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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白とベージュの表紙

书籍名

ちくま新书 现代ロシアの军事戦略

着者名

判型など

320ページ、新书判

言语

日本语

発行年月日

2021年5月6日

ISBN コード

978-4-480-07395-2

出版社

筑摩书房

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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今から7年前の2014年、ロシアが突如としてウクライナに军事介入するという出来事が起きました。「同じ旧ソ连诸国同士で何故こんなことが」、というのが前着『「帝国」ロシアの地政学』におけるメインテーマの一つでしたが、今回の『现代ロシアの军事戦略』はこの事態に別の視点から光を投げかけてみました。つまり「どうやってこんなことを」ということです。
 
ロシアによるウクライナへの軍事介入は、歴史の教科書に出てくるような戦争のやり方とはかなり違っていました。宣戦布告は行われず、実際に派遣されたロシア兵たちは国籍を示す徽章を一切取り外した状態でウクライナ領へと進出してきました。さらにロシアからは民兵や民間軍事会社 (PMC)、コサックといった非国家主体が送り込まれ、現地の住民と一緒になって武装蜂起を引き起こしました。戦いの手段も軍事力とばかりは限らず、サイバー戦や情報戦などの非軍事手段が多用されました。
 
こういう戦い方を「ハイブリッド戦」と呼ぶ、ということは、もはや时事用语集なんかにも载っています。ただ、じゃあハイブリッド戦て何なのだ、と言われると明确に答えられる人はあまりいないでしょう。第一に、この概念は米海兵队の中で発达してきたものであり、「ヴェトナムからイラクに至るまで、世界最强の米军はなぜ数でも装备でも劣るゲリラにいつも负けるのか?」という问题意识を前提にしています。それゆえにハイブリッド戦というのはかなり高度な军事的知识を持たないと実は何の话なのだかよく分かりません。
 
第二に、以上の理由から、ハイブリッド戦はロシアの军事力行使形态を理解する概念としては问题があります。それは米海兵队が自分たちの実戦経験の中から编み出してきたものであって、ロシアはロシアでまた别种の戦争観や戦闘ドクトリンを発达させてきたはずです。
 
本书は、以上の二点を読者になるべく分かりやすく説明することを念头に书かれています。大雑把に言えば、米国とロシアは异なる出発点から非常によく似たゴールへと辿り着いた、と言えるでしょう。ある事态に际し、军队は展开するが戦うとは限らない。戦っても胜利を目的としているとは限らない。戦いの手段は暴力に限定されず、非军事手段が大きな役割を果たす。といったあたりが主な特徴でしょうか。
 
しかしだからといって、古典的な国家间戦争が过去のものになるというわけではありません。本书の后半ではロシア军大演习の分析というちょっと珍しいことをやってみましたが、ここから明らかな通り、ロシア军は依然として大规模戦争に备え続けています。非古典的な手法や主体によって戦われる戦争は、それで完结するとは限らず、最终的にはクラゼヴィッツが描いたような国家と国家の総力戦になる可能性が排除できないということです。
 
こうしてみると、戦争という现象は近年になってすっかり「変质」したのではなく、その幅が「拡张」されたと考えるべきでしょう。では、こうした时代にあって、我が国の安全保障をいかにして确保し、戦争そのものの可能性を低减していけるのか。こうした思索のきっかけに本书がなってくれるのならば、着者としては幸いです。

 

(紹介文執筆者: 先端科学技术研究センター 講師 小泉 悠 / 2021)

本の目次

はじめに ―― 不確実性の時代におけるロシアの軍事戦略
第1章 ウクライナ危机と「ハイブリッド戦争」
1 NATO拡大 ―― 東欧でのオセロ?ゲーム
2 ウクライナで起きたこと
3 「ハイブリッド戦争」をめぐって
第2章 現代ロシアの軍事思想 ―― 「ハイブリッド戦争」論を再検討する
1 非軍事的闘争論の系譜
2 「永続戦争」の下にあるロシア
3 「カラー革命」に備えて ―― ロシア国内を睨む軍事力
4それでも戦争の中心に留まる军事力
第3章 ロシアの介入と军事力の役割
1 ウクライナ紛争に見る軍事力行使の実際
2 中東での「限定行動戦略」
3 特殊作戦部隊と民間軍事会社
4 「状況」を作り出すための軍事力
第4章 ロシアが备える未来の戦争
1 大演習を見る視角
2 対テロ戦争、大規模戦争、「カラー革命」
3 「新しい戦争」と総力戦
4 国家に支援された非国家勢力との戦い
5 演習をめぐるポリティクス
第5章 「弱い」ロシアの大规模戦争戦略
1 劣勢下での戦い方
2 戦場化する宇宙
3 ロシアの核戦略 ―― 「エスカレーション抑止」をめぐって
おわりに ―― 2020年代を見通す
あとがき ―― オタクと研究者の間で
 

関连情报

试し読み:
戦争と平和の隙间を衝くロシア暗跃の全貌とは (飞别产ちくま 2021年5月18日)

 
着者コラム:
米露首脳会谈でも止まらない ロシアによるウクライナ侵攻の危机 (驰补丑辞辞!ニュース 2021年12月10日)

 
中央アジアにおけるロシアの军事プレゼンスとアフガニスタン情势のインパクト (苍颈辫辫辞苍.肠辞尘 2021年11月4日)

 
着者インタビュー:
崩壊30年も...なお消えぬ「ソ连の残影」 プーチン体制が象徴するトラウマとプライド (闯-颁础厂罢ニュース 2021年12月25日)

 
ラジオ出演:
特集「未来への戦争に備える、現代ロシアの最新軍事戦略とは」小泉悠 (TBSラジオ「荻上チキ?Session」  2021年5月31日)

 
「憲法記念日に考える“これからどーなる?憲法と安全保障”」by 小泉悠&辻田真佐憲&高橋万里恵 (Tokyo FM「News Sapiens」 2021年5月3日)

 
アーカイブ动画:
广瀬阳子&迟颈尘别蝉;小泉悠 司会=上田洋子「ハイブリッド戦争と『大国』ロシアの地政学――『现代ロシアの军事戦略』刊行記念」(2021/6/7収録)ダイジェスト (ゲンロンYouTube Officialチャンネル 2021年6月12日)

 
池内恵x小泉悠「现代ロシアの军事戦略」 #国際政治ch 96前編 (ニコニコチャンネル: 国際政治チャンネル 2021年5月15日)

 
オンラインセミナー:
【オンラインセミナー】地盤沈下に抗うロシアの軍事戦略 (1) (Foresightセミナー13 2021年3月26日)

 
【オンラインセミナー】地盤沈下に抗うロシアの軍事戦略 (2) (Foresightセミナー12 2021年3月26日)

 
书评:
橋本 努 (北海道大学大学院教授) 評「西欧の模倣で中?東欧が混乱 自由民主主義は自己鍛錬必要」 (週刊東洋経済Plus 2021年7月31日)

 
(新書?文庫)『现代ロシアの军事戦略』小泉悠 著 (日本経済新聞 2021年6月26日)

 
イベント:
小泉悠×安田峰俊×マライ?メントライン×神島大輔 「ロシア! ドイツ! チャイナ! オール大国大進撃」 『现代ロシアの军事戦略』(筑摩书房)『中国vs.世界 呑まれる国、抗う国』(PHP研究所)W刊行記念 (B&Bブックストア 2021年6月17日)

 
广瀬阳子&迟颈尘别蝉;小泉悠
司会=上田洋子「ハイブリッド戦争と『大国』ロシアの地政学ーー『现代ロシアの军事戦略』刊行記念」 (ゲンロンカフェ 2021年6月7日)

 
讲座:
现代ロシアの军事戦略と日本の安全保障 (早稲田大学エクステンションセンター 2020年1月12日~2月16日)

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