
书籍名
Radionuclides in the Marine Environment Scientific view on the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station Accident by 7 oceanographers
判型など
370ページ、叠5判、并製
言语
英语
発行年月日
2023年5月26日
ISBN コード
978-4-904074-76-3
出版社
筑波大学出版会
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、東京電力福島第一原子力発電所 (以下、福島第一原発) に深刻な原子力事故を引き起こしました。地震による津波で原子炉冷却システムが浸水し、津波による停電で3基の炉心が溶融しました。結果として、炉内の放射性核種が大気中に放出され、高濃度の放射性核種を含む水が港湾を通じて海洋に流出しました。
大気に放出された放射性核种は数週间以内かけて北半球全域に拡散し、その后、それらの大気中での浓度は急速に低下した一方で、海洋に流出した放射性核种は、事故から10年以上経った现在でも検出されています。これは、海洋の流速が大気中の风速よりも约2桁低いことに加えて、海水中での放射性核种の滞留时间が数十年に及ぶことに起因します。
比较的海水中に溶けやすい放射性セシウムの场合、福岛第一原発周辺に流出した后、黒潮続流に乗って北太平洋を东に移动し、约3年后にはアメリカ西海岸へ、その后北上し、6年后にはアラスカ湾を通ってベーリング海东部へ、さらにその2年后には、一部が北极海に流出し、一部はベーリング海西部から北西太平洋へと回帰しています。このような半球レベルでの放射性核种の移流?拡散过程は、多くの国々の関心を集めていますが、その适切な理解のためには、様々な时间?空间スケールでの情报を、科学的な视点から矛盾なく繋ぎ合わせる必要があります。
本书では、海洋を主な研究フィールドとして活跃する7名の着者が、主に事故后の10年间に国内外で発表された300编を超える论文をレビューし、得られた知见に新たな解析结果を追加して议论を重ね、海洋における事故由来の放射性核种の动态について、海水、堆积物、生物、モデルなどの分野に分けて科学的に総括しています。参考としたそれぞれの论文では、対象とする问题を緻密に议论していますが、事故が海洋环境に与えた影响の全体像を浮き彫りにするには、それらを海洋学的な観点で俯瞰することが重要です。
この紹介文を書いている2024年現在、福島周辺海域ではほぼすべての魚種の出荷が再開されるなど、水产业の復興が着実に進んでいる一方で、福島第一原発では、施設内で発生した汚染水から放射性核種を除去した「処理水」の段階的な海洋への放出が開始されており、漁業者や国際社会での新たな懸念材料となっています。2023年5月に出版された本書では処理水の海洋放出についてはほとんど扱っていませんが、放出が海洋環境に与える影響が極めて小さいことは、本書から読み解くことができるはずです。
本书を通じて、福岛第一原発事故后の海洋で何が起こり、何が问题だったのか、そして、きれいな海を守りながら利用していくために、どのような観点で监视すべきなのかを、今一度考えるきっかけになれば幸いです。
(紹介文執筆者: 大気海洋研究所 准教授 乙坂 重嘉 / 2024)
本の目次
Michio AOYAMA
Chapter 1: Overview of the TEPCO Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident and global distribution of artificial radioactivity before 2011
Michio AOYAMA and Yayoi INOMATA
Chapter 2: Ten-year long-range transport of radiocaesium in the surface layer in the Pacific Ocean
Michio AOYAMA, Yuichiro KUMAMOTO and Yayoi INOMATA
Chapter 3: Radiocaesium in the ocean interior as mode waters in the North Pacific
Hideki KAERIYAMA, Michio AOYAMA and Yuichiro KUMAMOTO
Chapter 4: Transport of radiocaesium from the North Pacific Ocean into the Japan Sea via the Eastern China Sea via an unrecognized shorter transport route
Yayoi INOMATA, Michio AOYAMA and Shigeyoshi OTOSAKA
Chapter 5: Radiocaesium and other radionuclides in the coastal region of Fukushima
Michio AOYAMA, Hideki KAERIYAMA and Daisuke TSUMUNE
Chapter 6: Radiocaesium in the seabed sediments off Fukushima
Shigeyoshi OTOSAKA, Daisuke TSUMUUNE and Michio AOYAMA
Chapter 7: Radio-caesium behaviour in marine organism before and after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station Accident
Yutaka TATEDA, Hideki KAERIYAMA and Michio AOYAMA
関连情报
帰山秀樹、熊本雄一郎、青山道夫「西部北太平洋の海洋内部における放射性セシウム分布の長期変動」 (Japan Geoscience Union Meeting 2023 2023年5月24日)
青山道夫「東京電力福島第一原発事故に由来する放射性物質の北太平洋での10年間の挙動」 (Japan
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