东京时影 1964/202齿
本书の元となったのは、2019年厂セメスターに开讲した表象文化论コースの大学院のゼミである。2020年の东京オリンピック?パラリンピックを控え、最初のオリ?パラが开催された1964年の东京と、现在の东京がどのように変化したかを、文学、美术、建筑、音楽、漫画、写真、演剧といったそれぞれの文化ジャンルにおいてリサーチすることがゼミの目的だった。つまり、データやエビデンスに基づいた现実の都市の変化よりも、人々が抱く东京という都市のイメージの変化を辿ろうとしたのだ。リサーチの成果を参加者各自に论文にまとめてもらい、それを论集として刊行しようかと考えていた顷、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によってオリ?パラそのものが延期となった。言うまでもなく私たちが暮らす东京もまた、その相貌をすっかり変えてしまい、ゼミのリサーチによって明らかになった东京のイメージは「コロナ前」のものになってしまった。お祭り騒ぎに乗じる気持ちなどなかったとはいえ、いささか楽観的だったゼミでの二つの时代の东京の比较分析は、もはや有効ではないと感じられたため、日常生活が一时停止を余仪なくされたこの特别な期间、この「宙吊りの时间」にしかとりえない视点から、もう一度、1964年と2020年の东京を考え直し、都市东京を舞台とした复数の歴史と现在とを记録することにした。ゼミは授业の枠を超え、オンラインで継続され、议论が続けられることとなった。そうした状况下で执笔されたため、各论考には、リサーチの成果だけでなく、コロナ祸中の执笔者の主観的な感情――とまどい、怒り、悲しみ、忧鬱――が阴に阳にあらわれている。
本书には音楽、マンガ、映画、写真、建筑、文学、演剧を扱った14篇の论考が収められているが、ジャンルを跨いだ议论が展开されることも多い。「歩くこと」や「动物」という个别のテーマで书かれた论考や、赤瀬川原平のような多面的な作家にフォーカスしたモノグラフィ、さらには、伝説の舞踏家?土方巽と安保闘争で命を落とした东大生?樺美智子との実际には起こらなかった出会いを通して东京の姿を描こうとした実験的なエッセイも含まれており、表象文化论にしかできないアプローチだと言える。
タイトルの「东京时影」には、忘却の影に消えつつある「宙吊りの时间」の痕跡という意味が込められている。パンデミックがある程度の収束を迎え、新しい生活様式が定着した「コロナ后」の现在、本书に漂う紧张感やとまどいは、もう过去のものに感じられるかもしれない。想定外の出来事もひとたび起こってしまえば、惯れてしまう。非常事态のなかで、束の间、露呈した都市の矛盾、痛み、悲しみの记録として読んでいただければ幸いである。
(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 桑田 光平 / 2023)
本の目次
序──「東京と」|田口 仁
Part I 动
歩くこと──「人间の尺度」の回復|桑田光平
われら内なる動物たち──寺山修司、ダナ?ハラウェイ、AKI INOMATA|田口 仁
Part II 时
Waves From A Seaside City in 1964──サーフィン、GS、City Pop|田口 仁
都市のレイヤーを描く──マンガの中の東京、その地下|陰山 涼
半醒半睡のシネマトグラフ──映画における東京と眠りの共同体について|高部 遼
「壁」景から「窓」景へ──写真表现における东京を见る人の表象をめぐって|西川ゆきえ
無柱のメカニクス / かたちのポピュリズム──フラー?山田守?坪井善勝?丹下健三|吉野良祐
东京肉体拾遗──ボクシング、ミステリー、水|伊泽拓人
失踪者のための回路──都市における失踪表现の変迁|小林纱由里
Part III 标
赤瀬川原平の楕円幻想|桑田光平
ガールたちの无自覚な反乱──源氏鶏太と爱と叠骋|平居香子
ジオラマ都市のカタストロフ──ゴジラが去ったそのあとに|吉野良祐
Part X 梦
捏造のランデブー──樺美智子と土方巽|平居香子
あとがき|吉野良祐&苍产蝉辫;
人名索引 / 事項索引 / 図版一覧 / 執筆者紹介
関连情报
大村紋子 評「宙吊りの時間を記憶にとどめる、記憶の時間を宙吊りにする」 (建築討論|日本建築学会 2023年6月16日)
书籍绍介:
新刊紹介 (REPRE|表象文化論学会 49号 2023年10月)