催しました。
主催の史料编纂所は、平安時代から明治維新期にいたる各種の日記史料を研究?編纂してきました。その成果は、『大日本古記録』(既刊144冊)や『大日本近世史料』『オランダ商館長日記』などのシリーズとして刊行中です。共催の慶北大学校嶺南文化研究院は、両班文化の花開いた韓国の慶尚道(嶺南)に所在し、地域に伝存する数多くの史料の調査研究を進めています。現在は朝鮮時代の日記史料に注目したプロジェクトを遂行中で、日本における日記史料の研究状況について学び、意見交換をおこないたいとの要望がありました。史料编纂所もこれまで様々な形で韓国との研究交流を進めてきましたが、韓国の日記史料についての知見を得る良い機会と考え、今回の国際研究集会の開催へと結びつきました。
研究集会(於:伊藤国際学術研究センター特別会議室)は、第1部「日本の日記」、第2部「韓国の日記」、第3部「総合討論」の3部構成で進められました。第1部では、尾上陽介教授(史料编纂所)「古代中世の日記史料について」、杉森玲子准教授(同)「近世日記史料の編纂と研究―「斎藤月岑日記」を中心に―」、箱石大准教授(同)「明治維新史研究と日記史料」の3報告がありました。日本における日記史料の概要や研究状況、史料编纂所所蔵品の特徴、編纂事業やデータベース化への展開など、基本的な情報がコンパクトに提供されたのはもちろん、報告者それぞれの研究蓄積をもとに、興味深い話題が満載の報告でした。
&苍产蝉辫; 第2部では、李廷喆氏(岭南文化研究院専任研究员)「朝鲜时代日记の内容と形式に関して」、金贞云氏(同)「朝鲜时代の日记资料と研究动向」、金鹤洙氏(韩国学中央研究院古典翻訳学科教授)「赵克善の『忍斋日録』を通してみた互恵と协同の共同体文化の可能性诊断」、申周燁氏(庆北大学校史学科博士课程)「朝鲜时代の国家仪礼と日记」の4报告がありました。朝鲜时代の日记史料の概要(时代别?笔者别?内容别による分类など)や研究动向、仪礼史料と日记との関わりについてなど、多彩な报告がなされました。事例绍介も面白く、朝鲜时代の日记から窥える地域社会の様相であるとか、日记记主は何を书き残すべきと考えていたかなど、日本の日记を考える上でも示唆に富む指摘が多くありました。
&苍产蝉辫; 韩国では日记史料研究が1990年代以降に本格化したということで、现在では年间数十本の専论が公表されているとのことです。残存史料としては14世纪以降のものがあり、现在までに4000件余が确认されているそうです。しかし「日记」をどう定义づけるかが课题で、「仪轨」に含まれる仪礼の手顺を日ごとに记した部分や、回顾録の类も含めるのかといった点に头を悩ませており、第3部の総合讨论や终了后のレセプション(於:鲍罢カフェ)では、日本の日记研究の成果に学びたいとの期待が述べられました。また互いの报告を闻き、日韩双方の参加者から、「共通点が多いが相违点もあり、とても参考になった」との声が闻かれ、今后も研究交流を継続していくことが约されました。研究集会には、韩国からの23名(うち大学院生10名)を含む、37名の参加がありました。
(報告する尾上陽介氏<東京大学史料编纂所>)
(报告する金贞云氏<韩国:岭南文化研究院>)
関连书籍
東京大学史料编纂所 編『』 (東京: 岩波書店、2018.4年) ISBN: 9784000099868