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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に黄色と黒のライン

书籍名

シリーズ ソーシャル?サイエンス 连帯のための実験社会科学 共感?分配?秩序

着者名

判型など

168ページ、叠6判、并製

言语

日本语

発行年月日

2022年1月13日

ISBN コード

9784000269933

出版社

岩波书店

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本书は、2017年の着作「モラルの起源―実験社会科学からの问い」(岩波新書) の後継として執筆された。本書の出発点は、コロナ禍で完膚なきまでに学ばされた「個別の学問分野だけで、あるいは学術世界だけでは現代社会の抱える問題群に到底対応できない」という認識である。
 
実験社会科学とは何か? 笔者は先の着书で、実験社会科学を「利他性や共感性、モラルなど『人の社会』を支える人间本性について、『ヒトの心』に関する自然科学の先端知识を、长い歴史のなかで脉々と积み重ねられてきた人文社会科学の知恵とつなぐことで理解しようとする试み。そうした方向性をもつ、いまだ世界のどこにも存在していない新しい统合的学问への志や梦、チャレンジ」と「定义」した。いかにも「ゆるくブンガク的な定义」だが、今でもこの视点は変わっていない。しかし、大型のデジタルデータから社会のリアルタイムの动态を捉えようとする计算社会科学、および、政策志向の社会実験という新しい社会科学の流れは、実験社会科学のあり方について厳しく覚醒を迫っている。
 
第1章では、実験社会科学の観点から、学問の (社会の) 連帯の必要性について筆者なりの現状理解を記述した。
 
第2章では、人 (や動物) の重層的な「共感システム (empathetic systems)」について論じた。本書の基点となった科研費新学術領域研究「共感性の進化?神経基盤」において、分子生物学、遺伝学、生理学、神経行動学の研究者たちとの濃密なやりとりに、筆者は頭を殴られるような衝撃を感じた。本章はその衝撃を述べている。
 
第3章は、「分配の正义」をめぐる论考である。政治哲学者ジョン?ロールズの论考を轴に、人々の分配行动について行动?认知?神経に関するマルチレベルの计测を组み合わせた実験を中心に、分配の正义の経験的基盘を论じた。
 
第4章は、「秩序问题」をめぐる议论である。秩序问题とは、どのように、そして、なぜ社会秩序(决まりや规范、制度を含む安定した社会のシステム)が存在するのかについての问いである。経済ゲームを用いた行动実験を中心に、人々がどのように「秩序」を作り、また壊すのか、経験的な知见を検讨した。
 
最終の第5章では、次世代の実験社会科学を展望した。分配の正義や秩序を社会科学がどのように扱い得るのか、それに対する誠実な学問的応答は、実験社会科学、計算社会科学、政策志向の社会実験 (フィールド実験) の新しい連帯、および新学術領域研究で実現されたような「理系」領域との分野の壁を越えた相互コミットメントの構築にかかっている。
 
権威主义国家の台头、リベラリズムの衰退、戦争、パンデミックなど、旧来の社会秩序が大きくゆらぐなか、新しい秩序をどのように构想できるのかという问いは、人文社会科学全体に投げかけられた巨大な问いである。私たちは本当の意味での「総合知」が问われる时代に突入した。本书はそうした危机感の中で书かれたエッセイである。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 亀田 達也 / 2022)

本の目次

第1章 なぜ「连帯」を考えるか
 1 「文系にいったい何ができるというのか?」
 2 実験社会科学という試み
 3 適応合理的人間観の普及
 4 科学研究費新学術領域研究「共感性の進化?神経基盤」の発足
 5 「4つのなぜ」
 6 本書の構成
 
第2章 共感性の诸相
 1 原初的共感
 2 情動的共感
 3 災害時の思いやり
  Box1 最適ストッピング課題
 4 認知的共感
 
第3章 分配の正义を考える
 1 分配の正義とは?
 2 分配の正義を気にするのはヒトだけか?
 3 規範としての分配
 4 ロールズの正義論の経験的基礎を探る
 5 「不平等回避」を腑分けする
 
第4章 秩序问题をめぐって
 1 秩序問題とは?
 2 罰のもたらす意図せざる結果――クラウディングアウト現象
 3 公共財問題とサンクション(賞罰)制度
 4 監視と罰制度の選択――どのくらい強い「システム」を選ぶか
 
第5章 実験社会科学を锻えるために
 1 ラボ実験の長所?短所
 2 今?ここを捉える――計算社会科学の登場
 3 政策志向の大規模社会実験の急増
 
参考文献
あとがき
 

関连情报

书评:
仁科国之 (大阪大学) (『社会心理学研究』38巻 (2022) 2号 2022年12月25日)

 
人文的、あまりに人文的#093 注目の新刊 (哲学の劇場 | YouTube 2022年1月21日)


吉良貴之「2021年のおすすめ書籍」 (『フィスカル』Vol.7, No.1 2022年)

 

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