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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

ターコイズブルーの表紙にブランコに乗る人のイラスト

书籍名

认知症社会の希望はいかにひらかれるのか ケア実践と本人の声をめぐる社会学的探求

着者名

判型など

284ページ、四六判

言语

日本语

発行年月日

2020年8月30日

ISBN コード

9784771032934

出版社

晃洋书房

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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実は、当初の仮タイトルは「認知症をめぐる包摂と排除」でした。これは、第1章の章題でもあり、率直に言うと、現在のタイトルよりも本書の内容を忠実に示しています。現在、認知症と呼ばれる人たちは、どのような存在として医学や介護実践の中で理解されてきたのか、またどのように排除されてきたのか、包摂はなされたのか。本書総論にあたる第1章では、「痴呆」や「呆け」などの表現で、この問題が認識され始めた1970年代から出発して、「認知症」となっていった2000年代以降の、認知症の理解と包摂のあり方を三つの流れに整理しました (第1章の4節参照)。そして、以降の章では、その三つの流れでの理解と包摂のあり方が、実際の認知症ケア実践や当事者運動がなされる場にいかなる課題をもたらすのかを描いていきました。
 
他方で、実際のタイトルは「認知症社会」「希望」「ひらかれるのか」という、学術的な言葉からやや離れた言葉から成っていて、「これから何が起こりうるか」を問うニュアンスとなっています。こうしたタイトルにしたのは、現在、認知症をめぐって当事者をはじめとして多くの人たちが、新たなチャレンジを始めており、その勢いの中で私が本書を書いていたからです。本書の作業自体は、認知症に関して「これまで起こってきたこと」を記述し整理するものですが、それをふまえて、現在、実践している人たちの未来に向けた何かを示したいと強く思ったのです。その意味で、本書は、現場の実践からは距離を置いた形で記述をするという学術的方法そのものを、「認知症社会」における一つの重要な実践と位置付けたいと考えて書きました (詳しくは本書序章をお読みください)。
 
「认知症」という言叶から、介护の问题を扱った书として本书に関心を寄せる人は多いかもしれません。実际、授业などで认知症の话をすると、自分の祖父母の认知症の様子や、亲の介护の大変さを目にした経験を记してくれる学生たちが、こちらが思っていた以上にいます。そうした関心から読み始めていただいてももちろん良いのですが、同时に、本书を通じて、认知症という主题は「介护やケア」だけではなく、「当事者运动やまちづくり」などを含めて、私たちの社会の前提や価値を问い直すことにつながる、広い射程のものだということを伝えたいです。认知症に関する社会学は医疗?福祉?家族に限られた问题ではなく、他の领域を含めた社会全体と関わる「认知症社会」を问う试みなのです。もちろん、本书は、「认知症社会」とは何であるかを十分に论じきれておらず、今后学术的に検讨すべき课题は多く残されています。それらの课题について、私自身も今后取り组みつつ、一绪に取り组んでくれる方たちが多く现れてくれることを期待します。
 
他方、この紹介文を読む人の多くが20歳前後から20代の学部生だと想定すると、認知症を主題としたこの本への関心はそれほど高くないだろうと思います。そもそも、この紹介文にたどり着いていないかもしれません (笑)。しかし、たまたま見てしまった人たちにあえて言えば、本書は、認知症を対象として扱っているものの、それ以外の対象や、より一般的な社会学的テーマ、そして、社会学のスタンス?方法論を考えていく際に参照しうるものだと思っています。例えば、本書で描いた排除や包摂のありようは、他のマイノリティが「理解」されていく過程を考える際にも参照できる事例となります。また、認知症は加齢?老いと深く関連した現象であり、本書の中心部で注目したのが、その症状の「進行」をめぐる課題ですが、そのことを広く考えると、時間的経過の中で変容していく自分ならびに他者の身体とどのように付き合っていくのかを考える際の先端的事例と位置付けることもできます。このように、本書は、社会科学?人文学の研究が考えるべき普遍的テーマとつながり、また、私たちの人生の必然的な課題とも通じています。このような広がりを持つテーマの文脈で、この本が批判的に読まれていってくれることを強く願っています。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 准教授 井口 高志 / 2022)

本の目次

序章 认知症社会における社会学的课题
 「みんなの问题」としての认知症
 ケア実践の中に问う
 実践を批判的に理解する
 社会学的批判の方法
 本书の构成

第1章 理解と包摂をめざして─ケア?介护の対象としての认知症理解へ
 はじめに  
 1 排除と包摂のくり返しとしての认知症の歴史
 2 理解からの排除?理解することでの排除
    「何もわからない人」からの出発
    「正しい知识」による理解と排除
 3 介护场面ゆえの理解と包摂
    疾患にもとづく「问题行动」の理解
    介护経験への理解不足
    闭じた二者関係と失われる他者性
 4 「新しい认知症ケア」の展开
    その人らしさによりそう
    疾患としての积极的対処
    本人が「思い」を语ること
 おわりに―叁方向での理解?包摂

第2章 医疗は敌なのか味方なのか─ケア実践による医疗批判を考える
 はじめに  
 1 医疗への期待と批判
 2 先駆的実践の背景
 3 精神科临床からの医疗批判
    「不自由をかかえた人」としてとらえる
    「倦まずたゆまずのかかわり」
 4 居场所づくりの実践からの医疗批判
    医疗の外侧へ
    医疗の论理を用いて
 5 医疗批判から学ぶこと
 おわりに―新しい医疗の论理に向きあっていくために

第3章 どのような「思い」によりそうのか─映像资料に见る本人の「思い」
 はじめに  
 1 认知症関连番组に见る「思い」をとらえる実践
 2 本人の「思い」を认める范囲
    「问题行动」の背景にある「思い」
    本人の「思い」の表现にともなう「问题行动」の軽减
    介护する侧の都合をやぶる「思い」
 3 认知症の深まりへの怖れによりそう
    认知症の进行を避けようとする実践
    深まりゆく人の「思い」に向きあう
 おわりに―どのような「思い」によりそうか

第4章 その人すべてを包摂することはできるのか─あるデイサービスにおけるケア実践のジレンマ
 はじめに
 1 「仕事の场」をつくる
 2 「新しい认知症ケア」时代のケア労働
    ケア労働としてのコミュニケーション
    施设と在宅とのあいだ
    「軽度」认知症の発见と早めのかかわり
 3 オアシスクラブでの认知症ケア
    よりそうことと进行を意识した実践
    「ある」ことの许される居场所づくり
    「その场での効果」を超えたケア実践
    衰えの中での「その人らしさ」
    限定的なよりそい
 おわりに―よりそうことのジレンマ

第5章 本人の「思い」の発见は何をもたらすのか─「思い」の聴きとり実践から
 はじめに  
 1 本人の「思い」の登场
 2 「思い」を伝える〈媒介〉
    认知症の人の「自己」への接近
    関係の中での「自己」
 3 〈媒介〉としての聴きとり
 4 関係にはたらきかける聴きとり
    家族への「桥渡し」
    现れにくい「思い」
 5 「思い」の聴きとりは新しいのか?
    家族外部における〈媒介〉
    语れなくなるときに向けて
 おわりに―本人の「思い」の出现は何を提起するのか  

第6章 认知症の本人たちの声はどのような未来をひらくのか─リアリティの分断に抗することに向けて
 はじめに  
 1 「认知症问题」の当事者とは谁か?
    当事者としての家族から本人の「思い」へ
    「语る本人」から当事者団体による声へ
 2 聴かれないことに抗して
    代弁者として
    「认知症らしさ」のジレンマ
    聴かれない问题
 3 聴かれるようになった后の课题
    本人たちの声
    「早期诊断早期絶望」に抗する
    异なる様式の语り
 おわりに―リアリティの分断をつなぐ

终章 希望をひらくことに向けて─「进行」をめぐる诸実践への注目
 1 认知症をめぐる新しい诸実践
    「进行」という课题
    新しい诸実践
 2 障害の社会モデルから见た地域での诸実践
    障害学から认知症を考える
    「する」ことの幅を広げる地域
    根强い「认知症にならないこと」「进行しないこと」の価値
 3 认知症の自己定义への挑戦
    インペアメントへの再注目
    认知症におけるインペアメントの书き换え
    おわりに―社会学的研究の课题と希望

补论 认知症当事者本がひらくもの─二〇一七年の着作群を中心に
 1 认知症当事者本の积み重なり
 2 本人の「思い」からの出発
 3 当事者本の登场とその主张
 4 二〇一七年の着作群から受けとれること
    「できること」の実証と意味転换
    个を超える希望

あとがき
文献
索引
 

関连情报

受赏歴:
第6回福祉社会学会 学術賞 (福祉社会学会賞 2021年7月)

 
着者インタビュー:
「東京大学人文社会系研究科社会学研究室准教授の井口高志先生にインタビューしました!」 (きらケア きらッコノート 2020年10月1日)

 
関连ページ
認知症EYES第153回: 町永俊雄「認知症社会を読み解く人たち ふたり研究者がすごい」 (認知症フォーラム.com 2020年9月25日)

 
书评:
木下 衆 (慶應義塾大学) 評 (『社会学評論』第73巻1号 pp.79-81 2022年7月)


 
深田耕一郎 (女子栄養大学) 評 (『ソシオロジ』67巻1号(204号) pp.167-175 2022年6月)

 
山田裕子 (同志社大学名誉教授)、鄭 煕聖 (関東学院大学社会学部) 評「2020年度学界回顧と展望 - 高齢者福祉部門」 (『社会福祉学』62巻3号, pp. 155-173 2021年11月)

 
相澤 出 (岩手保健医療大学) 評 (『保健医療社会学論集』第32巻1号 pp.107-108 2021年7月)

 
川村雄二 (NHKディレクター) 評「空洞化した『希望』の救出劇」 (『支援』vol.11, pp.192-207 2021年5月)

 
齋藤暁子 (近畿大学総合社会学部?准教授) 評 (『福祉社会学研究』18号 p.273-276 2021年5月)

 
鶴野隆浩 (大阪人間科学大学) 評 (『家族社会学研究』33巻1号: pp.69-70 2021年4月)

 
森下直貴 評「認知症社会の「これまで」と「これから」」 (老生学研究所ホームページ [老成学 研究資料](2) 2021年3月25日)

 
佐川佳南枝 (京都橘大学) 評「現場の実践の過程やジレンマを描く――慎重な検討の先に提示される『認知症社会の希望』」 (『図書新聞』第3483号 2021年2月13日)

 
田島明子 (湘南医療大学) 評「複雑化した認知症の時代的変容を紐解く――社会学者の精緻なまなざしがみつめる希望」 (『週刊読書人』3367: 4面 2020年11月27日)

 
オンライン讲义:
不安の時代 (朝日講座「知の調和―世界をみつめる 未来を創る」2020年講義): 第5回 病いという不安と生きる:認知症をめぐる人びとの実践から (OCW-春雨直播app OpenCourseWare 2020年)


NEW! シンポジウム:
【主催】国際シンポジウム アジアの社会におけるヘルスケアの現在ー子どもから高齢期まで Healthcare in Asian Societal Contexts: from Childhood to the Later Life (奈良女子大学アジア?ジェンダ文化学研究センターHP 2022年12月10日)


関连书籍:
井口高志「認知症の人による〈当事者宣言〉は何に対抗し誰を包摂するのか? ――分断に抗することと認知症カテゴリーの行方」樫田美雄?小川伸彦編著『〈当事者宣言〉の社会学――言葉とカテゴリー』 (東信堂, pp.202-226 2021年3月)


井口高志「认知症新时代の福祉社会学的课题――ケアと承认をめぐって」上村泰裕?金成垣?米泽旦编『福祉社会学のフロンティア――福祉国家?社会政策?ケアをめぐる想像力』 (ミネルヴァ书房,辫辫.175-190 2021年11月)

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