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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙、地図のイラスト

书籍名

ドイツ国民の境界 近现代史の时空から

着者名

水野 博子、 川喜田 敦子 (編)

判型など

320ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2023年11月

ISBN コード

978-4-634-67258-1

出版社

山川出版社

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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「ドイツ」とは何か。「ドイツ国民」とは谁か。ドイツ语圏の歴史を振り返れば、「ドイツ」という领域、「ドイツ国民」という集合体が决して固定的なものではなく、伸缩自在で可変的であり続けてきたことはおよそ自明であるといえる。〈革命―二度の世界大戦―ナチズム―冷戦―新自由主义―グローバル化〉と続く激动の近现代史において、ドイツ语圏は、民众蜂起、マイノリティの抑圧、强制移住、纷争?戦争、大量虐杀を経験し、そのなかで「ドイツ」と「ドイツ国民」を规定する様々な境界が创り出されてきた。
 
多くの地域で国民国家の実现が追求された近现代という时代にあって、しかし、ヨーロッパに広域的に広がっていたドイツ语话者が国民としてひとつにまとまる社会、あるいはそれを基础とする国民国家が形成されることはついになかった。それゆえにこそ、ドイツ语圏ではめざすべきまとまりを构筑するための「境界」がよりいっそう先鋭に问われ続けてきたといえよう。
 
本书は、この「境界」という概念を手がかりに、ドイツ语圏の激动の近现代史を新たにとらえ直そうとするものである。そこでは、二つの相互补完的な问いからのアプローチが求められる。一つは、境界がどのように生成し、社会の分化?分断を固定化させることになったのかという动态的侧面を重视する问いである。もう一つは、いったん定着してしまった后の境界の静态的侧面、すなわち境界がどのような场面で政治的、経済的、社会的、文化的に作用したのかという问いである。
 
本书の各章では、ドイツ语圏における「境界」の动态的侧面―生成―と静态的侧面―作用―が具体的な事例をもとに検讨され、「多层性」や「曖昧性」、「排他性」と「包摂性」という境界の様々な特性が表出する场面とその背后にある论理がそれぞれの歴史的文脉に沿って描出される。これは、伸缩自在で可変的な「ドイツ」という「境界」を生きた人々の歴史に接近する试みであり、「国民国家」を思考の前提とするのではなく、むしろ国家の存在を所与のものとしない、それ自体复数のドイツ人、ドイツ国民の社会や思想の歴史を追う试みである。
 
今日のヨーロッパでは、グローバル化のなかで移民?难民が流入し、その受け入れをめぐって社会的?国民的な境界が问われる事态が起きている。ロシアのウクライナ侵攻もまた境界を问うことの必要性をわれわれに提起する。境界线の引き直しによって纷争に巻き込まれた人々が住み惯れた生活空间を追われ、これらの人々を受け入れる社会の侧もまた変容を迫られるからである。ドイツ语圏の経験は、今日ヨーロッパに起きている戦争、各地に蔓延する闭塞感、排他的な世论の高まりの渊源を考え、それらの今日的课题をどう乗り越えるかを议论するための手がかりになるだろう。それは、二一世纪の日本に暮らす私たちに投げかけられた问いでもある。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 川喜田 敦子 / 2024)

本の目次

第滨部 社会的差异の近代
第1章 市民社会の境界
 ――叁月前期ドイツにおける「プロレタリア」言説から 山根彻也
第2章 「ふさわしい貧者/ふさわしくない貧者」の概念史
 ――一九世纪前半の「社会问题」にみられるキリスト教的规范と市民的规范 平松英人
第3章 「赦し」から「予防」へ
 ――近代ドイツにおける釈放者扶助の変容 佐藤公纪
第4章 ヴァイマル末期における「赤い伯爵」と労働者世界
 ――「下からのドイツ」をめぐって 今井宏昌
 
第滨滨部 分断と排除の人种空间
第5章 「人種」と「民族」のルーツを探る
 ――ドイツにおける人类学および考古学の诞生 磯部裕幸
第6章 スイスにおけるユダヤ人の国民意识
 ――「同化」の解釈とシオニズムへの対応 穐山洋子
第7章 褐色のウィーン
 ――〈人种?ネイション〉期のユダヤ迫害と〈生〉の歴史 水野博子
 
第滨滨滨部 変容するドイツ/ドイツ人
第8章 「帰国」するドイツ人
 ――第一次世界大戦下の东欧支配の论理とドイツ人意识の可塑性 伊东直美
第9章 移动する人々と国民の轮郭
 ――占领期から西ドイツへ 川喜田敦子
第10章 东ドイツという境界
 ――「ナショナル?コミュニスト」としてのヴォルフガング?ハーリヒ 伊豆田俊辅
第11章 空袭记忆に见る越境的な想起文化
 ――ギルヒング空袭记念碑を手がかりに 柳原伸洋
第12章 ドイツの刑事警察?犯罪学とシンティ
 ――二〇世紀におけるエスニック?マイノリティの発見、捕捉そして迫害 パトリック?ヴァーグナー (猪狩弘美、石田勇治訳)

関连情报

书评:
森田直子 評「近現代史ドイツ語圏に関する質の高い歴史研究 複数の章の視角や分析が「境界」という共通のコンセプトで見事に貫かれた学術論文集」 (『図書新聞』3642号 2024年6月1日)

 
割田聖史 評「「境界」から照らし出す試み 日本におけるドイツ近現代史研究の現在地」 (『週刊読書人』 2024年3月8日)

 
合评会:
水野博子/川喜田敦子編『ドイツ国民の境界――近现代史の时空から』(山川出版社、2023年) 合評会 (現代史研究会 青山学院大学 2024年11月30日)

水野博子/川喜田敦子編『ドイツ国民の境界―近现代史の时空から―』山川出版社 (第47回ドイツ現代史学会 九州大学 2024年9月29日)
 
『ドイツ国民の境界』書評会 (東京大学ドイツ?ヨーロッパ研究センター (DESK) 主催、東京大学大学院総合文化研究科グローバル地域研究機構 (IAGS) 共催、東京大学 2024年7月21日)

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