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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に香港ビルの写真

书籍名

香港 あなたはどこへ向かうのか

着者名

判型など

262ページ、四六判

言语

日本语

発行年月日

2020年9月30日

ISBN コード

978-4-909895-04-2

出版社

出版舎ジグ

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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アヘン戦争后、イギリスの植民地になった香港は、3年8ヶ月の日本军占领期を経て、再びイギリスの植民地に戻った。その后、主権の返还をめぐる交渉が行われたが、市民や市民が选んだ代表が政治の主体となってそのプロセスに関わるという选択肢はなかった。1997年7月1日、主権が中国に返还され、香港は「一国二制度」の下で统治されることになったが、香港が独自に维持できる制度には多くの制限が设けられていた。このような歴史の中で、香港の社会は常に重层的な植民地的构造を反映したものであった。
 
しかし2019年、逃亡犯条例改正案に反対する市民によるデモが拡大し、抗议や抵抗は激しさを増した。この背景には、歴史的に蓄积された分断と格差の问题が潜んでいる。香港の人たちは、何に悩み、苦しみ、未来をどう展望しているのだろう。笔者は1996年から2000年、香港で大学院生として暮らしていた。その顷の日々を振り返り、再会した旧友や师から话を闻いた。さらに、主妇、ソーシャルワーカー、非常勤警察署员、大学院生、香港っ子日本人高校生、亲中派年金生活者、知识人たちにもインタビューを重ねた。
 
私たちは家庭で、コミュニティで、そして学校でさまざまな教育を受ける機会を得て、自らの現在と過去をとらえ、未来のあり方を展望する。政府は個人の発展の側面から、そして、経済発展や国際的な環境をとらえた上で教育改革を行い、人材育成の計画を立てる。中国への主権の返還が決まった頃、香港の教育改革の中で特に重視されていたのが、公民教育 (Civic Education) だった。その流れの延長戦上に通識教育 (Liberal Studies) のカリキュラムが発展し、2009年には必修化された。香港の人たちが自らの過去、現在、未来を見つめ直そうとしてきたその軌跡は、こうした教育改革と学びのプロセスの中に現れている。
 
しかし、国家安全維持法 (国安法) が施行された香港では、通識教育のあり方を大きく変える政策が実施されつつある。中国では、国家権力が教育の内容や手法に大きな縛りをかける傾向が顕著になっているが、香港にも徐々に同様の動きが広がっている。
 
国民の主体的、积极的な政治?社会参加があってこそ、民主主义は成熟する。逆に、国安法のように、国民から批判的に思考し、行动する力を夺うような法律が施行されれば、市民社会は衰退し、民主主义の実现は难しくなる。民主主义が制度的に保障されている日本でも、このような动きを対岸の火事と见ているべきではないだろう。
 
本书の后半では、歴史から学ぼうとする台湾、歴史を忘却する日本社会についても考察し、経済?政治?人的交流のエネルギーがせめぎあう东アジアにおける问いの共有と対话を模索した。中国でのフィールドワークや人権派弁护士の支援を続けてきた着者の経験と思いからも、暴力、沉黙、抵抗の根底にあるものを捉えようとした。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 阿古 智子 / 2021)

本の目次

はじめに

1 スターリー?シスターズ
寮生活一九九六/再会ランチ二〇一九/奥丑补迟蝉础辫辫での告白/香港人を夸りに思う/世代を超えた动き/移民の街の新移民/警察署の内侧で/教育?福祉?格差

2 暴力と非暴力の间
暴力の拡散とエスカレート/自由か売国か/祸港四人帮/アップルデイリーの创业者/黒ずくめの中学生/大学笼城/生卵攻撃とモラル

3 マスクとメディアと言论
マスクは违宪か合宪か/紧急事态/厂狈厂上の攻防/河童くんの政治力/ウイルス制圧と権力/赤と緑の选挙戦

4 「敌」はどこにいるのか
政権批判と「社会秩序/『风传媒』编集长の话/反浸透法と「帯风向」/境界を越えて书くこと/台湾海峡、両岸の家族/沉黙という不诚実/家族の物语、戦争の记忆を分かち合う

5 批判的思考と教育の中立性
白色テロの事态と移行期正义/景美と緑岛の人権文化园区/野晒しの墓石/台湾の歴史教育「政治的中立规定があります」/台湾の高校で学ぶ「中国史」/ダーク?ヘリテージ/ガイドの力 共感と対话の场をひらく/暮らしの足元で 旧豊多摩监狱の门/问いに応えるには/対抗の知恵 主戦场は厂狈厂/ライブ配信される暴力/全否定を避ける/通识教育は何を育むか/批判的分析の力量/香港っ子日本人

6 分断される社会
「香港人」とは谁か/格差と贫困/住宅难の中の新移民/アイデンティティ言説の政治/外国人家政妇たち/「民主はないが自由はある」/天安门事件の「暴徒」

7 つながっていたい
ある家族のホームステイ/「国家安全」の名の下に/削除、解散、解雇、亡命/恐怖とどう向き合うのか/动き続ける香港/人生の実践として/つながるために

おわりに

主要参考文献 
注 
着者绍介

関连情报

着者コラム:
香港人であり続ける苦悩 民主派新聞リンゴ日報の停刊 (共同通信社KYODO NEWS 2021年8月12日)


香港よ、変わり果てたあなたを忧いて (狈别飞蝉飞别别办 2021年7月21日)


香港が「萎缩社会」になりつつある&丑别濒濒颈辫;多くの日本人が知らない「衝撃実态」 (现代ビジネス 2020年11月24日)


Jig-web連載「香港 あなたはどこへ向かうのか 番外編」 (出版舎ジグホームページ 2021年1月8日)

 
Jig-web連載「香港 あなたはどこへ向かうのか 6」 (出版舎ジグホームページ 2020年2月11日)

 
Jig-web連載「香港 あなたはどこへ向かうのか 5」 (出版舎ジグホームページ 2020年1月21日)

 
Jig-web連載「香港 あなたはどこへ向かうのか 4」 (出版舎ジグホームページ 2020年1月12日)

 
Jig-web連載「香港 あなたはどこへ向かうのか 3」 (出版舎ジグホームページ 2020年1月6日)

 
Jig-web連載「香港 あなたはどこへ向かうのか 2」 (出版舎ジグホームページ 2019年12月28日)

 
Jig-web連載「香港 あなたはどこへ向かうのか 1」 (出版舎ジグホームページ 2019年12月28日)


着者インタビュー:
(ひと)阿古智子さん 中国の人権派弁护士や香港の民主派を支援する东大教授 (朝日新闻顿滨骋滨罢础尝 2022年2月10日)


変革への意思に希望 民主と自由求める香港民衆/東京大学大学院教授:阿古智子さんに聞く シリーズ現代の視点 (しんぶん赤旗 2020年10月21日)

 
书评:
堀潤 評「本から拓ける新しい知。変動する時代の必読書」 (『an?an』No.2249 2021年5月12日)


髙林 睦宏 評「香港、台湾の苦闘と歴史-分断への深き視線と思索」 (Nippon.com 2021年3月22日)

 
『香港 あなたはどこへ向かうのか』着者、阿古智子さんに闻く (『ふぇみん』3280号 2021年3月5日)

 
吉岡桂子 評【ブックハンティング】「フィールドワーク」で迫る香港社会の「実相」 (『フォーサイト』 2021年1月26日)

 
倉田明子 評「香港をめぐる対話と考察」 (『世界』 2021年1月号)


 
久田貴志子 評「香港 あなたはどこへ向かうのか」著者インタビュー 渦巻く怒りとやるせなさ」 (朝日新聞2020年11月14日)

 
遠藤乾 評「縮減する自由を紡ぐ」 (共同通信配信記事 2020年11月7日、北日本新聞、北國新聞 2020年11月8日、 秋田魁新報、高知新聞、沖縄タイムス、中部経済新聞 2020年11月14日ほか)

 
イベント、讲座:
令和3年度 九州大学台湾スタディーズ レクチャーシリーズ 映画を通して見る東アジア (2):今みんなで考えるべき問題とは (九州大学台湾スタディーズ 2022年3月18日)

 
オンライン讲座「香港の明日~真の自由と民主主义を考える~」 (狈贬碍文化センター梅田教室 2021年3月21日)

 
『香港 あなたはどこへ向かうのか』(出版舎ジグ)発刊記念イベント
『中国?香港の人権问题の行方』 (ロフトヘブン 2020年12月3日)

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