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『Education and International Development, 2000-2020』は、主要な政策文書に解釈的なアプローチをとることで、新千年紀の国際教育政策の背後にある思想的推進力への理解を深めるものである。言説分析を用い、2000年から2020年にかけて、この分野で最も影響力のある機関、特に世界銀行や国連機関によって作成された主要な政策報告書が検証された。その結果、国際教育政策は、国際開発推進における教育のビジョン、プロセス、成果を説明する壮大なナラティブとして、言説的に構築されていることがわかった。しかし本書は、国際教育における課題を構築し解決策を見出すための、過度に単純化された画一的なアプローチが、この分野の政策実践に浸透している支配的なリベラル?モデルを危うくしたと論じる。具体的には、国際政策領域が経済的自由主義に基づいた考え方に支配されていたと分析している。
 
本书は、国际教育のリベラル?モデルの中で前提とされる调和に疑问を投げかけ、より狭い市场の関心と结びついた、人间の完全性とリベラルな経済的理想という広范な概念を探る。その分析からは、一连の理论的论争、すなわち、経済的善としての教育か社会的善としての教育か、その过程における人间化と対照的な位置づけにある市场化の相対的な利益とはなにか、そして、実施された政策が结局のところ教育を商品化したのか、あるいは教育を受ける権利の渐进的な実现を可能にしたのかという议论をめぐる壮大なナラティブが浮かび上がってくる。国际教育のリベラル论は、これらの二项対立の前者を参照することによって构成されるが、后者はリベラルな教育モデルに対する批判的视点と结びついている。本研究で検讨される国际教育政策の実践を支えているのはこのリベラル?モデルであり、その前提は多くの精査と批判的考察に値するものである。公的な报告书や演説に言説的アプローチを适用することで、これらの政策文书と関连するリベラルな教育モデルの背后にある信念が明らかになる。その结果、国际教育のリベラル论の批判的评価が可能となり、この背后にある前提には欠陥があり、早急な対応が必要だと考えることができる。
 
リベラルな教育モデルの詳細な分析を通じて、本書は一連の理論的、方法論的、実証的な貢献を果たしている。すなわち、本書は、公共政策や外交政策研究に言説的アプローチをとることの論拠の確立に寄与し、公共政策のジレンマの調査においてユニークで解釈的な言説分析手法を提示することで、国際関係研究における言説分析の価値を示し、国際教育における一見解決不可能な問題、すなわちリベラルな教育モデルに潜む経済?市場ベースの緊張の中で、貧しい国々に質の高い学習への平等なアクセスを提供するという課題の弱点と可能な解決策を特定し、そして、あまり繁栄していない国々の人々の幸福と安全を改善するための政策提言を強調している。そして本書は、コロナウイルス感染症 (Covid-19) への現代の国際教育政策の対応が、2000年から2020年の間に確認された、教育のより自由主義的な市場経済モデルへの流れを強調する傾向があると考察して帰結する。より具体的には、オンライン学習への対応は、グローバルな教育テック企業の利益を支援する流れとなり、その結果、経済自由主義と整合する教育モデルの一般的な側面が強化されていると指摘する。
 

(紹介文執筆者: グローバル教育センター 特任講師 Ian Wash / 2024)